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和書 554314 (28)



大杉栄 自由への疾走 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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“自由を求めて国家権力と戦った悲劇の英雄”
 本書を通して浮かび上がってくる大杉栄の人物像を簡単にまとめるとこうなるだろう。それは、大逆事件のシーンから説き起こし、甘粕事件及びその後日談でしめくくるというストーリー構成から如実にうかがえる。

 しかし、大杉とはそんな生真面目な男だったのだろうか? 「反権力」という分かりやすい図式に押し込められてしまい、自らに横溢するエネルギーを打ち上げ花火のようにパーッと爆発させる破天荒な彼の姿が見えてこない。「自由」という言葉にしても、鎌田氏が使うと陳腐な正義に転化してしまう。せっかく魅力的なタイトルをつけているのに、この言葉に込められたはずの疾走する躍動感が全く伝わってこない。
 資料を丹念に調べ上げた努力ち?大いに買う。だが、鎌田氏の筆致は硬くて息苦しい。社会悪の追求はできても、人間そのものの面白さを生き生きと活写するのには向いていないのではなかろうか。




咬ませ犬 (岩波現代文庫―社会)
販売元: 岩波書店

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‘91から93年かけて雑誌に発表され、後に単行本されたものを文庫化した作品である。

咬ませ犬と呼ばれたボクサー、公式戦記録もなくブルペン捕手として野球生活から引退しながら中日ドラゴンズの2軍監督になった男、競馬の世界では騎手や調教師などとは違い目立たない存在の厩務員、選手を引退した後も大学の監督として夢を追い続けるラガーマン、尖鋭登山に挑み続ける中年クライマー。

5編の短篇が収められたこの作品の主人公はいずれも一般には全く無名な人物ばかりである。ラグビー選手として有名であった坂田好弘にしても描かれたのは現役時のことではなく、引退後しばらく経ってからであり一般的にはその存在が忘れ去られた頃である。

しかし、彼らは一般的には無名でも、その世界に住む目の肥えた人物にはプロ中のプロと眼に映る人達である。

著者はそんな彼らの姿を、時間を惜しまない丹念な取材で描き出す。著者のどの作品を読んでみても判るのは、彼が「取材のための取材」は行わないということである。主人公となる人物達の日常にそっと近づき雑談を繰り返す。そして、その中からキーとなる言葉を自然に引き出していく。その人物と行動を共にしたりもするのだが、その人物のペースを乱すことなく一歩引いたところから見詰めている。著者には、主人公は取材をして作品を書く自分であるという気負ったところは全く感じられない。その人物のありのままを写し取っていく。

人物を描いたノンフィクション作品には年数が経つと色褪せたように感じるものも少なくないのだが、著者の作品はその対極にある。年月を経ても古さを感じさせなく色褪せることもない。それは著者がその人の“功績”ではなく“人物”を描いているからなのだろう。傑作!!




逆転―アメリカ支配下・沖縄の陪審裁判 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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沖縄返還前にはアメリカにならって陪審員制度があった
しかしその実態は非常に不平等なモノであった、という話
DQN米兵にけんかをふっかけられ米兵は返り討ちになり死亡
けんかをふっかけられた沖縄の青年らが傷害致死で捕まってしまう
その陪審員として招集された人物の視点で進む話である
陪審員もアメリカ人が大半で沖縄人が少なくて不利に進んでいく
主人公はPXとかに宝石を卸す会社の幹部で裁判と同時に会社にも危機か迫る
なんとその業績を嫉妬した民政府に無根拠な追徴課税をふっかけられ
会社は存続の危機に陥り沖縄から追い出されそうになってしまうのである
欺瞞と不条理に満ちたアメリカ占領下の情勢が興味深い一冊である





逆命利君 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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 本書は単行本で出た時からの愛読書だが 岩波現代文庫にまで入ってしまったことにはいささか驚いたし 愛読者として 嬉しい。

 本書で描かれているのは 鈴木朗夫という 住友商事の常務だった男である。正確に言うと 常務の時に亡くなってしまった。従い生きていれば 若しかしたら社長になっていたのかもしれない。いや 是非 住商の鈴木社長を見てみたかったものである。

 本書が描く鈴木とは 「サラリーマン」からは程遠い「教養人」だ。フランス文学を愛好し部下に自分をムッシュウと呼ばせながら 果敢に日本の企業社会に挑戦し 半ば「夭折」してしまったかのような 気障な男である。

 この本を読んでいると 鈴木は 詩人ランボーに似ていると強く思った。ご存知の通りランボーは 短い期間に天才的な詩を書き散らした上で 断筆し 商人となってアフリカを商売しているうちに亡くなった 異形の詩人である。
 鈴木自身も 本書を読む限り 個人の資質としては「詩人」が一番近かったと思う。そんな鈴木が 自分の資質を半ば封印して 商社に勤務し続けたという姿は アフリカを放浪するランボーに重なる。
 勿論 ランボーもアフリカが好きだったのだろうし 鈴木にとっての「アフリカ」であった住友商事も 鈴木は好きだったのだと思う。

 但し 断筆したランボーとは異なり 鈴木の懐には 彼の「詩」をしたためる小さな手帳のようなものがあったような気がしてならない。その意味で 鈴木の死は 50歳代であったとはいえ「夭折」なのだと思うのだ。
 





椎の若葉に光あれ―葛西善蔵の生涯 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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湛山除名―小日本主義の運命 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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鳥居龍蔵伝―アジアを走破した人類学者 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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徳島県出身の人類学者、鳥居龍蔵博士の評伝。
筆者は、戦中の北京在の経験を生かし、鳥居博士の海外調査(特に、
現在の内蒙古、満洲)を通じリベラリスト鳥居を活写する。
ただ、惜しむらくは、鳥居博士の調査が膨大多岐にわたることからであ
ろうが、数次に及ぶ調査のそれぞれの学問的位置づけの分析に弱い。ま
た、考古学者の人名等些細な記述漏れも目に付く。
しかし、筆者の鳥居博士とその家族へのまなざしは、鳥居博士の戦中戦
後の行動の清廉さとあいまって、とても暖かく感じられ、読後感は心地
よく、空前にして絶後の学者を知る好著。





評伝 緒方竹虎―激動の昭和を生きた保守政治家 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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密約―外務省機密漏洩事件 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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外務省がとんでもない事をしたのか、報道の自由の問題なのか、裁判所の事実誤認な
のか、そこに働く人の倫理の問題なのか、事件の歪曲なのか、新聞記者の行動が問題
なのか・・・何が一番書きたかったテーマか分からなかった。




面々授受―久野収先生と私 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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