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和書 554314 (62)



撃滅 山口組VS一和会 (講談社プラスアルファ文庫)
販売元: 講談社

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極道史に残るこの抗争の、経緯とその背景をまとめています。また暴力団を取り巻く警察や政治家についての述べられています。竹中正久射殺事件が昭和六十年のことですから、もう二十年近く前のことです。結構極道ファンはいるらしいですが、そういう人には面白いと思います。




下下戦記 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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今年は水俣病の「公式確認」50年ということで、雑誌やテレビなどで幾つかの特集がやっていた。それらの特集で「現在の課題」として語られていたのが、「患者は保証金では救われない、社会参加と福祉をもっと考えていかねば」ということだった。私はそれを見て当惑してしまった。正直、「今さらそんなことが課題なの?」と途方に暮れてしまった。

なぜなら、「患者は保証金では救われない、社会参加と福祉をもっと考えていかねば」なんてことは、患者たちと著者が「下下戦記」(初出1980年)で既に繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し主張していたことだったからだ。

「下下戦記」は”異色”の水俣病ルポタージュとされている。その異色さは、「患者たちの生活を赤裸裸」に描いた点にあるとしばしば表現される。しかし私が表現するならば、「下下戦記」は患者たちを「聖なるもの」として描かず「俗なるもの(=わたしたちと余り変わらないもの)」として描いたという点にその”異色”さがある。そして、「俗なるもの」として描いた故に「患者は保証金では救われない、社会参加と福祉をもっと考えていかねば」という「当事者の叫び」が聴こえてくるのだ。

患者たちを「聖なるもの」として描かず「俗なるもの(=わたしたちと余り変わらないもの)」として描いたこの「下下戦記」のスタンスは、水俣病の必読文献として頻繁に挙げられる「苦海浄土」のスタンスとは正反対と言えるかもしれない。私は「苦海浄土」は水俣病を「文学化」することには成功していると思うけれども、患者たちを「聖なるもの」とみなすことにより「当事者の声」を美化し封じ込めた罪もまたあると思っている。

「下下戦記」は「水俣病患者の性」についても語られているためか、水俣病の必読文献として挙げられることは余りない。それは「性」を語ることがタブーであった1980-90年代では無理もないことだったかもしれないが、(例えば「障害者の性」の問題がタブーではなく実は本質的な問題であることが認識されつつある)2006年の現在であるならば、「下下戦記」ももっと”まっとう”に評価されうると思うし、評価されてしかるべきだと思う。是非一読をおすすめしたい。

#意外に思うかもしれないが、「下下戦記」は「水俣病」という文脈を離れても、非常に優れたひとつの「青春グラフティ」としても読めると思う。「水俣病」という「地獄」の中で悶えながらも悲喜こもごもに輝く青春の姿がここにはあり、それは感動的と言ってもよいと思う。(私はサイバラリエコにこの「下下戦記」を是非マンガ化してほしい、と思ってしまった。「下下戦記」は貧しくもたくましい西日本の漁村における青春グラフティでもあるのだ。)




下下戦記(げげせんき)
販売元: 白水社

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吉田司氏はこれで大宅壮一ノンフィクションを受賞した、と帯にあります。
実質的なデビュー作であり、吉田氏のこの後の著述活動の原点なのでしょう。

とにかく圧倒されるのは、取材対象(といっていいものかどうか?)に対する没入の仕方が生半可ではありません。
若い患者の『運動』を支援するためとはいえ、地元の人間からもあらゆる偏見・貧乏という理由で忌み遠ざけられている患者達と正に全身全霊のやりとりを若き吉田氏は行っていきます。
同じ言葉を使い、同じ釜の飯を食い、自分の寝床を彼らに解放して・・・。

そうして聞き取った彼らの叫びは彼らの語った言葉のママ、訛りもどもりも全てそのまま記録されています。
だから最初は少し読みにくいかもしれません。
ただ水俣の若い患者が直接魂から雄叫びをあげているような臨場感があって、こんなモノを読んだことがありません。
患者の一人が恋人にふられた後で書いた直筆の手紙が、直筆のまま掲載されていますが、こんなに心が震えるような文章を人間がかけるのかと思います。

でも、ま、ぶっちゃけていうと、若い水俣病患者でも恋をする、ってのが一番の読ませどころですかね。
恋愛ドラマのさなかでは吉田氏は完全に狂言廻しの役目を引き受けております。ちょっとニヤリとするとこも多いですよ。

当時の吉田氏は・・・20代前半・・・!
これほどまでに『書く』ことを宿命的に引き受けている人が多ければ、ジャーナリストとやらも少しは信頼できるのに。




原色の愛に抱かれて―リゾート・ラバー・シンドローム (青春文庫)
販売元: 青春出版社

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原色の愛に抱かれて―異国のJAPANESE
販売元: 青春出版社

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夢の科学工房(オペレーション・ドリーム)探検 (現代を読む)
販売元: 時事通信

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失言恐慌―ドキュメント東京渡辺銀行の崩壊 (現代教養文庫)
販売元: 社会思想社

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師弟物語 (現代教養文庫 (1509))
販売元: 社会思想社

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高杉良の世界―小説が描く会社ドラマ (現代教養文庫)
販売元: 社会思想社

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魯迅に学ぶ批判と抵抗―佐高信の反骨哲学 (現代教養文庫)
販売元: 社会思想社

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この本は、「さらば会社人間」というタイトルで最初出版されました。大変辛口の批評家と言われている著者ですが、この本では魯迅についてわかりやすく、でも必要なことを上手く伝えてくれていると思います。思想を認めるか否かは別としても、すんなりと胸に入って来るのは、「自分の思想的故郷」と言うぐらいに著者が魯迅の作品をわが身にしているからなのでしょう。魯迅も難しくない、今だからこそ読むべきものがある、と思わせてくれ、魯迅をまた読みたくさせてくれます。特に、有名な小説よりは評論、書簡のたぐいなどに取り付きやすく、読むべきものがまだありそうです。

魯迅の著作は比喩も多く、難しい、そして暗さが勝って読むのがつらい。「名作」といわれる「狂人日記」「阿Q正伝」などを学生時代に読んだときには、そんな気持ちで遠ざかってしまいました。著者も「魯迅は、学生時代に読むには辛気臭いかもしれません。」とこの本の中で書いています。
魯迅の作品はその時代の「中国」と不可分なだけに、時事的な部分が強調されて目に入ってしまうと「その頃の中国だから」で読み終わってしまいがちでもあります。そういう文章も多いと思います。しかし、普通の人間に社会がどうにもならない、できないように感じられる現代の日本には、まだ魯迅の描いた社会と同じものが残念ながらあるのでは。だからこそ、もう一度魯迅のような文章を見直してみなくてはいけないのではないでしょうか。「騙されない強さ」を手に入れるにはどうすればよいのか。現代の日本人が失っていく「弱者の強さ」への喚起、を感じる一冊です。

「吶喊」の中の一つ、「故郷」という作品について、「ウソをつくなと教えるより、ウソを見抜く知恵をさずけよ。それが教育だ。魯迅の考えはまさにそこにある。」と書かれています。政治すらも目を引く言葉やパフォーマンスに引きずられている現代だからこそ、この言葉は突き刺さります。
「真面目であること」がナルシシズムに終ってしまう危険性、「生真面目な日本人はどうしても指導者を求めてしまう」という指摘。著者の解釈が大きく入っているとはいえ、そういった指摘が魯迅の中にすでにあったことは良くわかります。(もちろん、魯迅の作品そのものを読んで自分で確認することは必要です。してください。)これが自分の中にもあることを認めることはつらいですけれども、それに気付いてじたばたと進むか、あきらめてしまうのか。

魯迅評論集で、竹内好も「苦しくなると、とかく救いを外に求めたがる私たちの弱い心を、彼は鞭打って、自力でたちあがるようにはげましてくれる。」と言っています。今、わたし達に足りないものの一つがこういう励ましかもしれません。過激で、苦い薬です。


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