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和書 554314 (142)



凡宰伝 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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「平成おじさん」こと小渕恵三の人生を当人にも多く取材して描いたベテランジャーナリストの書籍である。
周囲から「凡人」と思われていたこの人物の凄み――人心収攬から不気味なまでのしたたかさ――を取り上げる一方で、その限界点も指摘する。
一国の宰相を無闇にヨイショしたり、逆に罵倒するのでもなく、その複雑な内面まで分け入った評伝として興味深く読める。




マガジン青春譜―川端康成と大宅壮一 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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「心の王国」「ピカレスク」と文庫で読んできて、こちらの作品に至りました。
事実の小説化というのが、本当に上手い作家さんであるということを、
読み進めるたびに感じました。

本書のメインテーマ(?)は「川端康成と童貞」。
井上ひさし氏との対談でも出てきた川端の視線は、
長らく童貞を保つ者共通のものなのか?
そしてこのようなパーソナリティだからこそ、外国人にも
アピールする作品をつむぎ出せたのか?、との読後感を持ちました。

その他にも、当時の文壇を疾走する人々の活写が、とても面白い作品でした。
「地上」の島清は、以前漫画で読んだことがあり興味を持っていたので、
特に面白く読めました。




マレーの虎ハリマオ伝説 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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現在、中野不二男氏は科学技術ライターとして、最先端の科学技術をわかり易く解説する日本では貴重な存在である。その科学技術に取り組む姿勢は、著者の初期の作品にも色濃く映し出されている。私個人としては本書よりも、無名の日本人捕虜の心理状態を再現した前作「カウラの突撃ラッパ-零戦パイロットはなぜ死んだか-」の方が好きではあるが、一般に有名で広く伝説として(あるいはテレビ番組として)知られているハリマオの意外な真実を記した本ルポも、魅力的な題材である。

中野氏のマレーシア、福岡での取材活動にも眼を見張るものがある。最近なかなかお目にかかれない行動力+洞察力である。ルポライター養成の教科書としても使用できるのではないだろうか。




宮沢賢治殺人事件 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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賢治=聖人伝説を覆す問題作。
たぶん、これが本当の賢治像なんだろうね。
で、
この本を読んで、
賢治が嫌いになるか、
好きになるか。

僕はむしろ好きになったよ。




明治快女伝―わたしはわたしよ (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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夢見る乙女のような、あるいは辛酸をなめた青春時代を過ごした女性たち、結婚を契機に飛躍し、あるいは挫折し、自立し、ともかく一生懸命に生きた52人の明治の女性たちを、見事な短文で紹介している。谷中で地域雑誌を発行しながら、地域の景観保全運動、環境保護運動などをリードし、旺盛な執筆活動でいくつかの名著を著わし、離婚して三人の子供を育てた現代の『快女』森まゆみが書いているのだから当然読み応えがある。

夫古在由直のラブレターが印象的な、自由民権家・ジャーナリストの清水紫琴。大杉栄を刺したことで有名な神近市子の意外な側面。因習の打破を実行した貴族の娘、柳原白蓮。日本女性初の自伝を書いた福田英子の波乱万丈の物語。大逆事件で拘束されながら最後まで毅然としていた菅野すが。山川菊栄、与謝野晶子、平塚らいてうの『母性保護論争』はいまだ現代にも通じる要素が随所にある。昭和初期の労働運動に目覚め、初志一貫した山内みな、あるいは梅津はぎ子。『人生に真正面から取り組んだ向日性の文学』宮本百合子。日本救世軍を支えて夭折した山室機恵子。ローザ・ルクセンブルクの名を呼びながら絶命した詩人・農民運動家・渋谷黎子。中年時の夫の改心で花開いたジャーナリスト高群逸枝。文化学院を設立し、戦時化反体制の人を匿い、『日本母親大会』の生みの親で「母親が変われば社会が変わる」という有名な言葉を残して逝った河崎なつ。女優の中興の祖、水谷八重子。どん底の人生の中で神がかりとなった出口なお。
有名無名の女性たちの人生が生き生きと迫ってくる。あっと驚く側面も多い。一文一文は短いのでこま切れの空いた時間で読んでいける本である。




メディアの興亡〈上〉 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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「コンピュータで新聞を作る」

 という、コンピュータがここまで発達・普及した現在だと普通に考えられることが、
昭和40年当時、「アポロ宇宙計画に匹敵する難事業」であったこと。

 そして、昭和40年といえば、山陽特殊鋼や山一證券の経営破綻という前年までの好景気から一転した
大不況の真っ最中・・・新聞社もその例外ではなく、
どこも経常利益1〜2億/年の頃、全国展開のための営業費増と新社屋建設ラッシュの結果、
毎日新聞社は200億余の借金、日本経済新聞社も100億余の借金を抱え、青息吐息の中で
産声をあげたプロジェクト。

700ページ余の大分の本書、コンピュータ導入による活字・職工の全廃という
「革命」を狂言回しにした
 昭和40年代〜52年に毎日新聞が新旧会社に分離するまでの新聞業界史でした。




メディアの興亡〈下〉 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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「コンピュータで新聞を作る」

 という、コンピュータがここまで発達・普及した現在だと普通に考えられることが、
昭和40年当時、「アポロ宇宙計画に匹敵する難事業」であったこと。

 そして、昭和40年といえば、山陽特殊鋼や山一證券の経営破綻という前年までの好景気から一転した
大不況の真っ最中・・・新聞社もその例外ではなく、
どこも経常利益1〜2億/年の頃、全国展開のための営業費増と新社屋建設ラッシュの結果、
毎日新聞社は200億余の借金、日本経済新聞社も100億余の借金を抱え、青息吐息の中で
産声をあげたプロジェクト。

700ページ余の大分の本書、コンピュータ導入による活字・職工の全廃という
「革命」を狂言回しにした
 昭和40年代〜52年に毎日新聞が新旧会社に分離するまでの新聞業界史でした。
 





目撃者―「近藤紘一全軌跡1971~1986」より (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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近藤紘一の一周忌(87年)に単行本として刊行された作品の文庫版。

単行本は、著者の執筆活動を「記事」「ルポ」「評論」「エッセイ」「創作」の五つに分類、生前単行本として刊行されなかった作品(ただし「創作」に収められた「仏陀を買う」を除く)が収められていたが、文庫本ではこの中の「エッセイ」と「創作=小説」だけが収録されている。

「創作」に収録されている「夏の海」が印象に残った。不幸にも死に別れてしまった前夫人の遺稿集に寄せた、彼女との思い出を綴った文章なのだが、弔辞と考えればこれ程美しい弔辞はないと思える。解説の沢木耕太郎が「詩的随想」と記したのも頷ける。

著者と彼女の不幸な別れについては、彼の多くの作品で断片的に触れられてはいたが、それは彼女が不幸な亡くなり方をしたという事実、それによって彼が心に深い傷を負ったという事実が大部分であり、彼女との思い出が直接語られる場面はなかったはずである。

もともとこういった感傷的な文章はあまり好きではないのだが、近藤紘一の作品のほとんどを読んできた私にとって、この「夏の海」は、好き嫌い以前に読まなければならなかった作品なのだと思う。文章が美しければ美しいと感じるほど、彼に対する痛々しも増してきてしまった。

もちろん、初めて手に取る著者の作品がこの「目撃者」であっても悪くはないが、他の方も書かれているとおり、彼の原点ともいえる著作(「サイゴンのいちばん長い日」「妻と娘シリーズ」)読み、彼の背景にあるものを知ってから手に取ることをお奨めしたい。そうすればこの作品の良さがもっと分かるはずだ。





約束された場所で―underground 2 (文春文庫)
販売元: 文芸春秋

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今週から夏休み。疲れて座布団を敷いて寝転がったところ、村上春樹さんの『約束された場所で』が目に入りました。そこで再読しながらうとうとしました。オウム真理教の信者へのインタビューが収録されています。河合隼雄さんとの対談ではチャップリンの『殺人狂時代』の話題も出ていましたが、善意から生じる悪にどう対処したらいいのか、そして悪をどう抱えていくのかという解けない問いが浮かんできて、大きな「宿題」をもらったなぁと感じました。夏休みだものね…、宿題はあるよね。

追記:298ページに「相手のどこかひとつ好きなところをみつける」という話がでてくる。これはどの職種でもどんな場面でも有効な手法だと感じた。




焼け跡の青春・佐々淳行―ぼくの昭和20年代史 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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終戦の詔勅の日、川で水浴びをしていて川下を見たら、同じ所で勤労奉仕していた少女達も水浴びをしていた…などという、「ちょいエッチ」なエピソードが所々に記されており、常日頃コワモテで危機管理を訴える佐々氏とは対照的(?)なユーモアを感じました。
これだけではナンですので…この書は著者の回顧録の形をとってますが、終戦直後の日本の世相をvividに描いている点でも面白いです。


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