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和書 769110 (270)



マネーゲーム敗れたり―ドルに翻弄される時代は終った
販売元: PHP研究所

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マンガ 今、金持ちになる法
販売元: 青人社

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メシの食える経済学
販売元: グラフ社

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楽天家でなければ生きられない―自分に合った生き方の選択
販売元: PHP研究所

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利殖は常識に従うな―お金儲けは地球規模で
販売元: 中経出版

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若気の至りも40迄
販売元: 中央公論社

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私は77歳で死にたい―逆算の人生計画
販売元: 中経出版

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きょうがきのうに
販売元: 読売新聞社

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きょうのきもち
販売元: フレーベル館

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きょうも夢みる者たちは…
販売元: 新潮社

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本書に含まれる『ランナーズ・ハイ』と『光る荒地』は、日野氏の超個性的な御家芸である、いわゆる「都市幻想小説」の系譜の作品です。

『ランナーズ・ハイ』では、皇居の周辺を走るランナーたちの心理を三者三様に描き、走行方向から左側に映る、東京の中心である「皇居の森」の深淵で仄暗い様子と、右側に映る、千代田区の高層ビル群のヒリヒリした様子を、両者を断絶したものではなく、ランナーの壊れそうな心理の反映として、混合したものとして描いていたところに、凄みを感じました。私も追体験として、この作品の視点のままに皇居の周りを一周しました(歩きだけれど)。そうしたら、本当にランナーがたくさんいて、まずびっくりしました。そして作品の世界のままに、すなわち日野氏の視点のままに皇居周辺を感ずると、冷涼で煌びやかな都市の美しさ、そしてそうであるのに「中心が森である」という東京の意味深き不思議さというものを、体験として理解しました。東京と言えば、正に日本の中心。その彩られた東京のさらに中心が暗黒の森であるという真理。これは、我々日本人から様々に飾られた外貌を剥ぎ取ったなら、心の奥処には、みな虚無や暗闇を抱えているのだということの証明であると思います。「内面は外界の投影であり、外界は内面の投影だ」という、村上春樹氏が『海辺のカフカ』でゲーテの言葉を引用した「相互メタファー」の実証的な作品が、この日野氏による作品ではないでしょうか。現実の地理学的な見地から、こうした形而上学的真理を告げた作品を描く視点は衝撃的です。

逆に、『光る荒地』では、東京の周辺の荒れ地を舞台に、あらゆるものが密集された東京の内部から打ちひしがれ吐き出されてしまうものの心理描写、すなわち外側から東京を眺める感覚の作品です。

中心と周辺が原生林のような森と荒地であるということの、何某かの必然の予感を、内の視点と外の視点から、小説として書き綴った素晴らしい二編です。今まで生活の中で考えもしなかったことを、こうして日野氏の思想の力によって気付かされるということは、非常に貴重であり、有り難いことです。

因みに、本書を、氏の小説『夢の島』、エッセイ『都市という新しい自然』などと併用して読まれると、さらに都市の素晴らしさが理解出来ます。



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