この作品は、アダモの60歳及びデビュー40周年の記念行事の一環
として、EMIベルギーが作成したコンピレーションアルバムである。
1964年から、1975年のアルバム「セ・マ・ヴィ」までに渡る、
アダモ初期の作品40曲が収められている。
「雪が降る」「サン・トワ・マミー」「ブルー・ジーンと皮ジャンパー」
等、当時の代表作を余すことなく収録し、若々しいアダモの歌声を
心ゆくまでじっくり楽しめる作品となっている。
アダモは1943年イタリアに生まれ、4歳時にベルギーに移り住む。
1961年ラジオ・リュクサンブール主催のコンクールでオリジナル曲
「もし打ち明けられたら」を歌い優勝する。コンクールの審査委員長は
シャルル・アズナブールで、アダモの才能を高く評価したという事だ。
1963年「ブルー・ジーンと皮ジャンパー」「サン・トワ・マミー」が
ベルギーでヒットし、1964年「雪が降る」のヒットでフランスでも
人気が出るようになる。
以来今日に至るまで、世界中で9千万枚の売り上げを誇るアーティスト
となったアダモ。彼の歌う「愛」の形は「人類愛」そのものである。
1970年代、80年代、90年代と様々な社会派音楽の創作に勤しみ
文字通り様々な愛の形を歌ってきた。そこには戦争や中東問題など様々
なテーマが取り上げられており、必ずしも肯定的な内容ばかりではない。
しかし、様々な状況からの愛の形を表現しているといえよう。
本作はその社会派歌手としての基礎となる時代の作品で、若く危うい
少年の情緒がありありとでている。青臭いくらいだ。しかし、真摯で、
実直でもある。この年でしか出来ないことだと思う。どうぞ若き日の
アダモを聴いて、様々な思いにふけっていただきたい。
CDでは、このマキシにしか収録されていないレアな曲です。