「KEEP IT TOGETHER」はミニアルバム「KEEP IT TOGETHER EP」に、「INTO THE GROOVE」はダンスコンピ「YOU CAN DANCE」に既に収録済のヴァージョンです。唯一ノンストップ形式であった「YOU CAN DANCE」からカットされた「INTO~」がどう締め括られているのかに興味があったのですが、次曲「WHERE'S THE PARTY」の始まりを匂わせるような部分でFO。最後を少しでも歯切れ良く改作してもらえれば購入する価値はかなりあったと思うのですが、ちょっと残念です。・・・無理な希望論です(^^)ゞ
思えばデビュー曲の「ニュー・ソング」自体ピーター・ガブリエルの「ソルスベリー・ヒル」へのオマージュ的な曲だったし、「かくれんぼ」は壮大なスケール感ともの哀しいメロディがマッチした名曲だった。だからプログレ志向自体が悪いわけじゃない。ただ、ここでのアプローチはあまりに自己満足的で、聴き手のことを置き去りにしてるんじゃないかな?
かと思えば、3曲目は今聴くと恥ずかしいだけの「なんちゃってハウス」だったりして、これが「少しは売れ線の要素も入れとかないとなあ」みたいな下心ミエミエでかなりいやらしい。結果アルバムとしての統一感なんて全くない。マーケットへの媚びと自己満足の間を行ったり来たりする非常に居心地の悪いアルバム。
ただ、1曲目の「プリズナー」だけはそういうプログレ的なシリアスな要素と硬質なメロディがマッチした佳曲。また、その後のジャジーなシティ・ポップス化の萌芽が9曲目の「ワンダース・トゥ・ユー」に見てとれるのも、一応の収穫か(後の「IGY」のカバーは結構良かったし)。
出た当時は「買って損した」と思ったけども、今聴くと少し違った視点から楽しめるかも?、なんてね…。
思えばデビュー曲の「ニュー・ソング」自体ピーター・ガブリエルの「ソルスベリー・ヒル」へのオマージュ的な曲だったし、「かくれんぼ」は壮大なスケール感ともの哀しいメロディがマッチした名曲だった。だからプログレ志向自体が悪いわけじゃない。ただ、ここでのアプローチはあまりに自己満足的で、聴き手のことを置き去りにしてるんじゃないかな?
かと思えば、3曲目は今聴くと恥ずかしいだけの「なんちゃってハウス」だったりして、これが「少しは売れ線の要素も入れとかないとなあ」みたいな下心ミエミエでかなりいやらしい。結果アルバムとしての統一感なんて全くない。マーケットへの媚びと自己満足の間を行ったり来たりする非常に居心地の悪いアルバム。
ただ、1曲目の「プリズナー」だけはそういうプログレ的なシリアスな要素と硬質なメロディがマッチした佳曲。また、その後のジャジーなシティ・ポップス化の萌芽が9曲目の「ワンダース・トゥ・ユー」に見てとれるのも、一応の収穫か(後の「IGY」のカバーは結構良かったし)。
出た当時は「買って損した」と思ったけども、今聴くと少し違った視点から楽しめるかも?、なんてね…。
一曲目の出だしから「あっ」と思わされる。いきなりこちらの心の琴線に触れてしみいってくる。以後の曲もずっとそう。上質な音と演奏、ポール・ヤングの歌唱の持つ大きく暖かな説得力が静かに迫ってくる。このアルバムには、全てがあるべきところに納まり進行する心地よさがある。
ポール・ヤングと言うと、常に「かつてブルー・アイド・ソウルのアイドル的人気があった人だけどその後ぱっとせず云々」「エヴリタイム・ユー・ゴー・アウェイはやっぱりホール&オーツじゃないと云々」と語られるわけだが(そしてそれは仕方ないことだが)、やはりそんなの全部忘れるべきだ。「BRING ME HOME」の素晴らしさの前には雑音など馬鹿馬鹿しい。
名プロデューサーのドン・ウォズとポール自身によるプロデュース。マイク&ザ・メカニックスでお馴染みのエイドリアン・リーとピーター・ヴァン・ホークなどが参加し、更に故ジェフ・ポーカロが全曲中の6曲でドラムを叩いている(一曲目冒頭から空気を作り出しているのは彼である)。実に繊細で温もりのある演奏だ。ジャケット冒頭にジェフを起用するにいたる顛末が簡単に書かれているが、最初のセッションで録られたトラックの空気はあたかもその場でジェフが叩いているのが見えるようだったという。彼の幅広い音楽性をカバーする確かな技術と研ぎ澄まされた感覚に驚嘆したのだ。そして、"This album is dedicated to Jeff Porcaro."と結ばれている。そりゃ名盤にもなるだろう。
……と推したわけだが、2005年3月現在廃盤ですか。名盤なのに。再発されたらぜひ買ってください。中古屋でもそこそこ見かけます、買ってください。