「Winter Rose」は吉野圭吾(劇団四季出身)と星奈優里(宝塚歌劇団出身)主演の舞台で、2003年冬に初演、翌年再演。冬を逃れて南の海岸沿いの別荘へとやってきた「姉」と「弟」の悲しいストーリーで、繊細なこころの動きをダンスと音楽で描いた作品です。
この舞台にはSingoも出演しており、このアルバムに収録されている「祈り」と「CRY」が劇中で歌われていました。どちらも舞台のメインテーマとなる切ないバラードで、とどまることのない観客の涙を誘った名曲。
「大切な人の夢を叶えられるとしたら、想いが消えるその前に形にする事出来ますか?...」この歌いだしで、どれだけ感動したことか。。
このアルバムはバラード主体のつくりになっており、前述の2曲が特に秀逸ですが、TACの歌う「『うたうこと。』」、「ラストカード」なども非常にイイ曲です。最近ではア・カペラ系のボーカルグループも沢山ありますが、「暖かさ」と「泣き」を言ったらエンブリアは最高級でしょう。
タイトルチューンは、不思議なノリの、誰が歌っても難しそうな曲。
彼女も、いまいちこなせていない感じがある。
でも、まだ2枚目の彼女にこの曲の唄いこなしを
求めるのは酷だな、って思った。
一方、C/Wの「Gold Frontier」は
至って分かりやすいアップテンポな曲。
こっちになると、荒さはあるものの
唄いきっているような気がする。
彼女よりも回りが彼女をどう行った路線で出していけばいいか、
試行錯誤しているイメージを持った。
彼女、歌はなかなか上手い方だと思います。
今後の成長に期待、と言ったところでしょうか。
演奏内容はといえば、
一部フリーのような部分もあるが、
各自がよく歌っているから苦痛ではありません。
レビュアーはテナーサックス吹きで、
川嶋さんのプレイが好きなので、
その分さっぴいて考えていただければいいが、
このアルバムでのサックスの説得力はすごい。
安カ川さんのウッドベースもすごい音をしているし、
ピアノもすばらしい。
ドラムは、大好き、とはいかないが、
健闘していると思う。
ともかく、
グルーブの存在しないというか、
ビートのない曲を、
せ~の、
という呼吸で合わせたのみで
よくもこんなふうに音が同じ方向を向くなあ、
と驚く。
個人プレーの応酬、
となりがちなジャズだけれど
(それはそれで大好きだけど)
活動している「バンド」ならではの
サウンドをとらえたアルバムです。
バンド、
っていいです。