「孤独」と題された本作品。果たして何が孤独なのだろうか。
バーデン・パウエルは名実ともに唯一無二のギタリストで
そのオリジナリティーは他のどのギタリストとも趣を異にする。
素晴らしい技巧を駆使し、卓越したリズム感の元作り上げる
世界観は孤高と呼ぶにふさわしい。それ故にこそこの作品を
作り上げるバーデン・パウエルは孤独でもあるといえる。
しかし、一方で1960年代前半にヴィニシウス・ジ・モライス
等と渡欧した時とは違い、1960年代後半の欧州での生活は
ひどく孤独なものだったのかもしらない。私生活においても
健康面においてもひどく状態を悪くしたバーデン・パウエルは
音楽活動までも縮小せざるをえない状態にまで陥っていた。
2000年に既に亡くなったバーデン・パウエルの心中を顧みる
ことはもはや出来ないが、残された録音を聴くことで彼の胸中
に少しでも肉薄することは出来るような気がするのだ。
アルバム全体を多い尽くす、切なく物悲しげで、それでいて
甘美な空気。時折入るジョアキン・バイス・エンキーヒのドラムと、
エバーハルト・ウェーバーのベース以外は淡々と続くギター・ソロ。
これこそ「Saudade(サウダージ)」なのだろうか。とすれば、
孤独であるが故にこの独特の情感が生まれてくるのだろうか。
ポルトガル語以外の言語には存在しない、情感を表す言葉
「Saudade」。皮肉にもドイツの地で感じさせられたこの情念は
望郷の念に駆られてますますつのっていったのではなかろうか。
Baden Powell : acoustic guitar
Eberhard Weber : bass Joaquim Paes Henriques : drums
「孤独」と題された本作品。果たして何が孤独なのだろうか。
バーデン・パウエルは名実ともに唯一無二のギタリストで
そのオリジナリティーは他のどのギタリストとも趣を異にする。
素晴らしい技巧を駆使し、卓越したリズム感の元作り上げる
世界観は孤高と呼ぶにふさわしい。それ故にこそこの作品を
作り上げるバーデン・パウエルは孤独でもあるといえる。
しかし、一方で1960年代前半にヴィニシウス・ジ・モライス
等と渡欧した時とは違い、1960年代後半の欧州での生活は
ひどく孤独なものだったのかもしらない。私生活においても
健康面においてもひどく状態を悪くしたバーデン・パウエルは
音楽活動までも縮小せざるをえない状態にまで陥っていた。
2000年に既に亡くなったバーデン・パウエルの心中を顧みる
ことはもはや出来ないが、残された録音を聴くことで彼の胸中
に少しでも肉薄することは出来るような気がするのだ。
アルバム全体を多い尽くす、切なく物悲しげで、それでいて
甘美な空気。時折入るジョアキン・バイス・エンキーヒのドラムと、
エバーハルト・ウェーバーのベース以外は淡々と続くギター・ソロ。
これこそ「Saudade(サウダージ)」なのだろうか。とすれば、
孤独であるが故にこの独特の情感が生まれてくるのだろうか。
ポルトガル語以外の言語には存在しない、情感を表す言葉
「Saudade」。皮肉にもドイツの地で感じさせられたこの情念は
望郷の念に駆られてますますつのっていったのではなかろうか。
Baden Powell : acoustic guitar
Eberhard Weber : bass Joaquim Paes Henriques : drums