(1)はボーカリスト=マカファーティーのハイテンションぶりとちゃかぽこしたギターが聴くものをあおりまくるナンバー。
(2)これはなんだかアメリカのマーケットを意識したナンバー。カントリーテイストを感じさせるところがみそ。ハンドクラップがなぜだかしょぼい。
(3)これはさらにカントリーロックタッチだ。まるでドリーパートンのようだ。うううううむ、1曲目のハイテンションはどこかにいってしまった。アメリカの大草原を思わせるそんな牧歌的なナンバー。
(4)ここで少し持ち直す、つまり昔のアクセルローズを思い出させる絞り込んだざらざら声がよい。ポップな味わいがよく出たこのアルバムのハイライトナンバー。
(5)これがなんとサザンロックスタイルなナンバーだ。アメリカでの受けを考えればしかたがないでしょう。まるでレナードスキナードみたい。このへんにガンズ&ロージズのルーツを見る。やや『ファンキーな味わい』が感じられるのも特色。
(6)さらにこのナンバーはチャーがやりそうなブルーズロックナンバー。またはエアロが得意とするファンキーメタルナンバーと考えてもよい。ボーカルはやはり存在感+説得力ありあり。この渋さはがきにはわからんかも。
(7)これまたさらにファンクロック+リフで攻めるグルーブ重視の楽曲。このへんもアメリカの市場を意識しての作戦か。
(8)まさにこれはカントリーナンバー。ぜんぜんハードロックではない。渋いブルーズとも言えるが。ボトルネックがびゅうううんびゅん。
というわけでこのバンドとしてはすでに確立された『英国ハード』スタイルにやや回帰したもの。アメリカマーケットを意識してたらしく、カントリー、ファンクの影響がかなり強く、そんへんがチョイスするときの基準になるだろう。英国スタイルのハードロックを堪能したい人にはやや不向きか。またこのバンドはかなりアメリカナイズされてたわけで、その証拠としてこのアルバムはしっかり機能するだろう。カントリーでもファンクでもブルーズでもハードロックでも等間隔で聴けるそんなジャンルレスなユーザーにははまることだろう。ナザレスを単なるハードロックバンドだと分類するとかなりの恥をかくことを覚悟するべきである。このバンドは実に多様性を持っていたのだ。
(6点)