例えば、映画を見終わって、映画館から出た瞬間の繁華街のざわざわ感。
もしくは、ナイフやフォークが心地よくこすれあう音が絶えない、お洒落なレストラン。
そんな場所に自然に流れていそうな曲ばかりです。
実際、#2、#5、#11などは有線放送のコンテンポラリーチャンネルでよくかかっており、
知らず知らずのうちに耳にしてる人も多いのではないでしょうか。
聴いていると街の雑踏、人のざわめきが恋しくなってくるのです。
女性ボーカルはまるで話しかけているかの様な自然な歌声です。
腹の底からこぶしを利かせるのでもなく、また甘あまなウィスパーボイスとも違う、
大人の女性の魅力に溢れています。
一方、唯一の男性ボーカルが聴ける#8は私のお気に入りです。
ジャケットのサングラス姿からは想像もつかない(?)、
優しく落ち着いた声。
メロディーも明快で、流れるように美しいのですが、
軽快なパーカッションがメリハリを利かせており、アルバム全曲を通して聴いてもだらけて飽きるという事がありません。
何か作業の片手間に流れていたとしても、恐らく邪魔・不快には感じないでしょう。
体に染み込んで、通り過ぎていく、風のような水のようなアルバムです。
では私が、えらそに、彼女を総括してみよう。
ここまでの彼女の歩みはだね。日本では『ニュースステーション』に出演するという、まるで買わなきゃ、知らなきゃ『酒場での会話に加われない』なんて虚像が拡大しまくった社会現象になっていた。
そりゃ~~~たいへんだわな、拡大再生産されて消費されまくったわけだから。
でだ。このベストアルバムは。ファンのかたには悪いが。あまりいい印象を受けないのだ。
なぜなら、新曲とやらが、聴いてても良くない=2回聴く気分になれない。
つまりこうだろう、『スタッフ/プロダクションの連中/だんなさんのダニーホワイトさん』らが一度手の内をすべてさらけだしてしまったのだろう。やれるだけのことはやりつくした。『煮詰まり』現象はだれにでもある。
新曲からは『新たな展開=わくわくする期待はぜんぜん起きない』正直。
なんだかいやな予感がするが。メガセールスのプレッシャーから『なかなか新作が作れない』のかもしれない。
バーシアさんは『天才的なのど』をもっているのだから『ずばぬけた曲=売れる曲』という両面を満たすようなマテリアルが必要なわけで。そんなの作ろうと思ってできるもんじゃない。
このような苦言を呈しているのは、彼女を応援しているからであり。
次のアルバムが危険と不安に満ちているだろうな。という感じがするからである。
そうそう次の彼女のアルバムは『こけることが許されないのだ』
だから彼女が『安全路線』を取るかまたは『リスクを犯して、大胆なイメージチェンジをするのかが』が注目される。
新作がおくれているこの足踏み状態が彼女の『次作展開のための充電期間』であることを強く願う次第である。
んぢゃ