結果からいいますと、
「軽さ」が売りのソフトではありますが、設定を自分で変えると、一番重いといわれているノートンとさほど変わらなくなります。(一番軽かったのはマカフィーのインターネットセキュリティスイートでした。)
ネット回線の速度によってはスキャン自体もかなりゆったりします。
ちょっとひっかかったのは、全自動更新式なので更新になるたびパソコンの動作が重たくなること。なので何か作業している最中にそれをやられるとひとたまりもない感じです。CPUもメモリもほとんど全部もってかれちゃう。でもそれをやめたら、このソフト自体のウリがなくなっちゃうんだよなぁ・・・無効にしたら意味ないし。だから会社とか回線の太いところだったらいいんでしょうけど、自宅利用にはむかないと思いました。時代はブロードバンドとはいえ、すべてインフラが整っているわけでもないんで、回線が遅い人には向きません。
設計的にいうと、これはソフト側でウィルスリストを持っていないので、トレンドマイクロ社のサーバにネットでつなげて検証・更新というカタチをとってます。そのぶんノートンより軽い、というのがウリなんですけど、実際のところはうーん・・・??という感じです。使ってるパソコンのスペックや回線速度やハードディスクに入れているモノにもよるでしょうけど、私のパソコンではそんなに軽いとは思いませんでした。だからノートン以外の製品を使ったことがある人には「軽い」といわれても説得力がない。
更新というのはウィルス対策だけでなく、アップデートパッチも含まれるようなので、毎回更新するたびにちょっとずつ設計が変わる方式をとってるんですよね。だから毎回毎回中身も変わるわけで、バージョンアップの料金を取らないのはそのせいだと思います。しかしながら開発側のデバックの際にミスがあると、ソフトウエアそのものがイカレてしまうわけで、そういう意味ではそのときそのときの会社の体制に頼るところが大きく、そのぶんリスクが高いといえます。サポートに力を入れているというのはそのリスクもふまえてるからだともいえ。
シマンテックの定義ファイル更新が週一回なことを考えると、ウィルスバスターはちゃんと随時定義ファイルを更新提供しているのでその点はノートンより点数が高いです(一番対応が早いのはマカフィーだけど)。
スパイウエア対策には専用ソフトを使うことを強くおすすめします。
ソフトウエア会社が持ってる対策リスト数や精度も段違いですし、パソコンに常駐する場所も違うので、セキュリティソフトほどパソコンに大きく負荷がかかることは無いといえますしね。
ちなみにウィルスバスターとスパイウエア専用ソフトを同居させるととたんにパソコンの動作が重くなります。持ってる対策リストは当然ながら専用ソフトのほうが多いので、スパイウエアに対する精度としちゃそれなりでしかないわけだし、同居させることを考えると機能的には微妙。
インストール時に出てくる設定メニューが少ないという意味では「初心者向き」といえるかもしれませんが、自分なりに設定を変えようとすると逆に結構な手間で、そういう意味じゃ「初心者向け」というわけでもないんですよね。機能をオフにすることはできても、一部の機能だけをアンインストールはできないところはノートンと一緒。
そういう面じゃ「むしろ初心者には向かない」製品ともいえます。
この製品のファイアーウォールは「あなたが入力したデータを外に出すか」を聞いてくるだけで、事実上はついてないようなものなので、そのへんは注意。個人情報の暗号化機能も無いので、個人情報漏洩にはほとんど対応していないと考えていいです。
そう考えると、総合セキュリティーソフトのシマンテックの「インターネットセキュリティ」やマカフィーの「インターネットセキュリティスイート」と同列に並べるのは???という感じです。
そういう意味じゃ、ウィルス対策製品としてはやや割高感があります。定義ファイル料金も3150円だし。(ノートンは4200円、マカフィーは1848円)
あと、古いOSには向かないです(^_^;)
個人的には、会社のサポートやソフト側の機能からみると、内容のわりに割高な印象がありますので星三つ・・・だったんだけど、二年前にやらかしてくれた大ポカを今年もやらかしてくれたんで、会社体制に大いに不安と疑問があるという意味で星二つに格下げします。セキュリティソフトの役目はパソコンを守ることなので。
個人ユースは好みで判断してもいいけど、
会社として導入の相談を受けたら、自分は控えるようアドバイスします。
私も休日返上で復旧にあたりましたが、その後の対応は使用期間を数ヶ月延長するだけ。
使用期限を更新して数ヶ月でしたが、買い換えました。
ネームバリューでソフトは選んではいけないということを改めて学ばされました。
しかし、肝心のウィルス対策機能はお粗末です。単純なパターンマッチのウィルス検索を手動で行うことができるだけの様子で、実務的にはほとんどウィルス対策の役割を果たしません。その証拠に、このソフトを取引先が50台以上のPCに導入していたにもかかわらず、何台ものPCがウィルスに感染しました。PCによっては、ウィルス検索を行っても検出できず、他のソフトが必要だったものもあります(・・・!)。
この会社の他のソフトは良いのかもしれませんが、この「コーポレート」だけは絶対に薦めません。