2013/5/11更新   

プラネタリウム巡り

 私は旅先で、気分転換に、よくプラネタリウムに入ります。 そこで、これまで巡ったプラネタリウムの印象をまとめてみることにしました。 とりあえず、投影機のタイプ別にまとめました。

1.二球式

 星々を映し出す球が2つあるタイプです。
 球の表面には、十数個のプロジェクタが取り付けられていて(ただし、光源は球の中心にある電球を共有)、 各々が自分の受持ちの範囲を映し出しています。 実際の夜空を撮影したフィルムの像を金属板に転写してその金属板の像を映し出しています。
 映し出している像は点ではなく小さな丸で、明るさの違いは丸の大きさで表しています。 ただし、特に明るい星だけは、 丸の大きさで表すのは不可能(たいして明るくない大きな丸に見えてしまうため)なので、 明るい星専用のプロジェクタで映し出しています。 また、天の川も専用のプロジェクタで映し出しています。
 なお、球を2つにしている理由は、支えるためにどこかしら掴める部分が必要(しかも光を遮らないように)だからで、 2つの球の間の部分を掴んでいます。

札幌スターライトドーム

小樽市青少年科学技術館

旭川市青少年科学館

苫小牧市科学センター

神戸市立青少年科学館

名古屋市科学館(建替前)

 建替え(移設)がまだ行われていない頃の名古屋市科学館で、当時使われていた投影機を見たとき感じたことですが、投影機がドームの大きさに比べてやたらに大きいように感じました(他の5つは写真では大きく見えるが全体的に小さい)。
 名古屋市科学館では、建替え(移設)に伴って投影機も一球式に置き換えられたため、現在、この投影機は使われていません(ただし、展示品としては見れます)。
 建替えが行われる前から、すでに、どこへ行っても、大抵、観客の視界の邪魔にならない小型のものが使われていましたが、名古屋市科学館で建替えまで大きな投影機が使われていた理由は、たぶん、かなり昔に作られたものを大事に使っていたからだと思います。

2.一球式

 星々を映し出す球が1つだけのタイプです。 球の支え方ですが、球が回転するときの赤道部分をリングで絞めつけるようにして支えています。 リングに沿って球が動けるような絞めつけ方にしてあるので、球は回転できるのです。 リング自体は、真横の2箇所で支えられています。 球の上半分の光だけ遮らなければいいので、そういう支え方で大丈夫なわけです。
 支え方以外の構造は二球式と同じですが、より小型化するために、惑星の投影機を本体から分離して床に据え付けています。

札幌市青少年科学館

大阪市立科学館

名古屋市科学館(建替後)

 名古屋市科学館では、建替え(移設)に伴って投影機も一球式に置き換えられましたが、注目すべきはドームの大きさの方で、建替え後のドームの内径は35mもあります。少なくとも建替え時点では世界最大です。

3.デジスター

 最近、パソコンの画面の内容をそのままスクリーンに映し出せるプロジェクタがありますが、 それと似たような方法で映し出しているタイプです。 ただし、半球状のスクリーンに映し出さないといけないので魚眼レンズのようなものを通して映し出しています。 解像度(木目細かさ)とプロジェクタのピントの精度には、でき得る限りの努力を払っている筈ですが、 ニ球式や一球式のような金属板の像を映し出す方式に比べると、像のシャープさが劣ると言われています。 また、カラー化云々の話ができる段階ではないので、星の色は一種類です。

小川少年自然の家(埼玉)

 小川少年自然の家で実際に見てみると、像のシャープさが少し劣るとはいっても、目だって劣るわけではないので、 シナリオさえもっと面白ければ、充分太刀打ちできると思いました。
 デジスターは、ニ球式や一球式のような金属板の像を映し出す方式と違って、映し出す星々の配置を自由に変えることができるので、 例えば、地球を出発して星々の配置が変わって行く様子、等を映し出すことができます。 しかもそれを、通常の投影との切れ目を全く感じさせずに行うことができるので、 観客を上手く誘導すれば現実と錯覚するほどのめり込ませることができる可能性があります。




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