地球環境の保護とか公共の利益とかのためにも、この世から
消滅した方がいい作品。
本作の主人公はレイプ・監禁という極限状態におかれて、後者としての性に目覚めてしまう。
だが出産する性としての女性性は「母性」として世間一般で尊重されるが、男の欲望の対象となる事に喜びを感じる女性性というのは、
秘すべき暗い情念であり、恥ずべきものであり、女性本人にとっても罪の意識を感じずに素直に受け入れるのは難しい。
主人公も後者としての自分の女性性を真っ直ぐに受け入れる事は出来なかった。
彼女は監禁生活をきっかけに、見られ・求められる性としての後者の女性性を、彼女の全人格から乖離してしまう。
いや、乖離というのは適切な表現ではないかもしれない。
何故なら彼女はその後、乖離した後者の女性性に支配され、壊れていくのだから。
本作で最も痛ましかったシーンは、ガールフレンドを縛ってビデオに撮っていた男子生徒に、教師である主人公が迫っていた場面であろう。
女性という性のバランスを崩し、壊れていく主人公の姿が、あまりに哀しい。
私は物語のシチュエーションに惹かれて見たのであって、主演の広田嬢には特に思い入れが無かったので、彼女の魅力が上手く引き出せていたか否かはわからない。
たださすがレディコミ原作だけあって、女の心の奥に秘められたドロドロがよく描けている。
すべての女性と、女心の闇を覗いてみたい男性に、お奨めできる作品である。
よく出来ていると思うけれど、あまりに救いがなくて凹むので、採点は星一つマイナス。