呂布の強さは、関羽、張飛にひけを取りません。
ただ、呂布が暴れまわった、呂布が董卓を倒して権力者となった、という三国志の歴史から、呂布のほうが少し強かったというイメージがあるのだ、と思うのです。
僕が、昔やった三国志のゲームを思い出すと、戦闘力として呂布が100、関羽、張飛が99と設定されていましたから。
そこで、董卓と呂布を相打ちさせよう、とする人物が現れます。
王允(おういん)というじいさんが、美女を使い、董卓と呂布の仲をうまく裂くことに成功し、とうとう呂布が董卓を殺します。
また、曹操の軍事力が飛躍的なほど増します。
呂布と曹操の戦いが始まります。
しかし、呂布軍と戦ってみるとわかったことだが、呂布の強さは圧倒的だった。
悪来とキョチョが子供のように扱われる。
張飛と関羽も鬼のような強さだが、呂布も鬼のように強い。
この巻では、張飛が関羽、劉備不在のときに城を1人で留守番していた。
酒を飲むな、と苦言をされていた張飛だが、酒を飲んでしまった。
そしたら、呂布軍に城を取られてしまった。
また、孫堅亡きあと、孫策がじょじょに勢力をつけていっていた。
劉ヨウの家来、太史慈(タイシジ)と孫策が戦うところでこの巻は終わりです。
こういう顔は、めったに出てきません。
曹操を助けたときの陳宮(第2巻参照)以来です。
この三国志を読んでいたら、こんな顔なかなか出てこないだろう、と。
僕はスポコンマンガ読んでるわけでもないのに……(笑)。
と思ってしまうのです。
ただ、孫策の配下になってからの太史慈はスゴイ。
たった3日で3000人の精鋭を見事に連れてくるんですから。
また、曹操が酒と女に酔っているときに、曹操の配下の豪傑で護衛をしていた悪来典韋がハリネズミのように矢に刺されて死にます。
曹操も命からがら生きのびます。
曹操というのは、どん底に落ちても何度も這い上がります。
これは、本当に見習う必要があります。
ですから、いくら有能な男でも最後の最後で、こんな人間を生かしておくと、あとあと厄介になると思い、曹操に最後は殺されます。
だから、自分の能力を過信してはいけない、と思います。
自分は井の中の蛙に過ぎないな、と思う必要があるのです。
自分を世界の中心、と考えてはマズイです。
最後の最後に呂布は、臣下の言うことまで信じられなくなるのです。
彼に足りなかったのは、人を信じる心でした。
人を信じれない人間は、大将としての器になれるわけがありませんからね。
曹操が圧倒的に強くなり、今、叩いておかないと大変なことになると皆が感じるのです。
曹操は、劉備を招いて、「そちと私が英雄だ」と言います。
それによって、劉備は、曹操は、そこまで自分に警戒を抱いているのか!と思い、曹操に自分が愚人にうつるような行動を取ります。
この巻では、張飛が珍しく頭を使った作戦で成功するなど、なかなか面白い巻だと思います。