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和書 467260 (38)



説話の森―中世の天狗からイソップまで (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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古典を読む 歎異抄 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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「のりそだ騒動記」「小説渡辺崋山」を書いた著者ならではの、肩から力の抜けた、宗門の解とは違う、想像豊かなかたりが、読者を心豊かにしてくれる。著者自身の原風景をもないまぜにして血の通った歎異抄を展開してくれるのは、わが身への悔恨をも浮き彫りにしてくれて、暗闇でふと温かい人の手に触れたような思いをさせてくれる。




古典を読む 風姿花伝 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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平家物語 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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『中世的世界の形成』等で知られる日本史学泰斗の一人、故・石母田正による平家物語の解説である。
しばし無常観や諦念のみが強調されがちな平家物語にあって、著者はそのような見方に疑問を呈する。「平家」は無常や諦念を賛美するだけではなく「同時にこの物語ほど人間の生への執念の強さを語った文学も少な」い。例えば「平家」の思想的核心が平知盛という「教経や重衡等のはなばなしい活躍に眼をうばわれていると、見うしなってしまいそうな」「平凡な武将」(p10)に現れていると言うのである。直感的に運命を洞察しつつも同時に「積極的、戦闘的な武将」でもあった知盛。彼の人物的特徴に「平家」の思想が象徴されていると石母田は主張する。「平家」は「あきらめ」のみならず、生の面白さをも伝えている、と。
ところで、石母田は「平家物語」の成立過程を捉え、「平家」の源平合戦は、当時の人々にとって保元・平治の乱とは違う、特別な意味を持った戦争であったと推測している(p153前後)。穿った見方になるかもしれないが、第二次世界大戦が現代日本にとって特別な意味を持つ戦争であること、本書の執筆時期から鑑みるに、石母田は平家滅亡の物語を、戦前日本の滅亡に重ね合わせていたのではないだろうか。言い換えれば、平家滅亡を通じて軍国日本の滅亡を語り、そして「戦後」という新時代の到来を、石母田は暗に宣言したと言えるのではないだろうか?と私は邪推している。




万葉秀歌〈上巻〉 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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著者の写実重視の文学的な視点から、万葉集中の優れた歌の解説がされていました。

当時のひとたちがもつ自然と純粋に向き合う側面と、現在同様に国際的・政治的・人間的な側面が見えてくる著者の解説にうならされました。

いきなり万葉集を読もうと思った態度が不遜だったのかもしれませんが、本書のあとに万葉集を読むと若干ながらでも理解できるようになりました。万葉集の詩ですから内容も一流なのでしょうし、加えて一流の詩人である著者の解説があるのですから、本書は二重に贅沢でした。





万葉秀歌〈下巻〉 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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上巻に比べると内容はかなり劣る印象が否めない。一首の評釈も総じて短く、おざなりとまでは言わないが、力の入りようがかなり違う。勢い、上巻ではさほど気にならなかった著者の余計な講釈が鼻につく。「この時代の人は、幽玄などと高調はしなかったけれども、こういう幽かにして奥深いものに観入していて、それの写生をおろそかにしていないのである」などと言われても、だったら、この時代の人は「写生」などとも高調しなかっただろうに、と文句のひとつも言いたくなる。古今集以降の歌をわざわざ引き合いに出して、そちらを貶め、こちらを持ち上げるなどというのも、いくら文芸潮流やら時代背景やらあるにせよ、やはり蛇足としか思えない。どういう事情があるのか殊更に詮索しようとは思わぬが、上巻と違い、この本は万葉集の評論ないしは鑑賞の手引きにこそなれ、作歌の手引きとしてはきわめて不十分なものであり、その分だけ価値が低いものとなってしまっている。




英語でよむ万葉集 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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久しぶりに萬葉集の歌をまじめに読んだ。そう言えば、萬葉旅行の委員をやっている時も、犬養先生の朗読で耳からはいって来た歌ばかりだったから、こんなにまじめに読んだのは初めてかも知れない。

形式は例によって、右に日本語左に英語見開き。今回はその次の2ページに、歌の魅力が翻訳の難しさ面白さと共に解説されている。この文章が萬葉集への愛があふれるとともに、言葉というものの本質を突いている文章で素晴らしい。歌の鑑賞自身は(特に知らない歌は)かなり苦労しました。英語の方も、詩というのは、ボキャブラリーとその芸術的な使用が勝負な訳で、私の英語力ではピンと来ないものもかなりあった。それでも、リービ氏が苦労して素晴らしい表現を紡ぎ出していることが私にも分かる歌がいくつかあって、それだけでも読む価値は十分ある。

翻訳に多少疑問を感じたものもある。対訳とは恐ろしいもので、特に詩歌のような短い形式では、対応を追えるので、誰でもこう言う感想を持つことができる。考えてみれば、ものすごくチャレンジングな形式だ。これは、私の独りよがりの萬葉集の解釈のせいかも知れないし、英語表現への理解が間違っているせいかもしれない。ほとんどはそうなのだろう。本書の解説の部分は読者の疑問に対する答えという側面もある。ここはどうしてこの単語を使ったのか、この語順にしたのかの解説は、英語に対する理解を大いに深める。それでも、限られた紙面の中で答えの得られなかった疑問もあって、著者から直接解説してもらえたら、どんなに楽しいだろうと思った。

25年ほど前に、犬養先生のお宅で英訳の萬葉集を見て、そのレベルの低さに驚いたのだが、リービ英雄という日本語と萬葉集への深い理解と英語の豊かな表現力を持った翻訳者を得て、素晴らしい英語になったこと、そして、その解説を読むことができることは、英語に興味を持つ(まあ、苦しめられもしているのですが)萬葉集ファンとして、大変な幸せである。




源氏物語の世界 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 はたして恋物語なのか、王権の物語、家の物語、諷喩の物語なのかもしれない…というような多義的かつ多面的な読み方をしてみせてくれているのが本書である。何も変わった特殊な見方をしているのではなく、それはかえって当たり前の基本的な読みの姿勢であろうと思われる。読み解く大事な方法は、作品世界に同化して、作品の論理を追体験的に内在的に理解することである。この作品はそのような態度で臨まないと、理解し難い作品であるという(雅)




三国志演義 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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本書は正史・三国志(西晋時代に陳寿が著述)から明代・羅漢中により三国志演義成立に至る歴史を述べ、かつ三国志演技の構造、魅力の源泉を浮き彫りにしてくれる、三国志演義好きには格好の名著。第一章で正史に既に後の蜀正統論に至る仕掛けがあったことに驚く。第二章では民衆の語り物としての三国志の変遷を、今にテキストが残る三国志平話(元代刊行)に基づいて説く。演義と異なり張飛の活躍が目立ち、カタルシスを求める民衆に応えて、武人中心の破天荒な物語となったことは興味深い。第三章で平話を洗練する形で演義が文学性を高めたことを、英雄・関羽と敵役ながら憎めない曹操の性格付けとを対比させて説く。私も大好きな、敗走する曹操を恩義がある関羽が見逃す華容道の名場面ぶりの著者の力説は微笑ましいぐらいだ。第四章は劉備・曹操・孫権という演義第一世代の中心人物を論じる。虚なる中心・劉備、悪役性を強調しつつ魅力的な面も描かれる曹操の複雑な性格付けが演義を単純な善玉対悪玉の物語ではない、文学的成熟度の高いものにしたとの指摘は鋭い。第五章では演義後半の主人公・諸葛孔明に焦点をあて、民間口承の中で魔法物語的要素が孔明に結実したことを説く。物語の幅が広がり面白さが増したことは確かだ。それに対して呉の周瑜は徹底的にコケにされる。総じて呉の人物はよく描かれないが、同じ孔明のライバルでも司馬仲達は周瑜ほど戯画化されなかったのは何故か等は、本書を読んで確かめて下さい。超雲を士大夫美学の結晶と捉えるのにも賛成する。第六章では、筍いく等名脇役達の演義の中での位置付けを整理する。

このように、本書は三国志演義成立に至る歴史及びその中で純化されたものが、史実の枠を大きく越えることなく数多の登場人物にいかに付与されたかを説得力をもって整理してくれ、特に演義を読んだ人・TVドラマを観た人にはお薦めの好著である。




中国文章家列伝 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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良くも悪くも、「中国の文人たちのわかりやすい伝記」に止まっている本である。分かり易く書かれてはいるものの、取り上げた人物は有名人に限られ、
内容もどこかで読んだ話が多い。初心者向けだといえよう。
新書とはいえ、もう少し内容を濃くして貰いたかった。


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