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和書 467266 (74)



出家とその弟子 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」、の言葉で有名な歎異抄を下敷きにして、老境の親鸞と息子の善鸞及び唯円の二人の弟子との問答を軸に戯曲仕立てにしたもの。宗教と恋愛(を中心とする煩悩)の相克というテーマを情熱的に描いた作品としてロングセラーを誇る。

本書のテーマは若い頃の親鸞が悩んだテーマでもある。本書での親鸞は既に他力本願の悟りを開いており、祈りの重要性を静かに教え諭す。そして、全てを赦す。唯円は純粋で、一方で純愛に悩みながら、信仰に対してもひたむきである。それだけに、悩みも深い。善鸞は親鸞の子でありながら、世俗の誘惑に溺れ信仰を拒否する。宗教に対して一般に邪魔になると言われる、恋愛、性欲、世俗の誘惑。これらに対して、親鸞はありのままに受け止めるよう諭す。宗教を、一般の人間が抱える夢と置き換えれば、本書のテーマは宗教に限らず普遍的なテーマになる。また、唯円、善鸞を自らに置き換えれば、青春時代誰もが抱える問題であろう。レビュー・タイトルで宗教文学と書かず、敢えて青春小説と書いた所以である。

面白い事に、作者は仏教徒ではなかったそうである。また、本書執筆時は病身だったという。病気の時に感じる体の熱さが、作品から感じられる熱気に繋がっていると感じるのは私だけだろうか。恋愛、性欲など青春期に誰もが悩む問題を率直に投げ出し、それに対する究極の赦しを示した青春小説の名作。




シラノ・ド・ベルジュラック (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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 作品自体は大変素晴らしいのですが、日本語訳が古く、文語調で調子はよくてもかなり読みづらいです。また当時実在の人物を登場させているだけに、固有名詞が多く、註が欲しいところですが全くありません。読んでいて少し物足りないです。註や解説の充実した新訳が出ることを期待します。




シーザーとクレオパトラ (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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十二磅の目つき―他二篇 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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ジュリアス・シーザー (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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★3/3(最高!)


人間の心を無限に描き出した至高の作家シェイクスピアの、悲劇作品群の先駆けとなるローマ劇作品です。日本では四大悲劇よりも知名度が劣るかもしれません。

後のハムレットに継承されてゆく要素も少なからずありますが、この作品に触れる多くの方の目は題名であるジュリアス・シーザーよりも、
その敵でありながら有徳で高潔な人物ブルータスに注がれることになるのではないでしょうか。

彼の見事に散りゆく様は、日本に失われた武士道をも想い起こさせます。
シェイクスピア作品のもつ卓越した点のひとつは、いつの時代の人間にも普遍的な問題があつかわれていることなんですね。

この作品が劇作品であることや、英語原文でなければ味わえないリフレインの効果が多用されていることにも留意しつつ、
登場人物たちの色々な生きざまを見守ってください。




人生の幸福―他二篇 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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菅原伝授手習鑑 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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セビーリャの理髪師 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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 ロッシーニのオペラの原作として題名があまねく知られている、18世紀フランスの恋愛喜劇。なんでも理髪師フィガロが登場する三部作の一作目なんだとか。気鋭の研究者の手になる、満を持しての新訳の登場です。これはおすすめ。

 深窓の令嬢ロジーヌの結婚をめぐる、後見人の老医師バルトロと青年貴族アルマビーバ伯爵との恋の熾烈なバトルと、狂言まわしの陽気なフィガロの活躍のてんまつ。時代は近世の昔のはずなのに、まるでラブコメの原型みたいな人物設定と展開のお芝居。一気に引き込まれるおもしろさでした。

 研究者が陥りがちな生真面目だけど味もそっけもない翻訳ではなくて、かなりくだけた言葉が弾むような清新なセリフの丁々発止のやりとりが気に入りました。風刺も効いている。喜劇の楽しさが伝わってくる。

 事実は小説よりも奇なり、という常套句を地でいくように、時計職人から宮廷貴族へとなりあがっていく作者ボーマルシェの波瀾万丈のとてつもない生涯を、濃密に熱く語っている訳者解説の充実ぶりも特筆すべきものです。でも、訳注はなんだか過剰でうるさい気がしたかな。あくまでも私見ですが。




タッソオ (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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三大悲劇集 血の婚礼 他二篇 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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スペインの光と影を描き、自らも影につかまり死んだ詩人ロルカによる、アンダルシアを舞台に苦悩する女達の姿を描いた三作。
「血の婚礼」は婚礼の日に違う男と駆け落ちした花嫁を追っていった花婿が、その男と刺し違えて死んでしまう話。花婿の母親が息子を失って嘆く様が、ぞっとするほどの暗さを感じさせる。次の「イェルマ」は、子供が欲しいのにできない妻の不満と、それを理解できない夫の話。そして「ベルナルダ・アルバの家」は厳格な未亡人とその五人の娘達の、長女の結婚にまつわる話。長女に求婚した男は持参金目当てで、彼と恋に落ちていたのは末の妹だったがそれに気づいた未亡人が銃で男を追い払い、妊娠していた末娘は自殺する。
三作とも結婚と家庭にまつわる悲劇の話だろう。最初に読んだ時には本当にこれが日常かと疑いたくなったけれど、ストーリーだけをシンプルに考えてみれば特にイェルマの話は現代でもありそうな問題だ。リアクションと結果がスペイン的だけれども。スペインの影の部分を垣間見ることができる本かもしれない。ドゥエンデの哄笑が聞こえてきそうな戯曲だった。


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