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和書 467266 (78)



与話情浮名横櫛―切られ与三 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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リア王 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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 精神的にも肉体的にも残酷な物語である。
 王と娘たちの物語と平行して、臣下の伯爵と息子の物語が絡んで来て深みを感じる構成だ。さらに日本だと相当するものがない道化の存在が面白い。王の発言を混ぜっ返したり、揚げ足を取ったりと善意と悪意をくるくる入れ替えるような自由な存在である。
 姉二人の豹変ぶりと言えばあまりにもひどく、ほとんどマクベス夫人である。末娘の気持ちも結局は活かされない形で終わる救いようの無い物語で、心ある臣下達に再度王に擁立されることを示唆して終わる最後のシーンもまったく救いにはならない。
 物語を語る単調なドラマではなく、いわゆる「ボケ」「突っ込み」などが溢れる喜劇的なやりとりの中に、真情を吐露する独白が混じったり、セリフに文化的な教養や時事性、痛烈な皮肉があるのには驚いた。さらにセリフに溢れる罵詈雑言、猥雑さに驚き、「ライブ総合芸能」としての演劇のエネルギーというかエンターテイメント性に感心した。実際には衣装、舞台装置や照明、そして客の反応を見るような間が演出されたりするのだろうが、あまり馴染みがなかった「演劇」にがぜん興味が湧いてくる。





リチャード三世 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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輪舞 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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娼婦から兵隊、兵隊から小間使、小間使いから若主人……と続き最後はまた娼婦へと戻って円環を成すセックスの連鎖。著者は道徳や倫理とは無縁の冷酷な人間の真実を、性を介して描いている積もりなのでしょう。発表当時は出版・上演禁止等の憂き目を見たという問題作でしたが、現代の我々からすればもうあたりまえ過ぎて衝撃的な味わいも無くただ現実を再確認して憂鬱になる程度です。自然科学的……というよりは思索の伴わないマゾヒスティックな露悪趣味という気もしますが、旧弊な道徳観念を覆し中立的に物事を観察するという行為自体に価値があった時代だったのでしょう。登場人物はそれぞれの階級を代表するものとして描かれており、この劇全体で二〇世紀初頭のウィーン社会の一断面となっていることは、この作品の大きな価値になっていると思います。叙述は簡素で洗練されていますが、個人的には苦手。




ロミオとジューリエット (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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シェイクスピアの悲劇には、超人間的な存在が実にしばしば登場する。『リチャード三世』に出てくる数々の亡霊、『ハムレット』に出てくる亡霊、『マクベス』の魔女、『ジュリアス・シーザー』に出てくる占い師などがそれである。 そして、この作品における、超人間的な存在は、ロレンス神父である。42時間仮死状態でいられる薬を持っているあたり、さながら魔法使いである。 さらに、どの悲劇でも、これらの超人間的な存在が、登場人物の運命を左右する。人間万能主義への懐疑?




分らぬもんですよ (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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ワーニャおじさん (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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以前、「桜の園」を読んだがその時はほとんど印象が薄く興味を引かなかった。なので「チェーホフってこんなもの」と自分なりに見限り、長年、他の作品には手をつけていなかった。それが今回たまたま読んだ、この「ワーニャおじさん」には、読み応えを感じた。時代は19世紀末から20世紀初頭。ロシアの田舎屋敷が舞台で、主人公たちの日常とそこで起こるちょっとした騒動の中で、それぞれの登場人物の台詞が生身ある語感で僕の胸に響いてきた。時代は変われども人間が考えることは、希望、絶望、喜怒哀楽と多々あるものだ。しかし、その思いが読者に伝わるかどうかは、作品の言葉の奥にある「本気」を自分に照らして実感できた時なんだと思った。この本が僕とチェーホフとの縁をつないだ。





ヴァレンシュタイン (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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運命劇としてのギリシャ悲劇と性格劇としてのシェイクスピア劇の手法
の融合を目指してシラーが書いた傑作史劇。山本周五郎氏が終生書きた
いと思っていた題材に明智光秀があったが、もともとはこの作品にイン
スパイアされたものだったらしい。

読むにあたっての障害は、三十年戦争とヴァレンシュタイン本人につい
ての知識があらかじめあったほうがよいこと。この作品を堪能するため
には、背景にあることをあらかじめ知っていたほうがよいと思う。そう
でないと、占星術に凝ったり、極秘に敵側と接触したりしているところ
などは、いまいちピンとこないと思う。つまり、ヴァレンタインの何が
シラーをして悲劇を書かせしめたのかが良くわからないだろう。
訳者解説にはそこらへんの親切心が欠けており、大きな減点ポイントだ
と思う。




ヴォイツェク ダントンの死 レンツ (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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 『ダントンの死』、この作品の持つ途方もない魅力に圧倒された。
 人の力にはとうてい及ばない運命の存在を感じ、同時に革命への情熱を失い、抜け殻のようになってしまった英雄ダントンの姿をひたすらに追求したこの作品は、もはや単なる革命劇を超えて普遍性を獲得している。そこにあるのは一種、ギリシア劇の主人公にも近い男の姿である。
 かつての盟友ロベスピエールとの相克、デムーランやラクロワなどの魅力的な同志たちの怒りと嘆き、女たちの烈しい生き方。これらのすべてがひとつの劇の中に納まり、宇宙的な広がりを見せる。
 この作品をビューヒナーは21歳の時に、それも五週間で書き上げたという。これが天才というものか。彼が長く生きていたら、いくつもの素晴らしい作品を残したことだろうに。併収の『ヴォイツェク』『レンツ』も読みやすいとは言えないが、非常に強靭な作品であることは疑いない。

 解説の岩淵氏は高齡のはずであるが非常に綿密な解説を残しており、これほど読むのに有益な文もないかと思う。そして「ダントンの死はおそらく今後も日本では上演されないだろう」という指摘はおそらく真実を突いている。この劇の本質を評価する土壌が日本にはないように感じる。それを思うといくらか寂しくもある。
 ともあれ、これを文庫という求めやすい形で出してくれた岩波書店に感謝したい。ぜひ手にとって欲しい。




オットーと呼ばれる日本人―他一篇 (岩波文庫―木下順二戯曲選)
販売元: 岩波書店

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