戻る

前ページ   次ページ

和書 467270 (254)



Xの悲劇 (ポプラ社文庫―ミステリーボックス)
販売元: ポプラ社

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






Xの悲劇 (ポプラ社文庫―怪奇・推理シリーズ)
販売元: ポプラ社

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






Xの悲劇 (創元推理文庫)
販売元: 東京創元社

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

本書は、良くも悪くも同年に執筆された『エジプト十字架の謎』によく
似ている。過去の復讐というモチーフによる連続殺人、メイントリック、
唯一この人物しか犯人ではありえないというロジック...。
しかしながら本書は『エジプト十字架』と同樣、この人物しか犯人では
ありえないというロジックに合わせんがためのご都合主義が、随所に
見え隠れするのである。

まず第一の事件では、犯人が身に着けているのが自然な物を、身に
着けていないために怪しまれるはずのところを、誰もそれを理由に怪
しんだりしないのは不自然である。これはレーンのみが犯人に目星を
つけるようにした作者の都合によるものである。

第ニの事件では、犯人は殺人とは別のある目的で被害者を船から投
げ落とすのだが、もしも失敗すれば誰が犯人であるか露呈しかねな
い極めて危険な方法である。もっと確実で安全な方法でその目的を
果たさなかったのも、レーンにデヴィッドが無実であることを証明させ
るための作者の都合である。

そして第三の事件で犯人はピストルが発見されても何の不都合もな
いにも関わらず現場にピストルを残さず、誰かに見られるかも知れな
いというリスクを冒してまでわざわざ川に投げ捨てさせたのも、コリン
ズが犯人ではないとレーンに証明させるための作者の都合である。

これらのように、不自然でご都合主義に満ちた本書だが、アンフェア
な記述がない分、『エジプト十字架』に較べればまだマシではある。






Xの悲劇
販売元: 角川書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






Xの悲劇
販売元: 講談社

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






Xへの手紙 (1949年)
販売元: 芝書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






Xへの手紙―他三篇 (1954年)
販売元: 角川書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






Xへの手紙・私小説論 (1962年)
販売元: 新潮社

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






Xへの手紙・私小説論 (1982年)
販売元: 日本点字図書館

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






Xへの手紙・私小説論 (新潮文庫)
販売元: 新潮社

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

 前半に収められている小林秀雄若き日々の創作集は、小林秀雄のファンにならないと読み通すのがつらいかな。断片的に鮮烈なイメージの提示はあるのだが。ただ、視点をかえると自意識が鋭敏すぎるために、創作の豊かさを断念せざるをえなかった一人の青年が、やがて日本を代表する批評家へとなってゆく過程が、ここに示されていることもたしかだ。

 表題になっている「様々なる意匠」や「Xへの手紙」は必読だが、これも一般の人が読んで、それほど面白いとは思わないだろう。むしろ、マキャベリについてとか、論語をめぐる随想が面白いと思う。なかんずく、「政治と文学」という講演体の文章は秀逸。最近の「この人たちはいったいどこをむいているの?」という政界茶番劇を見させられているだけに、ここで小林が述べている政治についての洞見はすごいと感じることしきりである。たがいに相手の欠点に乗じて自己を主張しようとする言説を思想と呼ぶのはおこがましい!、と小林秀雄が今の政界や国際関係を見てもため息をつくだろう。(私見によれば、この文章の副題は「真の思想とは?」ということである。)政治と文学をめぐっての激動を生きてきた人間の言葉には迫力がある。


前ページ   次ページ

戻る

仮想世界 - シューティング/レース/電車ゲーム フライトシミュレータ