和書 492084 (194)
大旅行記〈1〉 (東洋文庫)
販売元: 平凡社
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研究者や専門の学生の方にとっては、この訳本の価値は無限にも等しい。しかし中世の旅行記として、興味や知的欲求からこの本の読者になる方には注意を促したい。まず大変に難解であることを覚悟し、さらに膨大な注釈が読むペースを乱すのでそれに慣れる必要もある。序盤の難所はメッカ巡礼の2巻であり、この巻を理解するには否応なしにイスラームの宗教儀礼に関する知識が必要となる。事典が手元にあれば心強い。もし2巻まで読破できれば最後まで読破できると思う。
難解さに負けないアドバイスとして、家島氏の「イブン・バットゥータの世界大旅行」を事前に読むこと、各巻はまず「解説」を読んでから本文を読むこと、事典やイスラーム文化概説書を可能ならば取り揃えておくこと等を勧めたい。この旅行記から得られる中世の瑞々しい世情は他の如何なる書物からも学べるものではない。興味を持たれた方には何とか最後まで読んで欲しいと思う。
大旅行記〈6〉 (東洋文庫)
販売元: 平凡社
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大旅行記〈8〉 (東洋文庫)
販売元: 平凡社
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韃靼 (中公文庫)
販売元: 中央公論社
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般若心経で運を開く―これが「空」の不可思議な力だ (ダルマブックス)
販売元: 佼成出版社
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誰も知らなかった皇帝たちの中国 (WAC BUNKO)
販売元: ワック
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著者の本を読むのは初めてですが、私個人の「中国」観とかなり似て、更にそれを学術的に論じているので参考になりました。
「漢民族」とはどういった人たちか、ユーラシア大陸の歴史を作ったそれぞれの民族の特徴・慣習とは、皇帝とは何か、「中国」史は正史にどのように描かれているのか、漢字のつくりを分析しその本来の意味とは、などいろんな「中国」を知ることが出来ます。
五つの王朝の5人の皇帝にスポットを当てつつも、秦の始皇帝から清王朝までの大局的な「中国」史の全体像が描かれているため、「中国」史を勉強してみたい人にもお薦めです。
それ程、ヴォリュームのある本ではないのですが、個人的に「中国」史はあまり強くないため、なかなか読み応えがありました。
ダンマパダの教え―初期仏教の「反社会」主義
販売元: 筑摩書房
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著者は冒頭で、“『ダンマパダ』が決してよき社会人の生活の指針になるものではないことを、順を追って具体的に示したかったから”本書を書いたと言う。また、“『ダンマパダ』が首尾一貫して、世間的なよき社会人たることを放棄せよと勧めていることを、証明しようとしているのです”とも言う。さらに、“初期仏典にオリジナルな仏説が濃厚に反映されていると認めたとしても、この場合、果たして釈尊に戻ることが可能であるかどうかが問われなければなりません”と言っており、暗に釈尊の初期仏教に戻ることはあり得ないと考えているようである。
本書の過激な主張にはシュダオン道に入るのを妨げる身見・疑・戒取の三結を感じてしまうが、そうした主張も答えが用意されていない『赴機問』(赴機問とは、自分は分からぬ事はないが、多勢の中に分からぬ者がいるようなので、その人達に代わって問うこと。)と考えれば無価値ではない。釈尊の教法を理解しながら修行しているならば、ダンマの解釈、よき社会人の意味、反社会と出世間の違いなどの赴機問に明快に答えることができるはずである。著者も自ら赴機問に答えたのか、10年後に出版した『真理の言葉(法句経)』で本書の主張を撤回している。
談論 中国名将の条件 (徳間文庫)
販売元: 徳間書店
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中国名将の条件
販売元: 徳間書店
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中国に無邪気に(今も)憧れている田中氏。
自分の憧れが現実の中国に砕かれたあとも、自分の理想の人物を古代から
探そうという努力を続けた陳氏。
作家としてのスタンスの違いが、和気あいあいとした対談からもうかがい
知れるところが興味深い。
陳氏の謙虚さが伝わって来て、氏の小説で中国史を教えてもらおうと
いう気になる。
チベット (「知の再発見」双書)
販売元: 創元社
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日本人にとってチベットとは、、映画やテレビで断片的に流れる情報から漠然と「自然
の宝庫」であるとか、中国の占領下にあること、ダライラマ14世のことを知っている
くらいだろうか。
本書は、そのようにあまり知られていないチベットの姿を、チベットに魅了されたフラ
ンスの学者が簡潔に纏めたものである。
まず、チベットの環境などの地理的なことを説明される。チベットに魅力を感じるのに
は、これだけでも充分すぎるほど広大で、実に美しい。
信仰に関しては、土着宗教から仏教、そしてチベット仏教の誕生といった流れが記載さ
れる。土着宗教に関して言えば、「苦しみの世界と幸福の世界」など、他宗教とも共通
点が多い。
ダライ・ラマという存在がチベット人にとってどういう人物なのかが、ここで説明され
る。
だが著者も憤りを感じているとおり、こうした文化は現在の支配者に穢されてしまって
いる。この現状も、詳しく書かれている。
またチベットには数多くの侵略者や探検家達が訪れ、そして魅了されていった経緯も記
載される。なるほど記述されている限りでは、チベット人の人柄や、雄大な自然は魅力
溢れるものだ。
中国が侵略を開始してからは、自治区設立、観光客への解放を進める。
だが本書におけるチベット侵略後の記述で特に重要と思われるのは、貴重な文化の損
壊、そして人民の多大なる被害であろう。
「この国の支配下に置かれた場合どうなるか」を明示しているようで、戦慄を覚える。
「資料編」では、チベット医学やチベット人などに関する記述、詩が1つ掲載されてい
る。なかでもこの詩は素晴らしく、他の詩への興味を抱かせるほど秀逸なものである。
ただ文化や宗教、歴史についてはこれでもかなり学ぶことができる反面、もう少しチベ
ットの土地や自然についても言及して欲しかった気もする。