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和書 492084 (223)



三国志の世界(後漢 三国時代) (中国の歴史 全12巻)
販売元: 講談社

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 講談社による中国史新シリーズの第4巻は、後漢末期の黄巾の乱から孫呉の滅亡までが対象です。気が付いた点は、概ね以下のとおりです。
(1) 著者の専門が文学史だということもあってか、「三国志演義」を肴にしつつ、この時代の歴史を、主として三国相互間、あるいは三国内部の政治・権力関係に着目して記述しています。読み物としても楽しめます。反面、経済・社会状況や土地関係等に関しては、もう少し丁寧に説明を加えた方が良いのではないかという気がします。
(2) 演義の中では端役的存在の孫呉ですが、著者は三国の鼎立・抗争においてキャスティング・ボートを握る重要なファクターとして同国の役割を重視する姿勢です。特に魯粛については、優れた外交感覚に裏打ちされた深謀遠慮の人であり、諸葛亮の鼎立構想を実現する上での不可欠なパートナーとして捉えています。
(3) 魏朝による簒奪へのアンチテーゼとして成立した蜀漢が、現実の戦略的要請の前で、孫呉との間で「二帝並立」を容認せざるを得なくなった過程に注目し、理念と現実との矛盾・調整として分析しています。
(4) 三国と周辺諸族とのインタラクションにも注目し、そうしたコンテクストの中で卑弥呼への「親魏倭王」号授与の意味合いなどを考察しています。
 三国時代を1つの巻として切り出すことについては、いったい如何なる考え方に基づいているのか、どうしても違和感を禁じえません。日本人の「三国志好き」に便乗したのではないかなどと勘繰ってしまいたくもなりますが、敢えて好意的に解釈するとすれば、この時代の観察を通じて、中国史における「統一と分裂」の意味合いを分析しようということなのでしょうか。




中国の歴史 6 絢爛たる世界帝国 隋唐時代
販売元: 講談社

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

今のところ、最新の中国通史であるこのシリーズだが、
本書はそのなかでも、最も良く書けているのではないかと思う。

最初の150頁ほどで、隋唐の政治史をひとくさり語り終えてから、
税制や兵制などの社会制度の変遷、仏教や道教などの宗教における革新、
東アジア一円を含む広域の外交関係、民衆の生活と女性の役割といった、
個々のトピックにおもむろに触れていく構成はオーソドックスで、
およそ奇を衒ったところのない、淡々とした書き方になっているが、
いくつかの箇所では、従来の定説に対する
ラディカルな見直しの必要性も明快に表明されている。

押さえるべき部分はきっちりと押さえていながら、
見た目はあくまで平明に書かれた、ケレン味のない文章に、
あたかも白湯を飲んでいるような心地良さを覚えた。
ある程度専門的な内容を、素人向けに噛み砕き過ぎることなく、
平易な文章に落とし込む著者の力量は、
並々ならぬ学識に支えられていると感じる。

内容的に興味深く感じた点はいくつもあるが、
則天武后ら女性が活躍したこの時代の雰囲気の中に、
漢民族に固有のものである儒教的倫理観とは異質な、
北族(胡族)的な柔軟さやルーズさを読み取るという着眼点は、
この時代に特有の華やかさを巧みに捉えているように思う。




中国思想と宗教の奔流―宋朝 (中国の歴史)
販売元: 講談社

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この著者の他の著書について、同じことを述べているレビュアーが多いが、
突然くだけ過ぎる文体が微妙に気持ち悪く、若干、感興を殺がれてしまった。

宋代という、建国当初から遼・西夏・金・元などに圧迫されて、
政治史的には地味な印象のある時代を取り扱うのに、
著者の専門である思想史のほか、後世の日本の「伝統文化」の源流となるような
技術・文化上の様々な革新に触れている点は楽しんで読めたが、
これもやはり二つ下のレビュアーが述べているように、
題名ほどには思想・宗教プロパーについての議論は多くなく、
むしろ、それらを主宰した士大夫層の陰湿な党派的抗争について、
妙に楽しそうに語っている部分が、思いのほか多かったような気がする。

「あの○○」といった言い方で言及される、よほどの有名人であるらしい人物が、
今まで全く知らなかった名前だったりすることも頻繁にあって、
中国史についてかなりの知識がある読者ならともかく、
私のような、ごく一般的な知識しかない読者にとっては、
流れを追うだけになってしまう部分も多かったのだが、
初見の人物ばかりを描いていても、書き方の工夫ひとつで
面白おかしく読ませてくれる学者もいないわけではないのだから、
種々の読者層へのもう少し広い目配りがあれば、と思わずにはいられなかった。




中華の崩壊と拡大(魏晋南北朝)
販売元: 講談社

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北朝に重点が置かれていて、今まで知らなかったこともあって、非常に楽しめました。
三国分立から中華を統一した西晉の正統性の強さ、東晉及び、その後を受けた宋に対する漢族自身の疑問。宋以後華北士大夫が江南へ亡命することが見えなくなることなど、漢族の帝国として(少なくとも私には)考えられていた南朝が正統性の面でも不安定であったことは、続く隋唐が北朝を母体とすることからも興味深い点でした。

北朝の皇帝が中華を意識したことは知ってはいましたが、例えば、北周の武帝が、自分が「宇文という胡族の姓を名乗り、鮮卑語を自由に操り、そのうえで自らを五胡ではないとする」、胡漢が融合した世界で中華皇帝としてあり得たのはかなりおもしろいですね。

なお、最終章で、日本や高句麗などが、自らを中華とする認識が形成されたことについて、「五胡・北朝・隋唐に至る中国史の展開と比較するとき、秦漢魏晉的秩序から見ると、同じく夷狄であったものが、それぞれに「中華」になるという点で(「東夷とての倭から中華としての日本へ」と「五胡から中華への変身」)、両者は相似た軌跡を描いたのである」と指摘があります。このことは、現代へも続く問題、何が正統かという問題として、同シリーズの金文京『三国志の世界』でも論じられていました。




海と帝国―明清時代 (中国の歴史)
販売元: 講談社

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素晴らしい本だとは思うのだが、専門的な記述が多く、敷居が高い本だと
感じた。
社会制度史とか経済が苦手な人には辛いと思う。

もちろん、そういったものが苦手だからこそ読むべきだとは思うのだが、
面白く読ませようといった工夫が無いのか、つまらなく感じてしまった。
阿部謹也氏の本は難解でも面白いのだけど。

プロローグを読んだときはこれは面白いぞと思ったのだが。






神話から歴史へ(神話時代 夏王朝) (中国の歴史 全12巻)
販売元: 講談社

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このシリーズを読みだしてもう半年・・・
とりあえず第1巻のレビューを書かせてもらいます。
本作では知られざる中国の歴史の原初の部分が書かれています。
既存の歴史書は史記などを中心としたものが主ですが、
本書はどちらかといえば、
近年の発掘や調査を元に科学的に書かれています。
あと伝説の『夏王朝』に興味のある方はも必読でしょう。

最後に本シリーズ全12巻を読むのならば、
時間に余裕が必要かと思います(> _<)




第03巻 ファーストエンペラーの遺産(秦漢帝国) (中国の歴史 全12巻)
販売元: 講談社

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秦・漢時代、約400年の歴史を扱ったもの。内容の水準は、中国を古代から現代まで一冊で扱ったような概説書よりもかなり細かく、しかし、研究者向けほど専門的なことがらは多くないといった感じだと思います。このシリーズ全体がそういうコンセプトなのだろうと私は受け取っています。

秦・漢時代の文献資料は『史記』および『漢書』ぐらいしかないそうです。本書では、それに考古学の調査結果や自然環境の研究結果を交えています。そうした文献資料以外を利用して歴史を描くことが、本書――および研究――に対する筆者の姿勢のようです。

ところで私は秦・漢時代について勉強したことがなく、ほぼ素人です。そういう私の感想としては、地図がもっと掲載してあればと思いました。とりわけ前半部分では、どのあたりの地域を指しているのかをイメージできる地図がなく、高校時代の資料集などを引っ張り出して読み進めました。

また、考古学の調査結果は単純に驚かされるものがありますが(たとえば、皮膚にまだ弾力性を残した当時の遺体など)、それが歴史全体の中でどのような意味をもっているのかの説明がなくもの足りませんでした。そのことを含め、本書全般を通じて事実の羅列を感じることが多く、読みにくかったというのが正直な感想です。

一度このあたりの歴史をおさえた方にとっては、墓や簡などにかんする考古学的な話題が豊富で興味深いかもしれません。




第11巻 巨龍の胎動(毛沢東VS鄧小平) (中国の歴史 全12巻)
販売元: 講談社

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この本は社会制度とか経済とかはよく分からんが政治は好き
だという人なら絶対面白い本だと思います。
もちろん、それ以外の人にもですが。
毛沢東と劉少奇・ケ小平・林彪などの権力闘争などはまさに、
手に汗握る、といった感じです。
中国を荒廃させた毛沢東、改革者ケ小平という対比が際立っ
ています。
胡キン濤・温家宝といった人物にも触れられているので、現代
中国に興味がある人は必見です。







都市国家から中華へ(殷周 春秋戦国) (中国の歴史 全12巻)
販売元: 講談社

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 講談社の中国史新シリーズの第2巻、対象は殷・周・春秋戦国の各時代です。気が付いたことは以下の点でしょうか。
 (1) 殷から戦国に至る時代の流れを、新石器時代以来の地方的文化圏が徐々に社会統合されて都市の連合体となり、戦国時代に至って文化圏ごとの中央集権が達成される過程として捉えます。旧石器時代の文化的影響に重きを置く視点で、たいへん興味深く読みました。
 (2) 史書の記載内容は必ずしも信用できない点を強調し、史実の選別について厳しい姿勢をとっています。その分、暦法の整理による歴史の復元などにつき比較的詳細な説明が加えられています。
 (3) 春秋の各バージョンや「五覇」の概念が生み出された政治的・思想的背景につき、興味深い意見が主張されています。
 (4) 時代のイメージをガラッと変えてしまうような新鮮な見方が数多く提示されている一方、この時代の主な出来事や、それらの後世への影響など、いわゆる概説書チックな内容については極めて手薄と言わざるを得ません。
 (5) 著者は本書の中で、自分の書くものは従来の通説と異なるので分かりにくくなる旨を述べておられます。そうした事情もあるのでしょうが、本書はハッキリ言って難解です。著者独特の用語法や文章の論理構成にも原因があるように感じるのは、果たして小生だけでしょうか。

 いずれにせよ、本書を読んで面白いと思いましたし勉強になったことも事実です。が、一般向け概説書として人さまにおススメできるか否かは微妙なところです。




大同の夢 (中国の歴史)
販売元: 平凡社

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