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和書 492116 (108)



故郷七十年 (朝日選書 (7))
販売元: 朝日新聞社

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膨大な柳田民俗学の内幕を明かす自伝的回想といえる著書でしょう。
幼少期の思い出は、柳田が極めて霊感的な敏感な感受性の持ち主である事を認識させる。少年期から青年期にかけて柳田は、文学の虜になり、詩や小説らしきものの創作にまで志すような青年であったが、経歴から見れば途中で方向を変え、農商務省の官僚として農政の役人の道を選択する。
時代の機運からすれば、それは正しかったであろう、経済的安定の基盤が無ければ文学的創作も詩作も不可能と判断したからだ。
柳田の感受性は、文学から日本古来の民族性の探求に方向を変えた、語源の研究、山人の研究、民話伝承の研究、そして日本文化の起源を構想した海上の道へと深まり広がりを見せてゆく。柳田の詩的感受性は、そこに於いても十分に民俗学の業績に反映されている。日本人の起源、日本文化の起源を柳田は生涯のライフワークとして、様々な資料を収集し分析し構想を暖めてゆき、歳を経ても柳田の探究心は衰える事を知らない。民俗学を押し進める情熱の中核には、一見、合理的精神に見える基礎に直感的なともすれば霊感的な感受性があったと言える。
柳田民俗学と対峙する一方には南方熊楠の自然学がある。また競合者としての渋沢敬三のアチック・ミューゼアムがある。その上に宮本常一の膨大な記録があり、日本民俗学の豊かな水脈を成している。
この、「故郷七十年」は、柳田國男を知る上で不可欠の回想であると共に柳田民俗学の舞台裏の模索を知る上でも不可欠の著書であろう。




里と森の危機(クライシス) 暮らし多様化への提言 (朝日選書786)
販売元: 朝日新聞社

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 自然の生態系が崩壊しているという警鐘が盛んに鳴らされます。著者は、この生態系変動の問題を、自然と人間の中間にある里という環境から考えています。里とは、人間による攪乱の結果によってできた生態系です。農という人間の営みによって出現した生態環境が考えられています。
  人が自然に手を入れたことで、多くの栽培植物ができました。しかし今、その栽培植物の多様な遺伝子が失われています。消費者の嗜好や経済性の追求のために、稲を代表とする多くの食用野菜が、一定の遺伝品種に淘汰されています。深刻な問題が指摘されます。
  多様な遺伝子の収集保存を目的としている遺伝子バンクでも、他家受粉の種は、元の集団の遺伝的性質は残せないという原理的問題があり、保存の解決にならないそうです。
  著者は、その遺伝子保護のために自生地保存を提唱し、自ら東南アジアで試みています。しかしタイでは失敗します。その保護区に人や水牛が入らなくなり、そこは自然遷移して雑草地化してしまったとのことです。
   この経験から、著者は自生地保存には、農村・里の生活が重要な役割を果たすことを突き止めています。そして文化財としての遺伝子保護のために、ボランテアでもよいから、自然と人間との媒介を果たしてきた里の生活の再現を提案しています。
 この里の復活と共に、山間地の焼畑、河川流域での洪水利用の重要さが述べられています。が、現代人が、そこまで戻れるのか些か疑問に思えます。しかし、昔のものが全てよいという事ではなく、ものが循環せずに一方向的に流れる生態系は長続きしないという著者の考えには、全面的に賛成です。
  また我国では少しずれていますが、グローバリゼイションとは、文化多様性を認めた上で、しかし地球規模で考えざるおえない問に向かうことだと思います。この本は正にグローバルな環境生態論だと思いました。




思想の折り返し点で (朝日選書)
販売元: 朝日新聞社

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昭和維新試論 (朝日選書)
販売元: 朝日新聞

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昭和思想史―暗く輝ける1930年代 (朝日選書)
販売元: 朝日新聞社

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生と死を支える―ホスピス・ケアの実践 (朝日選書)
販売元: 朝日新聞社

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大拙と幾多郎 (朝日選書)
販売元: 朝日新聞社

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朝鮮儒教の二千年 (朝日選書)
販売元: 朝日新聞社

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朝鮮は本家崇拝意識が非常につよい。また排他的色彩も色濃くでている民族性がよくわかる。日本の返り点の読み方と異なり、中国の文物を中国音そのままで読んでいた、という事を考えると、丁度日本では仏教の経典がそうであった。それから、類推して分かるように、一般国民には中国の文物が普及しない。つまり、知識がエリート階級(両班)だけの独占物となってしまった。同じ中国の物を受け入れるに、両国(日本・朝鮮)はこれほど異なる。

筆者(姜在彦)の意識だけかもしれないが、朝鮮の歴史に門閥・地閥主義で闘争にならない時代はなかったような書き方である。そういえば、現在でもなお、金大中の大統領選挙におけるように、釜山(光州?)とそれ以外の地域のいがみあいが存続している。




哲学の旅から (朝日選書 (147))
販売元: 朝日新聞社

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日本リベラリズムの系譜―福沢諭吉・長谷川如是閑・丸山真男 (朝日選書 (662))
販売元: 朝日新聞社

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