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和書 492116 (138)



アンチ・オイディプス
販売元: 河出書房新社

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

浅田彰氏の『構造と力』がドゥルーズを紹介した頃、ほとんどの書物は訳されていなかった。程なく上梓されたこの書はそういう意味で、先駆けて独特な概念の訳語を提示した経緯がある。たとえば土地化という訳語は現在ではほとんど領土化と訳されているのだが、土地機械に登記の働きがある以上本書においては、単純に領土とは訳しきれない側面を反映したものとおもわれる。今や同定したかに見える概念の訳語を反省的にとらえる意味でも本書の提示する訳語には、新鮮さがある。文法的に誤まっているというのは恐ろしくデマにすぎないが、語感のムードだけに引き寄せられ、文学作品のように自由な創作的解釈で訳した翻訳を正しいとするお洒落文体家の一部には、いたく不評なようである。日本語としての完成度からいうと、文意を極めて明確に際立たせて整理されており読みやすい。第23回の日本翻訳文化賞受賞が本書に冠せられていないとしても、精密な解釈を背景にした翻訳は、原著の魅力をうまく伝えているといえるだろう。パスカル、イポリットのヘーゲル、サルトルを長年研究してきた翻訳者であるからこそ、流行に流されない、この思想のもたらす真の新しさをうけとめていると考えられる。




アンチ・オイディプス(上)資本主義と分裂症 (河出文庫)
販売元: 河出書房新社

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あくまでも個人的な感想ですが、やはり市倉訳の方がわかりやすいと思います。宇野訳は、もしかしたら、ドゥルーズ=ガタリの意図に忠実なのかもしれません。しかし、日本語として読みにくいのは、僕的には厳しい。所詮言葉自体が違うのだから、リズムまで再現することは不可能で、もしそれを感じたいのならば原著をそのまま読むしかないと思います。

テリトリアリザシオンを「土地化」と訳すことについても、市倉ゼミで、学生たちと徹底的に討論した結果、範囲を確定させるような「領土」「属領」という言葉は、ドゥルーズ=ガタリの意図するニュアンスを殺してしまうのでは、という判断で、選ばれた訳語だと聞きます。

初心者の方には、文学的なニュアンスを大事にした宇野訳よりも、哲学的な論理性を重視した市倉訳を薦めたいと思います。




アンチ・オイディプス(下)資本主義と分裂症 (河出文庫)
販売元: 河出書房新社

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下の方に酷評が載っているが、言い過ぎだと思う。市倉訳のほうに、原著にはあったとさ
れるリズム感が欠けていたことは、ずっと前から指摘されてきた。その点宇野訳は、この
大著を、あたかも「一つの文学作品」として読み通せるようにしたという意味では、良訳
の部類に入ると思う。文章も「機械翻訳」という評言がどこから出てくるのかまったく不
明なほど、ひとつひとつの文も、段落ごとの内容も、日本語として十分意味が通っており、
解釈を加えずにここまで訳せるものではない。

「そっくり一文が抜け落ちている」のが事実だとしても一般の私たちには確認のしようも
ないのだが、反復文が極めて多いこの本では、通読して大意をつかむという読み方をした
場合、仮にそういう事実があったとしても、本の言わんとする方向が変わってしまうほど
重大な問題になるとは考えにくい。

今、文学作品としてはとか、大意をつかむという読み方ならと書いたけれど、まさにこの
本の良いところは、あの大著を、概要としては何を伝えようとしているか、とりあえず通
読してみる気にさせるところであり、そういう読み方をするなら、十分役に立つ。文庫本
というハンディな作りなので、少しずつ読めば、必ず最後まで読み通せるし、とにかく著
者たちが何に反対し、何を擁護し、どのような世界観を提示しようとしているのかという
軸の部分は十分つかめるはずだ。(ただし、上巻の注が下巻にある点は不便きわまりなく、
出版社に猛省を促したい)

この本は、長年、通読もされずに適当な引用をされたり、批判されたりしてきた歴史があ
る。宇野訳で、とりあえずその点が解消されたのは喜ばしい。術語については、哲学的に
厳密を期したい専門家や、どうしても納得のいかない箇所があった場合は、原著を読むか
市倉訳を必要に応じて参照すればよいと思う。この本の最大の功績は、とにかく「あの
『アンチ・オイディプス』が手軽に通読でき、概要がつかめるようになった」という点に
あるのだから。

こんな試みが可能なら、ついでに『千のプラトー』も文庫化すべきだと思う。
(上巻と同じ文章)




アンチ・ソシュール―ポスト・ソシュール派文学理論批判 (ポイエーシス叢書)
販売元: 未来社

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アンティゴネと囚われ人
販売元: 御茶の水書房

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アンティゴネーの主張―問い直される親族関係
販売元: 青土社

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アンティゴネーは、彼女の叔父であり王であるクレオンの命に背き、血を分けた兄の埋葬を行い死の道を選択する。今までの数多くの批評はこの神話に親族関係と社会的な共同体との相克をよみとってきたが、果たして問題はより複雑ではないだろうかとバトラーは疑問をなげかける。そもそもアンティゴネー自体、オイディプスが知らずに自らの母ともうけた近親姦の絆から生まれた娘であり、そしてアンティゴネー自体も兄に対して死を賭した近親姦の愛を捧げているようにも見えるからである。第三章の「乱交的服従」の章はアンティゴネー論から現在のジェンダー論や親族論に発展させているが、それは近親姦のタブーを最も基礎にもつ親族関係について極めてラディカルに迫っていて、刺激的で興味深く、一読の価値がある。ヘーゲルやラカンのアンティゴネー論をたたき台として繰り広げられるバトラーの「アンティゴネー論現代版」はアンティゴネーをさらに面白く感じさせる契機になると同時に、現代になかば崩れつつある「親族」とは何かというものを根元から再考させる契機となる。




弁論集 (西洋古典叢書)
販売元: 京都大学学術出版会

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アンデスからの暁光―マリアテギ論集
販売元: 現代企画室

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安藤昌益 (日本アンソロジー)
販売元: 光芒社

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安藤昌益全集 1 (1)
販売元: 農山漁村文化協会

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