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和書 492116 (196)



新訂 福翁自伝 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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いわずとしれた福沢諭吉翁の自伝。大学時代には何かこう敬遠して読めなかったが、社会人生活も長くなりふと手に取ったところ、ようやく完読を実現し、「宿題」を終えたような気分。それにしても、このからっとした爽やな読後感はどうだ。この一書から学ぶべき第一は、何物にも囚われない自主自立の精神の大切さであろう。私も幕末から明治時代に生まれて、彼のように自由に生きたかった。




学問のすすめ (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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読書の目的:
 小林秀雄著「考えるヒント」などにたびたび出てくる"福沢諭吉"。至近で、日本円の札面を一新したときも、変わらず肖像であり続けた"福沢諭吉"、その実像に迫りたかった。

読後感、感想:
 檄文。震えました。しかし、まだ消化し切れていない。

 意訳された文章ではなく、原文で読んでほしい言です。文章の意味だけではなく、語感、語調、行間を含め、文章全体から発せられるメッセージを、体全体で感じてほしい。

 自分が日本人であると、改めて体感したことがある人は、是非、読んでみてください。逆に、自分が日本人であると、改めて体感したことがない方は、あまり、ピンとこないかもしれません。(感覚的なコメントですみませんが...)




近時政論考 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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三酔人経綸問答 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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J・J・ルソーの『社会契約論』を翻訳したことで知られる中江兆民の代表的著作。
本書では、瑣末な政策ではなく、政治の理念を追求している。

洋学紳士、豪傑君、南海先生の三人が酒を飲みながら、政治の議論を交わす、という
のが本書の基本的な構成である。洋学紳士=理想主義者、豪傑君=現実主義者と見な
がら読み進めることができる。ただ南海先生は、両者とも実情から離れた"非"現実的
な考え方だと退けている。

洋学紳士や豪傑君の唱える極論が出ることは今日ではないが、似たような論戦はそこ
かしこに存在する。政治学を学ぶという目的で読むには本書での議論があまりに体系
化されてないため難しいかもしれない。だが、自らの政治的視座を養うという目的の
ためならば、今日でもその意義は衰えることのない一冊であろう。




植村正久文集 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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 日本キリスト教史において植村氏は内村鑑三、新渡戸稲造とならぶ功労者といえよう。
 本書には植村氏による評論や訳詩が納められている。ひとつひとつの文章は数ページほどであるが、洗練された文体でユーモア・風刺にあふれている。
 旧活字で多少とっつきにくく感じるかもしれないが、日本キリスト教黎明期の息吹が感じられる一冊である。




武士道 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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新渡戸稲造の武士道は英文で書かれたものですが、この本では、左側に須知徳平の日本語訳、右側に原文が見開きになっており、比較が容易です。英語は文語が使われているため辞書なしでは読めません。日本語訳は著者が出典を触れていないものも訳注を加えた上で、和歌なら日本語の原文をそのまま載せるなどしており、丁寧な訳です。著者は、武士道は深遠な哲学に欠ける(よりどころとなる経典がない)と繰り返し述べられていますが、孟子・孔子・大学・中庸からの引用がもっとも多く、義・礼の思想をはじめとして、儒教の高い基盤があっての武士道であることがわかります。シェイクスピア、ギリシャ神話、聖書、エマーソン、ニーチェらと対照して、武士道がこれらのいずれにも劣らないレベルにあることが随所に書かれています(キリスト教徒の武士道と一部で言われているのはあたらないと思われます)。しかし、単なる儒教思想の拝借ではなく、それを超えた人の誇りが書かれており、特に、以下の金言は現代人に生きる勇気を与えてくれるものである。“真の武士にとっては、死に急ぎをしたり、死におもねたりすることは、卑怯なことだとされていた”“生が死より恐ろしい場合に、あえて生きることこそ、真の勇気である”“ひとたび心の中で死んだ者には、真田の槍も、為朝の矢も通らないものである。” 望むらくは、詳細な注解が欲しいところです。たとえば、孟子を例にとれば、孟子のどの部分からの引用であるかが書かれておらず、孟子の一章の中の一文だけを引用して読者に理解を求めており、孟子を読んだことのない読者にとっては、完全な理解は難しいと思われます。




善の研究 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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 端的に私が『善の研究』の西田に感じる問題点を列挙する。

1.宇宙をこの宇宙に限っていること
2.実在概念に物理学が相対化しきれていないこと
3.動物と人間との関係を軽視していること
4.人格の不完全性が解明されていないこと
5.対となるべき悪の研究が為されていないこと
6.意識に直接作用する存在は何であるかが言明されていないこと
7.歴史的宗教への言及が不十分であること

 量子力学もハッブルの法則も西田の生きた前世紀前半には既に既定の事実として理論化されていたから、宇宙をこの銀河系、太陽系、地球の属するこの宇宙に限っていることは、他方で物理的実在に言及する以上、ちょっと理解が浅すぎるのではないか、と思われる。
 全編に貫かれる意識主義によって、西田哲学の主眼は人間の意識主義に限定され、ともすれば動物蔑視の文言が散見されもし、人間が動物から進化したものである歴史を踏まえていない上で、また、現世を動植物と共有している世界を飛び越して、即宇宙と人間が繋がるという論理にもどこかに飛躍した欠陥があるだろう。
 それもこれも、出版社の要請に応じた講義録の寄せ集めによって成った本書の性格からすれば仕様がないことなのかもしれない。




吉野作造評論集 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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著者の説くところは、今日では常識的な話である。
中学や高校の教科書の内容と変わらない。

いわく、憲法というのは、
普通の法律に比して一段高い効力を付与せられていると。
いわく、その内容に、
人民権利の保障・三権分立主義・民選議員制度を含むと。
その運用は英米仏で少しずつ異なるが、根本は上記二点であると。
本当にそうであろうか?

吉野は「近代」とか「憲法というもの」の正解を
求めて上記にたどりついたのであろう。
アメリカやフランスなど理念先行の国では
お説のとおりだが、英国では事情が異なる。
英国の歴史を少々勉強すれば上記が誤りであることがわかる。
ものごとに「正解」はないのである。
コンスチチューションというものも、
それぞれの国情にあった「国のかたち」を、
苦しみつつ模索するほかない。

「正解」を性急に移植し、国情を無視したところに
大正デモクラシーの限界があり、
太平洋戦争にいたる方向が敷かれたと
本書を読んで、わたしは確信した。
そして現代の教科書は、こうした「正解」を
中高生徒に教え続けている。




遠野物語・山の人生 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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 皆さんは、遠野の自然が、どんなに美しいか、知っておられるだろうか?−−私が、初めて遠野を訪れたのは、1976年(昭和51年)の夏の事であった。夕方、誰も居ない五百羅漢を訪れ、それから、宿に向かふ野道を歩いた時、「日本にこんな場所が在るのか。」と思った事が、今も忘れられない。以来、私は、何度も遠野を訪れ、遠野の自然の美しさに、魅せられ続けて来た。
 遠野は美しい。特に、秋から冬にかけての遠野周辺の自然の素晴らしさは、言葉で表す事の出来無い物である。誰も居ない晩秋の山道で、風がごうごうと鳴り、その音の中で、落ち葉が踊り、頭上を雲が流れて行く光景を見ると、宮沢賢治が描いた岩手の風景が、創作ではなく、リアリズムであった事に気が付く。そして、そこで数多くの精霊に出会ったと言ふこの本(『遠野物語』)の伝説が、現実の事の様に実感されるのである。
 『遠野物語』を読んだ人は、是非、遠野を訪れて欲しい。−−秋から冬をお薦めする。−−そして、是非、遠野周辺の人気(ひとけ)の無い山を歩いて欲しい。そうしたら、山の木々が風に鳴る音の凄さと、その風に空を流れる雲の美しさに、言葉を忘れる筈である。そして、その誰も居ない山道で、『遠野物語』の伝説が、そこで起きた現実の出来事としか感じられなく成る筈である。

(西岡昌紀/内科医)




青年と学問 (岩波文庫 青 138-2)
販売元: 岩波書店

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