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和書 492116 (252)



ウィトゲンシュタイン (講談社選書メチエ (21))
販売元: 講談社

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ウィトゲンシュタイン 「私」は消去できるか (シリーズ・哲学のエッセンス)
販売元: 日本放送出版協会

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 我々が夢を見ているとき、通常はその夢は私の無意識がでっち上げたのだと考えられます。しかしでっち上げられているのは夢ではなく「夢を見ている私」のほうなのではないか。なぜなら夢を見ている間、「私」はどこにも存在していないから。「私」は夢から目覚めた瞬間からしか存在しない。つまり、目覚めた後の「私」が、今まで見ていた夢に「夢見ていた私」を貼り付ける、すなわち夢の外側に「私」を設定するのです。
 同じように、夢の対概念である「現実」の場合も、「世界より小さな私」を設定し、それを世界の内部に位置づけることで世界を「現実」化しているのかもしれない。
 つまり、「私」を世界の外側に設定することでその世界を夢たらしめ、「私」を世界の内側に設定することでその世界を現実たらしめているのではないか。夢と現実の区別なんてそんなものかもしれない。夢も現実も同じ「世界」であり、違っているのは「私」の位置づけだけだ。
 ヴィトゲンシュタインは、上記のような、夢でも現実でもない「世界そのもの」を言語化しようとします。それは同時に、現実と夢とに分化してしまう原因である「私」を消去することになります。そしてそのために「世界と寸分違わず一致する私」を言語化しようとします。なぜならこの一致こそが「私」と世界の一体化、つまり「私」の消去へとつながるからです。「私」が世界よりも1ミリでもはみ出れば夢の話に、1ミリでも小さくなれば現実の話になってしまう。そのぎりぎりのところを言語化しようとするのです。
これはまるで、無我の境地つまり「悟り」を言語化しようとしているようだと思いました。




ウィトゲンシュタイン―その生涯と思索
販売元: 国文社

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ウィトゲンシュタイン―天才哲学者の思い出 (平凡社ライブラリー (266))
販売元: 平凡社

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原書はかなりの高値なのに日本語版がこうも廉価で入手が容易、というのがすごい。ノーマン・マルコムによる回想とG.H.フォン・ライトによる短い伝記が一冊にまとまった本。ウィトゲンシュタインの評伝は後年いくつも出ており、特にRay Monkによる『The duty of genius』が決定版として有名ですが、本書には「愛情」や「哀惜」、そして「簡潔さ」という魅力があります。
ウィトゲンシュタインにはどうも人付き合いの上で普通の人間が持つ「枠組み」がなかったような印象です。近年はアスペルガー症候群説が有力のようですが、どうなんでしょう。個人的に、異常な才能の持ち主を指して「○○○症」やら呼ばわるのは、「創造性」なるものの根源的な神秘性が卑小化されるようでイヤ〜な感じがしますが。ともあれ、ウィトゲンシュタインという尋常ならざる人格の力の持ち主に枠組みなしに生々しくぶつかられて、ある人々は放射能に当てられたようになるらしい、ということが本書を通してよく分かります。本人邪気がなくて純だから恨みにならないのか。いや、しかしこう無礼で思いやりのない言動では中には恨んだ人間もいたはずだよなぁ、などと行間を読みながら想像してしまいます。
バートランド・ラッセルに勝るとも劣らぬスーパーおぼっちゃまで、義務教育レベルまでは大豪邸で家庭教師の教育を受けた人だということを考えると、もしかしたら「民主的」な公教育ルートの中からは決して出てこない人材かもしれない。そういう意味ではまさに世紀末のヨーロッパ上流階級の奇才というか。それにしても、ウィトゲンシュタインが何故こうも後世の非研究者をも魅了して止まないのか、人々はウィトゲンシュタインに何を投影しているのか、そちらの方が興味深くさえありますね。短くて読み易い一冊ですので、ぬるい興味の方にでもお薦め出来ます。




ウィトゲンシュタイン―知識の社会理論
販売元: 勁草書房

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著者デイビッド・ブルアは言わずと知れた科学・知識社会学の「ストロングプログラム」の提唱者。本書はやはりストロングプログラムの理論的バックボーンを論じたものと言ってよい。しかしながらウィトゲンシュタイン思想の解説書としても独自の構想を持っておりウィトゲンシュタインに関心のあるひとにはぜひ手にとってもらいたい本といえる。

もちろんウィトゲンシュタインの規則論の理解にかなり議論の余地を残していることは明らかであり、実際この解釈をめぐって科学社会学内部でマイケル・リンチらとブルアの間で論争が起きています。そういう細かい点での問題はあるものの、一冊の本としては実に読ませるエンターテイメント性のあるものだと太鼓判を押させてもらいます!

本書の科学論的主張の中核は、一見抽象世界に自律するかに見える数学も、その内実を支えるのは実に日常的な感覚であるということ、だから論理的必然というのは思ったほど自由度のないものではなく案外と解釈による可変性に開かれたものだということ、そしてさらには、その可変性ゆえに論理的筋道は文化的な方向付けを受けたりしうるということ、そしてそしてしまいには、そうした論理の文化性ゆえに数学もまた文化の変数でありうると結論すること!納得できるかどうかは本書を読みご自身で判断されたし。

日本語で読める「科学知識の社会学」関連本としてはA・ブラニガンの『科学的発見の現象学』(原題:『科学的発見の社会的基礎』)と並ぶヒット・快著だと思います。(メンデルの法則の再発見、長らく捏造と気付かれなかった「ピルトダウン人の骨」などなど魅惑的な分析に満ちたこのブラニガンの本は実に面白い。)




ウィトゲンシュタイン―言語の限界 (現代思想の冒険者たちSelect)
販売元: 講談社

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今や現代英米系哲学を志す人の必読書となった観のある「言語哲学大全」の著者、飯田隆先生のウイトゲンシュタインの入門書です。
いつものクールな感じとは違った著者に出会えます。もっとも、語り口はいつもどおりクレバーです。こんな入門書をもっと早く読んでおきたかったです。
ウイトゲンシュタインの哲学に出会ったときの衝撃、呪縛からどう脱出するかで、研究者の質が問われるような気がします。
ウイトゲンシュタインを礼讃して、翻訳しているだけで研究者としてやっていける時代もありましたが、現在ではもうそれは許されないでしょう。






ウィトゲンシュタイン〈1〉―天才の責務
販売元: みすず書房

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ウィトゲンシュタイン〈2〉―天才の責務
販売元: みすず書房

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ウィトゲンシュタイン以後
販売元: 東京大学出版会

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ウィトゲンシュタインからフロイトへ―哲学・神話・疑似科学
販売元: 国文社

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 現在コレージュ・ド・フランスの教授であるジャック・ブーヴレスの「ウィトゲンシュタインから見たフロイト」。大陸では珍しく分析哲学の立場に立つブーヴレスには、「哲学の自食症候群」「言うことと、何も言わないこと」そして「現代哲学の知」(旧題シャトレ哲学史)所収「論理実証主義の哲学」が邦訳としてあるが、パスモア「哲学の小さな学校」とともに独仏系統と米の文芸批評だけが哲学だと思っているローカルな日本の読者にとってショッキングな内容。ただ哲学プロパーには、ライルとメルローポンティのすれ違い、サールとデリダのすれ違い(「有限責任会社」所収)ともども、周知の話だが。ブーヴレスはラカン派の雑誌に書いていたが決別したと訳者解説にある。


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