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和書 492116 (297)



死後の真実
販売元: 日本教文社

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 あの世のことについて、佐藤愛子を読み、スエーデンボルイの訳の分からない翻訳を読んで本書に至った。
 本書がいちばんはっきりしている。
 体験したことがらがみな彼女の冷静で澄んだ知性で閲されていることがよくわかる、そういう文体で一貫しているからだ。
 あの世のことにせよ、空中浮遊にせよ、彼女の言うところに私たちの疑いを差しはさむべき余地などまったくない。
 しかし、世の中にはこういう本を読んでも、なおかつその言葉の真偽を疑う人が大勢いるのだろう。
 読者が一人前の知性をもって謙虚に読みさえすれば、あの世の実在をほかの何よりも明確に納得させてくれる、本書はそういうふうに書かれている本だと思うのだが。

 少し残念なのは翻訳。講演集ということで、親しみやすい表現になっているのはいいけれど、今時の話し言葉の稚拙さがそのまま出ている。
 たとえば、「患者さん」の連発が、安っぽさと偽善の臭いを立ち込めさせることに訳者が鈍なのは残念。
 原筆者の精神レベルを低めてしまう、それがどんな翻訳にもつきものの恐いところだが、今後の翻訳者の成長に期待したい。




エリック―1640日の青春 (知的生きかた文庫)
販売元: 三笠書房

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エリック・ホッファー自伝―構想された真実
販売元: 作品社

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江上剛の小説「統治崩壊」の最終近くの会話で引用されている章句に惹かれてこの本を手にした。「沖仲仕の哲学者」と称され、40代で刮目される本を数々発表していたことに衝撃を受ける。著者は15歳で突然視力が回復してから独学で絶え間なく読書し、諸分野の大学の教科書まで読み進んだという。己の中途半端なかつての大学時代に恥じ入るのみ。40歳までは季節労働者の仕事を中心に放浪生活をしていた過去を主にエッセイ風にまとめている。労働は生活の糧を得るため、自分の仕事は読書し思索することという生き様。俗物的視点から「掃き溜めに鶴」という語句を一瞬想起し、即反省。沖仲仕の安定的生活までに出会った印象的な人びととの関わりと学びが、爽やかに淡々と描写されている。最終章の「私はこれまでの人生で不満を抱いたことは一度もない。」という書き出しに、自伝記述の背骨を感じた。自伝に書き込まれた思索の滴をこの手からこぼれ落ちないようにしたい。死後発刊のこの自伝がエリック・ホッファーとの出会いの始まり。沖仲仕の生活から生み出された著作に遡ってみようという思いが強い。




エリック・ホッファーの人間とは何か
販売元: 河出書房新社

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本書は復刻で、以前は原書どおりの『初めのこと今のこと』という書名だったらしいが、実際に内容はふたつに分かれていて、前半が「初めのこと」=過去、後半が「今のこと」=執筆当時のアメリカの現在についての論考である。このうち前半では、遠く人類の発祥まで溯って人間の存在条件を考察している。そこで言わんとしていることは、すでに『アフォリズム集』などで散見できるものと変わらないが、歴史的な記述で読みやすく、何より発想がユニークなので、ついついホッファーの語りに惹き込まれてしまう。 一方、後半は今ひとつ論旨がつかみにくい。どこか記述が混乱しているように思える。とはいえ、読み応えは紛れもなくこちらのほうにある。というのも、文章の中に散りばめられているホッファーの独自の考察がまるでアフォリズムのように読み手を立ち止まらせるからだ。たとえば「社会の安定にとっては、貧困よりも豊かさのほうが大いなる脅威である」という鋭い洞察。あるいは「社会の安定は力強い多数派と暴力的な少数派との間のバランスの産物である」という甘さのないリアリズム。 本書はものを考えるヒントを与えてくれている。




ユリイカ―詩と批評 (第34巻第14号)
販売元: 青土社

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エリーザベト・ニーチェ―ニーチェをナチに売り渡した女
販売元: 白水社

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ドイツの大哲学者ニーチェの実の妹エリーザベト・ニーチェは、反ユダヤ主義リーダーのベルンハルト・フェルスターと恋をし、兄の反対にも屈せず結婚し、ともにパラグアイに植民して「新ゲルマニア」を創設しました。さらにこの事業の失敗のために夫が自殺すると、ドイツに戻り、すでに発狂していたニーチェの思想を自分勝手に歪曲しながら各界に宣伝し、ナチス隆盛時にはニーチェの超人思想と夫のフェルスターの反ユダヤ思想をごちゃごちゃに混ぜた状態でヒトラーに売り渡してナチスの上っ面だけの哲学的中核として位置づけてしまうというとんでもないことをしやがった人物です。
フェルスターからのエリーザベトへのラブレターや、「新ゲルマニア」への著者の現地取材などもあって、内容はなかなか充実していて面白いと思います。何だかテレビドラマを見ているかのようでした。




エリートの反逆―現代民主主義の病い
販売元: 新曜社

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ニッポンはアメリカの後を歩く、いや走っているのである。これは何もブッシュの飼い犬ポチと言われた小泉およびそれを継承する現政権のことだけをもって言うのではない。それは広く文化全般、イデオロギー全般に関わることである。
名著中の名著、クリストファー・ラッシュの『ナルシシズムの時代』(ナツメ社、原題は『ナルシシズムの文化』)が訳出刊行された80年代、日本はバブルに突入し、このアメリカイデオロギー分析の通りに腐敗し、今日に至るのである。この国はラッシュの著作を追う様に時代を辿っていくと言うべきか。ラッシュの遺書『エリートの反逆』で説かれているところは、そのほとんど全てが現在の日本国の分析かと見紛う。
いやそれには根拠があるのだ。
グローバル化、またウェブ進化、ネット社会などと言う「新現実」とやらをでっち上げ、政治的言説の可否を問うことは無く、現実を絶対肯定するエリートなる輩たち。それはほとんど反知性主義とも言うべき浅はかさだ。「現実」の意味を曲解し、それに群がるマスメディアはひたすらおこぼれにあずかろうとしているのだ。
あらゆる学問は商売人の道具、手段に成り下がった。その急先鋒が経済学だ。法律学も根源的な哲学議論を回避する。ラッシュの極々当たり前の言述が、何か賢人の稀なる言葉に見えてくるではないか?
誠に現代はグローバルなナルシシズム・シンドロームに病んだ世界なのである。




気管支喘息 (LS Practiceシリーズ)
販売元: ライフ・サイエンス

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変形性関節症 (LS Practiceシリーズ)
販売元: ライフ・サイエンス

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エロイーズとアベラール―ものではなく言葉を (叢書・ウニベルシタス)
販売元: 法政大学出版局

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