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和書 492116 (332)



哲学のすすめ (学問のすすめ 8)
販売元: 筑摩書房

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学問のすすめ (角川文庫 白 271-1)
販売元: 角川書店

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これは哲学者であり日本の古代史に新しい視点で臨み、従来の固定観念を打ち破った梅原猛という学者の自伝である。梅原猛は一般に権力に擦り寄ることで、自らを権力の司祭に仕立てるのに成功した、やり手の学者だと考えられているが、この強烈な思想の骨を持っている学者の前では、中曽根のような狡猾な政治家でも手玉に取られて、子ども扱いにされてしまうことが行間から伝わって来る。そうであるがゆえに藤原不比等という天才的な政治家の意図を読みぬいたり、柿本人麻呂の隠された人生を解明することが出来たのだろう。その背後には梅原という学者の思想が頑強であり、燃え滾る情熱と沈着な理性があったからで、そのことを著者は「偉大な人間は、一面において、熱い情熱の人であるが、一面において、冷たい理性の人でなくてはならない」と書いており、それは著者自身の生き様のことに他ならない。梅原古代史の面白さは古代民族との一体感にあり、それが独特の民族感情を掻き立てるために、国家主義が復活する時代性と結びつき、人気を高めていることは間違いない。だから縄文文化を高らかに謳歌しているのだし、縄文人をアイヌ人と結び付けたりしているが、縄文人の時代にすでに青銅器文明を発達させていた、シベリアの金属文明にまで目配りして、更に大きな枠組みで古代文明を論じられなかったところに、著者の持つ限界を感じて惜しいことだと思った。しかし、学者の自伝として読めば、五つ星の価値を持つ本であることは確実である。




学問のすすめ―現代語訳 (現代教養文庫 935)
販売元: 社会思想社

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福澤の文章は読んでいてリズムもよく小気味よいものなので、それが味わえないのは残念ではあるが、現代語訳なのでさすがに読みやすい。ただし、今(2006年)から見ても、三十年ほど前の訳業なので、「読みにくい」と思われる部分もある。文庫本という体裁上(もともとは現代教養文庫に収められていたものを復刊したもの)、語注は少なく、学術的な注は皆無である(その点については、最初旺文社文庫、現在は講談社学術文庫に収められている訳者の丁寧な校注本に当たる必要がある)。
また、現代語訳としては三笠書房で出版された檜谷昭彦のものもあるが、福澤研究者だった伊藤正雄の本書の方が信頼性が高い(原著は檜谷訳が1983年、伊藤訳が1977年)。とりわけ、解説についてはその差が大きく、参考文献まで付記された本書は非常に有用である。

書誌に関しては以上にして、内容について述べることにする。
散見される進歩史観はそのまま適用できるものではないし、「政府批判は言論をもってすべきで、暴力によってはいけない」という主張は、あまりにも穏当すぎると批判されるかも知れない。
しかし、それらを補ってあまりある、鋭い文章が随所に見られる。例えば、十一編において、名分論を否定した後で、職分まで否定してはならないと述べ、「兵隊が政治を議論して、勝手に戦争をはじめたり、文官が武力に押されて、軍人の命令に従ったりするようなことがあれば、それこそ国家の秩序は保てまい」と、その後の日本を予期するかのような一文がある。また、十五編「事物を疑って取捨を断ずる事」では、過度の西洋崇拝(とその裏返しの日本蔑視)が、理に基づくのではなく、現実の強者であるという事実に拠ったファッションに過ぎないことを見抜き、善し悪しを見極めて正しいものを選択すべきであると説く。
大正から昭和初期にかけて、自由主義が十分に咀嚼されぬまま、欧米の流行を取り入れることで、マルクス主義、ファシズムによって押しつぶされた日本の歴史を思うとき、実に鋭い分析だったことがわかるだろう。しかもこれは、過去の問題ではない。80年代以降の、ニュー・アカとポスト=モダンの流行、フランス思想に踊らされた浮薄なニーチェ解釈など現在も大して変わっていないのだ。

こうした根本的な批判と分析が福澤に存在したということを誇りに思う反面、それが実を結ばなかったことに暗澹たる思いとなる。

本書を読み終えたら、次は丸山眞男の『「文明論之概略」を読む』』片手に、『文明論之概略』にチャレンジしてみるのもいいだろう。

文明論之概略』に比べると物足りない点があるので、星四つとした。




学問のすすめ
販売元: 佼成出版社

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学問と情熱 第1巻 南方熊楠[ビデオ]
販売元: 紀伊國屋書店

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ガリレオをめぐって (叢書・ウニベルシタス)
販売元: 法政大学出版局

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20世紀の生んだ最も偉大な精神の一人、オルテガ・イ・ガセットの講演録。オルテガは人間の危機を「既存の世界観(確信の体系)から新しい世界観へ移行する間に発生する、どのような信念にも立脚することのできない混乱という生の一形式」であると定義する。こうした危機の時代こそ(ヨーロッパの)古代・中世・近代・現代を画する期間であると。そして、現在人間が陥っている状況も、近代精神という信仰の喪失された危機の時代であり、危機とはなぜ起こり、どのように推移し、いかなる終局を迎えるか、を過去に遡ってじっくりと検討することこそ、混乱の時代に生きるわれわれにとって不可欠なことであると説く。本書は「オルテガがいちばん油の乗り切った時期に書かれた作品」であり(解説より)、オルテガが過去の歴史的危機の本質を解き明かすに当たって用いる視点には、オルテガの生の哲学の全ての力が結集されている。

オルテガというとまず知られているのは『大衆の反逆』であり、『大衆の反逆』も間違いなく秀逸な論考だが、しかしオルテガ哲学のほんの序の口に過ぎない。この『ガリレオをめぐって』や『人と人びと』はそれを凌ぐ作品であり、オルテガの名が現在ほとんど知られていないこと、「知識人」や「文化人」の口にのぼることなど全くと言っていいほどないこと、その著作の翻訳物のほとんどが絶版になっていること、などは改めて現代の出版界に対して暗澹たる思いを起こさせるに十分過ぎるほどである。

凡俗の書が数千冊束になっても相手にならない、真の大作である。ご照覧あれ。




ガンジー (センチュリーブックス 人と思想 28)
販売元: 清水書院

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ガンジー (世界伝記文庫 27)
販売元: 国土社

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ガンジー自伝 (中公文庫 M 204)
販売元: 中央公論新社

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この本では、ガンジーの考える「非暴力」は、単なる「暴力反対」ではなく合理的で精密な理論であることや、彼の不屈の精神の拠り所が何であるのかを、知ることができる一冊です。
「事実」とまで感じられていた深い信仰にも関わらず、生の人間として苦悩するガンジーの告白は、読む私自身の可能性にも語りかけているように思われました。




怪異の民俗学〈6〉幽霊
販売元: 河出書房新社

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わが国の民俗学の一端を知ることができる、本格的な論文集。「幽霊」という、いわばキワモノ的な分野に焦点をあてて編んだ書物は過去にもなく、そういう意味では本書の意義は大きい。しかし大部でありながら、何かが足りないという読後感が出るのはなぜであろう。幽霊という捉えどころがなく、謎の多い題材を扱うには、まだまだ進歩と探求の余地が大きいのかもしれない。


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