和書 492132 (301)
起請文の精神史-中世の神仏世界 (講談社選書メチエ)
販売元： 講談社
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「起請」というのは、落語の世界から入って知りました。まじめな歴史好きの読者のために少しだけ書いておくと、花魁がこれぞと決めた男に年季が明けたら夫婦になることを誓うというもので、もしこれを破ると、熊野でからすが３羽死ぬ･･･といった話がいくつかの廓噺に出てくる。
そんなこともあって、この本をとってみたが、唖然、呆然ですね。
中世日本の精神世界が、落語のお笑いの部分にしか残っていないような「起請」にこめられていたとは驚きであります。
なぜ天照大神に誓いを立ててはならないのか。私は、「熊野でからすが３羽死ぬ」から、誓いの対象は天照大神かと思っていたが違ったのですね。
このほかに、神と仏はどちらが上位かを論じ、神仏習合から新仏教まで、中世日本人の精神世界を論じきっている。
落語も、こうしたまじめな精神世界の勉強の役に立つのですね。
筆者には、動機が不純と怒られそうですが。
岸和田だんじり祭 だんじり若頭日記
販売元： 晶文社
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著者は岸和田だんじり祭で若頭筆頭を務めた本当の当事者である。
３章立てで、１章はだんじり祭を当事者の視点で表現した書き下ろし。２章がブログでの連載を編集した日記で、３章は筆者の投稿記事がまとめられている。
２章の日記では祭礼に向けての準備や会合などの日常を日記として書かれているが、岸和田旧市のだんじりがどのうような性質の祭礼であるかとか、だんじりを通して培った哲学などが、ところどころにちりばめられている。
岸和田だんじり祭の特徴は、なんと言っても「だんじりの遣り回し」であるが、曲がるように造られていないだんじりをいわば「無理やり」回すために、何十人が各々の役割を瞬間瞬間毎に全うするからこそできる神業とも言える。
「瞬間毎に全うする」と書いてしまうのは簡単だが、それができるための条件も並大抵のことではない。
何しろ「瞬間」である。他の役割がどうなっているかなど周囲を確認している暇なんかない。
一人一人が瞬時に自分の置かれている状況を判断し、できることを全力でやる。
そのためには自分の役割を熟知することは勿論、周囲を完全に信頼していなければできない。
全員がその瞬間に自分ができる全力を尽くせる信頼感が基礎としてあるからこそ、曲がらないはずのだんじりを遣り回せるように思える。
命がけの状況での信頼感は、地域の交流などというありきたりな言葉では表現できない密度の濃い繋がりでなければ醸成されないだろうけれど、岸和田旧市に連綿と続く町内の繋がりがそれを可能にしているのだろう。
集団で何かに没頭して、満足の行く結果を出した経験がある人なら、どこかで共鳴する体験が思い起こせるはず。
そこには組織のあるべき理想的な姿があるように思える。
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木地師・光と影―もう一つの森の文化
販売元： 牧野出版
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木地屋集落―系譜と変遷
販売元： 古今書院
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鬼女伝承とその民俗―ひとつ家物語の世界
販売元： 雄山閣出版
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鬼女紅葉伝説考―イデアもどきの海へ
販売元： オフィス・エム
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奇跡を呼んだ猫たちのおとぎ話
販売元： 草思社
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世界中の猫が主人公の童話、お伽噺を集めた本である。
「長靴をはいた猫」もいくつかのバージョンを紹介してあり､その違いも非常に興味深い。
国や時代によって様々な形で語られる猫は､その瞳同様に神秘的な魅力に溢れている。
今も昔も猫は身近でありながら不思議なイメージがするのは同じなんだなと思わせてくれる内容である。
また、このようなアンソロジー物では珍しく､日本の話しもしっかり紹介してあるところは、嬉しく思えた。
自分でこれだけの話しを探し出すのは大変なので､読む価値はあると思う。
総合的に言えば、似た様な話しが連なったりしてて楽しめる反面、独創性には欠けるので星は３つ。
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季節―日本の風土を伝えることわざ (ことばの民俗学)
販売元： 創拓社
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季節の神々 (考古民俗叢書)
販売元： 慶友社
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北からの日本史〈第2集〉弘前シンポジウム
販売元： 三省堂
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