和書 492148 (132)
新しい中世―相互依存深まる世界システム (日経ビジネス人文庫)
販売元: 日本経済新聞社
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本書は世界政治を解釈する上での「観方」を提示するものである。その「観方」は「新中世圏」「近代圏」そして「混沌圏」の3つである。それぞれの圏域は、自由民主主義体制と自由主義経済の成熟度によって区別される。日本はもちろん「新中世圏」に属している。本書の題名である「新しい中世」という議論は、冷戦期に「英国学派」のH・ブルが主張した未来への展望の1つである。著者はそれを冷戦後(96年)の世界にあてはめ、そして世界の3つの圏域が「新しい中世」(主体の曖昧性・普遍的イデオロギー)の方向に進んでいると主張する。
本書の提示したものは、あくまで「観方」の「仮説」なのだろう。そのため、こうした「観方」が果して適切なのかどうかより詳細に「実証」していく必要はある。加えて別のレビューアーの方も指摘しているが、圏域を区別する独立変数の不確かさ(分かり易いのは利点と言えるが)や、ナショナリズムを楽観視する姿勢には少し疑問(カナダのケベック州問題・他の先進諸国におけるナショナリズムの相対的高揚)を覚える。尤も後者は、これだけ大きな議論を行えば、どうしても出て来ざるを得ない些細な指摘といえるのかもしれない。
しかし上記を差し引いても、冷戦の終結直後にこうした国際政治の「観方」を提示したことは、極めて価値があるように思われる。文章自体は平易で理解しやすいものとなっているので、全てを読んでも大して時間はかからなかった。本書の第7章と第8章だけでも読んで貰えれば、おそらく著者の主張の骨子は分かると思う。時間が無い方でもせめてそこだけは読んだ欲しいと思う一冊である。
新しい「中世」―21世紀の世界システム
販売元: 日本経済新聞社
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今日から見るとさすがにやや古くなった点もあるが、冷戦終結・ソ連崩壊の間もない時点に書かれた文明史・国際関係論の名著。文句なしに読みやすく、論旨も明晰である。
国際関係のみならず人類の文明史において重大な時期である20世紀末の性質を明らかにしようと、伝統的な国際関係論、政治学、経済学のみならず、ウォーラーステインの世界システム論などを縦横無尽に踏まえていく。そしてその中に日本を位置づけ、いかに国家的戦略を進めていくか提示する。
壮大なテーマではあるが、文章は読みやすい。出版後10年を経て、世界及び日本の進んできた道はこれでよかったのかと、考えさせられる点は多い。
新しい日米同盟―親米ナショナリズムへの戦略 (PHP新書)
販売元: PHP研究所
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日本はアメリカと安保条約を結んでいる。これは同盟関係であってアメリカが日本を保護しているわけではない。しかし、現実はどうだろうか?
この同盟関係については問題が2つある。
1つは日本が独立した国家として立ち上がっていないこと、もう1つはアメリカという国の特色。
この本は戦後のアメリカによる占領政策から日本がどうしてそのような足腰の立たない国になったのか。そしてアメリカという国がかくもああなのかをアメリカの歴史を交えながら分かりやすく解説している。
米中枢同時テロ発生前に書かれた本だが、その後のアメリカの行動を考えるとうなづかされることうけあいの良書。
新しい日米・日中を考える (岩波ブックレット)
販売元: 岩波書店
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新しい日中関係への提言―環境・新人文主義・共生
販売元: はる書房
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新しい「日本のかたち」―外交・内政・文明戦略
販売元: 藤原書店
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新しい東アジアが見えてくる
販売元: 春風社
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新しい平和構築論―紛争予防から復興支援まで
販売元: 明石書店
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新しい民族問題 (中公新書)
販売元: 中央公論社
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内容的には確かに古いがそもそもEC形成において懸念される移民、難民、外国人などに関する問題点が詳細に述べられている。また当時のソ連崩壊、東欧の「西」への姿勢にも言及されていて、内容はヨーロッパ全土に渡っている。具体例に関してはフランスの内容が多く見られ分かりやすい。文章構成も問題点1,2,3,・・・といったまとまりある文章で読みやすいし自分でもまとめやすい。
新しいヨーロッパ古いアメリカ
販売元: 岩波書店
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新聞やテレビのニュースだけではうかがい知れない複雑な世界情勢を、分かりやすい言葉で理解することができる。統合せんとするヨーロッパ、バルカン情勢、中東情勢。そして世界戦略を常に自らの手で描かずにすまないアメリカの戦略。
各国のリーダーたちがどういう背景を持っているのか。そこから分析される彼らの思惑、意図。鋭い分析が、現在進行している、あるいはこれから行われるであろうことをはっきりと記してくれる。
著者は歴史に詳しい。そのことが将来への分析、複雑に見える情勢をもシンプルな形で読者に提示してくれる。読みながらどうすれば中東に平和がもたらされるのか、アメリカの政治システムの欠陥などが良く分かる。藤村氏の著書を時々読んで、これまでの道筋とこれから行く道を自分なりに整理してはどうだろうか。