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和書 492182 (87)



ダムと日本 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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長野県の田中康夫知事が「脱・ダム宣言」を出して議論をよんだのは記憶に新しい。欧米先進国ではすでにダム開発に終わりを告げた。アメリカではダムの撤去すら行われている。一方、日本でもダムによる治水から少しずつではあるが転換しつつある。このような変化は、本書の著者である天野礼子氏の力によるところが大きい。彼女は日本の河川行政を批判し、方針を転換させようと長良川河口堰問題をベースに活動してきた。本書で彼女は自身の活動を紹介しているが、それを読むと、著者の奮闘ぶりと熱意が伝わってくる。本書はまさに天野さんの自伝ともいえるものである。川辺川ダムや諌早湾干拓の問題がマスコミにも大きく取り上げられている。このような状況の中、ダムや川の問題について考えたい、そう思ったときはぜひ本書を手にとって欲しい。




チェルノブイリ―アメリカ人医師の体験〈上〉 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 この本は、チェルノブイリ原発事故(1986年4月26日)の直後、自ら進んで、ソ連での被爆者医療に関わったアメリカの医師、ロバート・ゲイル博士が、当時の体験を回顧した、貴重な回想の一書である。ゲイル博士は、1945年、広島と長崎に原爆が投下された年に生まれた。そして、ニューヨークで育った後、一度は、原子核物理学者への道を志すが、医学の道に進み、白血病をはじめとする血液疾患治療の第一人者と成った医師である。ゲイル博士は、骨髄移植の第一人者であった為に、チェルノブイリ原発事故の際、現地で、被曝した人々の治療に従事したが、その際、以前から知己の有ったアーマンド・ハマー氏の協力を得てソ連に向かふ。こうした経緯から、ゲイル博士は、結果的に、チェルノブイリ原発事故での医療活動を通じて、米ソ関係の裏側をも垣間見ると言ふ、稀有な体験をする事と成った。更には、ソ連とイスラエルの関係改善の切っ掛けを作る事にも、結果的に、一役買ふのであるが、そうした事からも、この本は、現代史の貴重な証言の書と成って居る。しかし、この本を読んで、何よりも打たれることは、矢張り、ゲイル博士の医師としての真摯な情熱と、その深い教養に裏打ちされた、内省の言葉の数々である。--その上巻は、核兵器と原子力発電の歴史の回顧に始まり、チェルノブイリ原発事故が起きた際、自身がニュースを聞いて、被爆した人々の治療に役立ちたいと思った事の回想から、以前から知己の有ったハマー氏を通じて、ソ連に行く事と成った経緯、それから、ソ連に向かい、現地で、ソ連の医師と被爆した患者に出会った際の事柄などの回想へと進む。そして、ゴルバチョフ書記長(当時)との会見の回想なども語られるが、何と言っても、チェルノブイリ原発事故直後の被爆者の状況とそれらの被爆者の医療に当たるソ連の医師たちの様子、それに参加したゲイル博士自身の体験等の記述は、当事者であり、そして、放射線障害の治療の第一人者であるゲイル博士の回想であるだけに、生々しく、貴重極まり無い物である。又、この上巻の冒頭には、ゲイル博士が、日本語版の為に、特に書いた序文が有る。その中で、ゲイル博士は、こう書いて居る。--「なにはともあれ、私たちが決して忘れてはならないことは、1945年の終戦直前になにが起きたかということだ。私は、広島の原爆慰霊碑の写真を手にして、原子力、原子力にまつわる事故、そして核戦争について講演することがよくある。その慰霊碑には、『安らかに眠って下さい。過ちは繰返しませぬから』と刻まれている。そうした世界の実現こそ、私たち人類のすべてが望み、そして祈っていることなのだ。」--本書を全ての日本人に推薦する。

(西岡昌紀・内科医/広島に原爆が投下された日から60年目の日に)




チェルノブイリ―アメリカ人医師の体験〈下〉 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 チェルノブイリ原発事故の際、被爆した人々の治療を行なったアメリカの医師、ロバート・ゲイル博士の回想の後半である。--この下巻では、ゲイル博士が自身の人生を回顧する事から始まり、続いて、ソ連での医療活動の後、ワシントンで、当時のシュルツ国務長官に会った事、再び訪れたソ連で、患者の一人、バルシニャンの死を知り、その解剖に立ち会った事など、が語られて行く。そして、更には、ソ連からのユダヤ人出国問題などに関わりを持つ事に成った事までをも語りながら、自分は、医者として何が出来たのか?人類は、原子力発電をどうするべきなのか?と言った問題にまで、著者の回想と思索は及んで行く。--ゲイル博士は、原子力発電その物は否定しない。だが、「核廃棄物についての問題が解決されるまで、原子力発電所の建設は以後中止すべきである。」(187ページ)と述べ、原子力発電の更なる推進には、反対する。こうした立場を取るゲイル博士であるが、チェルノブイリ事故直後に、自身がソ連で行なった医療活動を省みて、「医者として何ができたのか?」と自問する博士の態度は、真摯であり、哲学的ですらある。--「宗教的」と呼びたく成る程、その自問の姿勢は深い。--この本は、様々な視点から読む事が可能である。チェルノブイリ原発事故(1986年)と言ふ、20世紀の歴史の一大事件を当事者の一人が回想した記録である事は勿論であるが、一人の医師が、自身の人生の一部を思ひ起こす為に書いた本として読む事も、チェルノブイリ原発事故の陰で同時進行して居た、米ソ関係の一断面に関する資料として読む事も、或いは、災害医療についての一つの教訓として読む事も可能である。そうした様々な視点から読まれる事が可能なこの本が、広島と長崎の体験の風化に直面する我が国において、永く読まれ、更なる読者を得る事を、私は願ふ。

(西岡昌紀・内科医/広島に原爆が投下された日から60年目の日に)




チェルノブイリ報告 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 素晴らしい本である。この本は、パレスチナ問題に関する著書などで知られたフォトジャーナリストの広河隆一氏が、チェルノブイリ原発事故後の現地を訪れ、出会った人々の肉声と、現地で撮影した写真をまとめた、価値有る一書である。この本を読んで痛感させられる事は、チェルノブイリ原発事故も、広島と長崎の原爆と同様、つまる処、個人の人生の集積であると言ふ事である。広島の被爆者の体験が一人一人の体験であり、一人一人の人生と不可分であるのと同様、チェルノブイリ原発事故も、一人一人の人生と不可分の出来事であった事を、この本は教えてくれる。広河氏のこの本には、そうした視点が有る。その事を忘れて、「環境問題」を語る事も、戦争と歴史を語る事も、共に空しい事を、私は、この本から、教えられた。地球上最大の環境問題である放射能汚染について考える為に、そして、広島と長崎で起きた事の意味をより深く考える為に、この本が、永く読み継がれる事を願ふ。

(西岡昌紀・内科医/広島に原爆が投下されて60年目の日に)




地球温暖化を防ぐ―20世紀型経済システムの転換 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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著者の明快な指摘が好きで購入したが、あいかわらず鋭い指摘が多く、刺激的
で面白かったです。
これからの日本はどうあるべきかについて考えさせられた。




地球環境報告 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 環境問題の重要性が叫ばれてから既に久しく、最近では温暖化の問題なども世間の耳目を集めているのですが、問題の所在に対する一般の理解はまだまだ甘いのではないかと思います。恥ずかしながら小生自信も、「環境」といえば「公害」を連想し、有毒物質の排出規制や絶滅寸前の種の保護といった事柄だけを思い浮かべるといった具合でした。
 本書は、そうした表層的な問題設定を超えて、世界中の様々な環境危機の事例を紹介しつつ、十分なデータを添えながら、環境問題の全体像と問題の所在の本質とを極めて分かり易く示してくれているように思います。すなわち、人口爆発と無謀な農業開発による森林破壊や土壌浸食、生態破壊による自然災害激化の構図、有害物質による地球的規模の汚染、そしてそれらの問題の根底にある貧富の格差や先進国による公害輸出などなど、この地球上における人類の営みが、自然環境に対して如何に無理を強いているかが一目瞭然に語られています。まるで人類は地球にとってのガン細胞なのではないかと思えてしまうほど、人の営みと環境破壊が密接に関わっていることが分かります。
 読んでいて暗澹たる気持ちを禁じえませんでしたが、「あとがき」の部分にはほんの僅かながら希望の兆しが示されていました。子供や子孫たちのためにも、環境問題をきちんと勉強しなければいけないと思いました。




地球環境報告〈2〉 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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森林が消えています。サンゴ礁が死滅しようとしています。このような環境の急激な変化は、当然生態系を壊します。温暖化も進んでいます。理論的には、21世紀中に二酸化炭素の総排出量を60%減らさないと地球環境は深刻な事態に陥るそうですが、現在のところそもそも減らすことができるかどうかさえ定かではありません。

本書ではなぜか原発の危険性に触れていませんので、これについて記させてください。放射性廃棄物は別にしても、原発は決して自然に優しくありません。核の生み出すエネルギーが膨大すぎて、人為的にコントロールできないのです。そのため、生み出される熱エネルギーのうち実際に発電のために使われているのはおよそ1/3で、残りの2/3は海水を使って冷却されます。原発が海岸沿いにばかりつくられるのはこのためです。ですから、原発が温室効果のある二酸化炭素を排出しないというは本当ですが、その代わりに直接海水温度を上昇させます。ーー首都圏での電力不足がマスコミを賑わせています。この35年で電気の消費量は8倍になり、原発が現在の電力に占める割合はその4割とも言われていますが、もし省エネだけでこの夏を乗り切れるとしたら、実質的に私たちは原発なしでもやっていけると証明したことになります。原発に限らず、その気になれば、私たちはもう少し自然と仲良くつきあっていけるのではないか?

いたずらに危機意識をあおるのは私の趣味ではありませんが、著者の言葉をまねて言えば、タイタニック地球号の乗客からも、眼をそむけない読者には、氷山の姿が見えてきます。




地球環境問題とは何か (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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本書は、地球環境問題、特に地球温暖化問題、を自然科学と現代社会の中間にある、政治的性格をふんだんに含んだ領域として捉えています。筆者によると、地球環境問題が1990年代以降政治的問題として浮上した理由は、自然科学研究の内在的な発展ではなく、外からの要因、つまり政治的要因からであると論じています。具体的には、冷戦下の世界政治の興味は軍縮であったが、冷戦終了後に地球規模の脅威は環境であると認識されるようになったと述べています。また、地球温暖化問題は他の環境問題と異なり、観測研究の段階で不安定な要因を多く含んでいることを承知で、政治的決定を行っていく必要があると述べ、解決策として政策形成論のより一層の研究が進むべきであると述べています。私個人にとって新しかったことは、1988年が地球環境問題にとってのターニングポイントであるという指摘です。その年に、1992年の地球サミットのための枠組み転換が行われ、それ以後環境問題で覇権を握ろうとする国が出てきたということです。本書は、地球環境問題の構造を原点に立ち戻って解き明かしている良書だと思います。




地球持続の技術 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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まずはぜひ読んでもらいたい!
1999年が初版であるが、今こそ読むべき本である。というか、初版当時に読んでいれば、この8年近くの間、もっと違う行動ができたかもしれない。世の中で「環境問題」とか「地球温暖化」と言うけれど、これに対して我々が何が出来るのか、何をする必要があるのかについては、断片的であったり、結論的(するべきことのみが決まっている)であったりして、その行動が何をどう改善しているのか(改善する可能性があるのか)については、一般的にはあまり具体的に語られていないように思う(ゴミの捨て方だって、きちんと分別しているようで、実際にはどのあとの処理についてのきちんとした知識は無いのだ)。そういった点をこの本は細かく丁寧に解説し、何をすることが何を改善してゆくことになるのかを示してくれている。
きちんとした理解無しに、いわゆる「環境的な行動」をとることは逆に環境悪化に繋がる可能性もあるのだということを示しつつ、独りよがりにならず、皆が知恵を出し合って現状についての理解やとるべき行動についての情報共有や議論を進めることが重要であると語る本書は、地球のことを考える第一歩として読むべきものであると思う。小学生とかにきちんと読ませたい。いや、本当に勉強になりました。




地球の水が危ない (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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世界の水の実情を具体的事例を紹介しながら理解できる内容です。
はじめは人口増から起こる水需要の高まり。貧困から生じる十分な水の恩恵を受けられない多くの人々の存在や食料不足から生じる農業用水確保。など世界が抱える水問題の現状が紹介されています。
次に、水問題に起因した実例を紹介しています。
例えば、中国の水需要はこの25年間で20倍以上に増加し、中国北部では地下水くみ上げにより、年1〜1.5mもの地下水低下を生じている。黄河では河川の水が下流まで到達しない断流がしばしば発生し、97年には年間200日以上、断流があった。
バングラデシュやインドでは井戸掘り合戦により年々井戸が深くなり、深い地下水層に潜むヒ素に出会い、深刻な問題になっている。
ヨルダン川が流れ込む死海は、地中海面下400mで、水面はなおも毎年1m近く低下中。
続いて、国際河川という流域が何カ国にも及ぶ大河川の水利用における事例を紹介しています。国際河川にダムを造ることによる問題。ユーフラテス川、ナイル川、コロラド川などの事例でわかりやすいです。
その後は世界の水と日本人について。確かに今でも高騰するガソリンより高価なミネラルウォーターを私たちは文句を言わずに買っています。確かに身近な話題です。
最後の方は、上記の流れを受けた世界的な動きについてを報告しています。世界の目が水問題を意識し、世界水フォーラム開催へ向けた経緯などが紹介されています。また、水に恵まれている我が国の河川法改正の流れやその評価なども紹介されています。最後のあたりでは著者が我が国の河川行政に深く関わってきた思いが強く述べられています。
水問題に興味がある方は必読の1冊だと思います。


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