戻る

前ページ   次ページ

和書 492240 (240)



第三帝国と音楽家たち―歪められた音楽 (叢書・20世紀の芸術と文学)
販売元: アルファベータ

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

ナチ支配下のドイツにあって、音楽を生業とする人々がどう生き、どう死んでいったか、という作品。手探りでしばらく読んでいくと、本書が列伝の形式をとっており、有名・無名の音楽家が順々に採り上げられ、ナチスドイツとの関係を評価されていく構成であることがわかる。もちろん、フルトヴェングラーのように、全巻を覆うように語られる重要人物もいる。読みにくい本ではないが、1ヶ月近くをかけ、苦労して読んだ。

ナチ支配の下では、何もかもが徹底して行われたように私は思っていたが、実はかなり杜撰で、その政策は必ずしも成功していなかった、とくに文化政策ではむしろ失敗が多かったというのは、私にとっては意外であった。しかし、ナチの暴政によって数多の才能が摘まれ、歪められ、貶められたという事実は、まことにおぞましいばかりである。その一方で、権力を利用してうまく立ち回った人々もいたという、これもまた苦い事実である。

ナチのような強力な独裁政権の下にあって、個人的抵抗は無理であったろう。戦後批判された音楽家について、私は無慈悲に糾弾しようとは思わない。個人が国家を相手にして、いったい何ほどのことができるだろうか。カラヤンをナチだとして否定する人が、シュヴァルツコップやフルトヴェングラーには心酔していたりするのが、今の音楽ジャーナリズムであり、多くの音楽愛好家の有り様なのである。それよりも、このような暴戻を再び繰り返さない努力こそが、唯一その犠牲者たちへの手向けの花になるのだと私は考える。




ヴァイオリンの巨匠たち (叢書・20世紀の芸術と文学)
販売元: アルファベータ

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

古今のヴァイオリニストを、列伝風に記した作品である。序章でいきなり、何人かの人気ヴァイオリニストが痛烈に批判されており、これは何たる本かと期待とともに心配もしたが、それは杞憂であった。膨大な経験と教養とに裏打ちされた大変な労作ではあるものの、残念ながら私には不満の残る内容である。

著者は各演奏家の評価を、主として実演経験とライヴ録音とによって行っている。セッション録音は最低限しか参照されていない。私の疑問は、果たしてそれだけで評価が可能なのか、ということである。一度や二度の実演経験で、演奏家に評価を下してよいものか?また、概して条件の悪いライヴ録音で、演奏家に評価を下してよいものか?とりわけ古いライヴ録音では、大いに無理があるとしか思えない。数少ない、しかも不完全な経験と記録とを基に、ある演奏家の芸術の是非を規定してしまうことに、私は評論としての危うさを感じる。

また、あとがきでも述べられているように、この作品は十分な推敲を経て出版されたのではない。文章は比較的紋切り型の修辞句で飾られており、これらを続けて読む読者には感興が湧きにくい(つまりは退屈、ということである)。また、何より問題は、段落間に不整合がしばしばみられることである。文脈に連続性がなく、しばしば前後で矛盾するから、読者はしばしば興を殺がれ、まるで迷宮をさまようように、同じような表現の繰り返しの中で、著者が伝えたいメッセージを見失ってしまう。私が本書の読了に著しい時間を要したのは、こうした堂々巡りの退屈さゆえであった。

著者が商業主義を嫌悪しているのは明白であるが、それなら何故、こんな不完全な本の出版を許可したのか?さらに推敲を重ね、各演奏家の経歴と録音の記録と著者の評価とが文脈の流れに乗って読めるように加筆・整序してから出版しても遅くはなかったと思う。





ピアソラ―その生涯と音楽 (叢書・20世紀の芸術と文学)
販売元: アルファベータ

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

 斎藤充正氏に『アストル・ピアソラ 闘うタンゴ』の著書がありますが、ピアソラの言行録の部分よりむしろ数知れない録音評、巻末のディスコグラフィーなどにかなり力の入った著作で、日本においてピアソラを探求するとき、強力な助っ人になる力作です。

 こちらのアッシ&コリアーのものは、ピアソラの言動や彼を取り巻く世界により焦点を当てた、より「伝記」的な著作。彼の人生全般に亘る広範なエピソードが紹介され、ピアソラの人物像がより強く浮かび上がってきます。対してレコードや録音評については、全篇を通じて余り詳しくは語られないので、斎藤氏の著作を常にそばにおいて、だいぶイメージを補いながら読みました。

 訳文はいかにも翻訳という感じの生硬な文で読むのに時間がかかりましたが、そのぶん正確であるのだろうとは思います。






フルトヴェングラー 悪魔の楽匠〈上巻〉 (叢書・20世紀の芸術と文学)
販売元: アルファベータ

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

 この本は現在求め得る最も詳細なフルトヴェングラーの伝記である。彼の生い立ち、若き日のエピソードも十分に知ることが出来る。特に上巻ではリューベック時代及びマンハイム時代の、一般に余り知られていない頃のフルトヴェングラーを知ることが出来る。何よりも全編に渡って著者がフルトヴェングラー周辺の人々に行ったインタヴューが実に貴重である。大戦中のナチスとの関わりについても詳細な記述がある。この辺りの事情は、この本とC. リースの「フルトヴェングラー 音楽と政治 Furtwangler Musik und Politik」の二冊があればかなりのことが分かる。
 下巻ではなんと言っても非ナチ化審理について詳細な記述があり、極めて貴重である。そして彼の晩年の録音についても非常にいろいろなことが分かる。フルトヴェングラーファン必携の一冊であろうと思う。




フルトヴェングラー 悪魔の楽匠〈下巻〉 (叢書・20世紀の芸術と文学)
販売元: アルファベータ

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






マエストロ〈第2巻〉 (叢書・20世紀の芸術と文学)
販売元: アルファベータ

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






マリア・カラス (叢書・20世紀の芸術と文学)
販売元: アルファベータ

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

 バイオグラフィーでは、カラスのキャリアが、著者が耳で掘り下げた公演での歌唱にそって、描かれている。中には日本では入手の難しいものもあるが、現在ライブのCDとして我々が聴くことのできるものが中心である。複数の録音の残されているオペラに関しては、年代ごとの比較がされており、著者自身は、カラスの声の全盛期をかなり早い時期に置いているようで、私は個人的にはもっと後の時期の声のファンなのだが、その点に関しても様々な意見のレヴューが紹介されており、興味深い。つまりこの本は、カラスのCDを、1つのオペラを2種類以上聞き込んでいるような人、カラスのスキャンダルや私生活には関心がないが、あの声に惚れ込んでいる、と言うような人にお勧め。また初心者にとっては、無駄なお金を使わずによりよいCDと出会うための良書だと思う。ただ読み物としては、引用されているレヴューや対談が、英語(またはイタリア語)から日本語ではなく、英語からドイツ語、ドイツ語から日本語、と言うように二段階に訳されたものと思われ、もとの意味が歪められた伝言ゲーム状態の文が目立った。




ミケランジェリ ある天才との綱渡り (叢書・20世紀の芸術と文学)
販売元: アルファベ-タ

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

購入を検討されている方へ。
この本には当初はミケランジェリの演奏と、リハーサルを収録した特製CDが付いていましたが、2005年をもって、CDの権利者との契約が終了したため、現在出庫するものには、CDは付いていません(定価は同じです)。ご了承のうえ、ご注文下さい。
株式会社アルファベータ




名指揮者列伝―20世紀の40人 (叢書・20世紀の芸術と文学)
販売元: アルファベータ

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






天の音楽・地の音楽 (叢書 ヒストリー・オヴ・アイディアズ)
販売元: 平凡社

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)




前ページ   次ページ

戻る

仮想世界 - シューティング/レース/電車ゲーム フライトシミュレータ