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和書 492240 (353)



吉田秀和作曲家論集〈2〉シューベルト
販売元: 音楽之友社

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この本の p.194 に Schubert がまともな音楽教育を受けなかったと書かれているのを見て,暗澹たる気分になった.これは誤りである.Schubertは当時の Wien が提供できる最高の教育を受けているのだ.学校の名前(Stadtkonvikt)が翻訳不能なので誤解されるのだ.これは帝室礼拝堂の聖歌隊員を養成するための全寮制の帝立王立音楽学校で,Schubertはここに1808年から1813年まで在学した.この学校には生徒達によるオーケストラがあって,Mozart, Haydn, Beethoven などの作品が演奏されていた.楽器演奏法が教授され,Schubertは今のスコアで言えばフルートからコントラバスまでの楽器を扱うことができた.Schubertが何故あれほどの管弦楽法の達人だったか, また何故あれほど大勢の有力有能な友人を持てたのかは,この学校を抜きにしては理解できない.彼は第一シンフォニー(D82) を校長に献呈して学校を去ったが,この作品はここのオーケストラの為に書かれたものと言える.なぜなら,初稿があまりに演奏困難だったので,生徒の要請を容れて易しくした跡が残っているからである.




吉田秀和作曲家論集〈6〉J・S・バッハ、ハイドン
販売元: 音楽之友社

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吉田秀和作曲家論集〈4〉シューマン
販売元: 音楽之友社

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吉田氏によれば音楽評論活動を始めるにあたって
「モーツァルトと並ぶ二つの根源の一つ」(225頁)が
ローベルト・シューマンだといいます。
本書はそのシューマンを作曲家論、作品論、
演奏・演奏家を通してみる作品論の三つの観点から迫った総論です。

吉田氏は、≪ピアノ協奏曲≫や≪幻想曲≫などの作品の分析を通して、
シューマンの音楽の特長は1つの主題が多彩な変化と鮮やかな相違を生み出すとともに、
まさにその主題が曲全体を統一している点にある、としています。
また作曲家としての人生ではシューマンは古典主義とロマン主義の
どちらに身を寄せてもぎごちなさを感じていた、としています。

ピアノ作品への評論がメインですが、吉田氏は歌曲についても
並々ならぬ関心を寄せています。
「言葉と音楽の深さ、意識しないではいられない」(225頁)という認識の下、
≪12の歌≫より<はじめての緑>や≪詩人の恋≫などを取り上げて、
言葉が生み出す音楽の美しさについて語っています。
その他にも、≪交響的練習曲≫は非常に関連の弱い意味でしか変奏曲と呼べない(33頁)、
クララ・シューマンはローベルトの作品を神髄まで理解できなかった(100頁)
など興味深い指摘を目にできます。

クララ、ブラームスと同様に、シューマンとメンデルスゾーンとの間にも
音楽観において距離感があったとしています(106頁)。
では、メンデルスゾーンによる古典主義とロマン主義の調和と
シューマンによる両者の調和の違いはどこに見出せるかについて
さらに議論を進めてほしかったです。




吉田秀和作曲家論集〈3〉ショパン
販売元: 音楽之友社

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吉田氏はショパンの音楽があまり好きでないそうである(この本の中で名言している)。そのことが評論の質を高めている。ロベルト・シューマン以来、ショパンが好きな人によるショパン評論はショパン特有の世界に耽溺しきっているため、冷静な視点を欠くことが多い。吉田氏はショパンに対して少し醒めたスタンスを取ることができるため、かえって本質に迫ることができているように思う。
「美しい旋律、華麗な装飾、そのような表層を取り払った奥にこそ、ショパンの音楽の真実がある」と最初から核心を突いてくる。そして「ショパン以上のピアノ音楽作曲家はいない。絶対音楽として完璧である」と絶賛しつつ「しかしショパンの音楽は音楽以上のものを喚起するファンタジーに欠けるのではないか。完璧ということは、他の要素の存在を許さない諸刃の剣である。ショパンの弱点は絶対音楽にこだわり過ぎたことである」と、ショパンの姿勢の批判もする。このあたりの視点はさすがだと思う。私自身、いろいろな人のショパン評論を読んだが、この本に収載された「ショパンに関する覚え書き」という評論を超えるものは見たことがない。音楽史におけるショパンの位置づけなども的確だし、ショパンの独特な作曲技法(転調や旋法など)について楽譜を用いた解説も挿入されており、全く過不足がないという感じである。
本書はすでに出版された著書や雑誌掲載コラムからショパン関係の評論を抜粋して編集したものである。骨太な音楽論からCD評まで入っている。音楽論としては先に上げた「ショパンに関する覚え書き」だけでほぼ書きつくしており、あとは蛇足のように思えた。内容は本格的であり、ピアノ音楽に造詣のある人でないと理解は難しい。感性だけでなく、理詰めでショパンを理解したい人は一読すべき内容だと思う。




吉田秀和作曲家論集〈1〉ブルックナー、マーラー
販売元: 音楽之友社

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吉田秀和全集(17)調和の幻想 トゥールーズ=ロートレック
販売元: 白水社

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吉松隆の空耳!クラシック名曲ガイド
販売元: 学習研究社

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非常に分かりやすい音楽関係の著作を世に問うている吉松隆さんによるマンガとイラストをふんだんに使用して見やすくした名曲ガイドです。

吉松隆さんは作曲家としても有名ですが、面白くて初心者にも理解しやすいクラシックの名曲ガイドを書かせればこの方は最高ですね。マンガ家が本職のような吉松さんによる達者なイラストが堅苦しいクラシックのイメージを変えていきます。説明の文章もその曲の特徴を詳しくとらえて噛み砕いた表現で表わしていますので理解しやすく、真っ当な名曲ガイドだと感じました。

食わず嫌いという言葉がありますが、クラシック音楽も同様でしょう。何から聴き始めたらよいのかという時に、このような楽しい本があれば結構敷居が低くなると思われます。中学生の音楽の副読本としてこのような本があればもっとクラシック音楽の裾野は広がっていくのに、と感じた次第です。

通読して感じたことは、音楽ジャンルとしてはかなりの範囲を網羅してありますし、時代的にも広くカバーしています。それぞれの著名な作曲家に対する寸評が楽しく、親近感を覚えるのもこの本の良さでしょう。

おまけの4コママンガも楽しく読みました。あとがきに書かれているように、丸3ヶ月ほどの制作期間をかけて書かれたようで、それだけの情熱と面白さが詰まっている本でした。




吉松隆の楽勝!クラシック音楽講座
販売元: 学習研究社

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ご本人の手になる四コマ漫画、シャーロックホームズの
パスティーシュが大爆笑もの。
音楽業界をネタにしつつホームズの妙てけれんな「あの」
性格を見事になぞっています。
ホームズもストラディバリウスを持ってるんですよね〜。

で、内容ですがもう脱帽しました!

異常にうがったことを書いているので奥付を拝見すると
何とまあ本職の(しかもなかなか素晴らしい)作曲家の
先生ではないですか!

欲のない、一番を嫌う姿勢を貫いているそんなアナタに
ピッタリの内容。

私はバイオリンをしているので弦楽器のパートの
ボリュームがもう少し欲しかったです。
だって面白いんだもん!

これは音楽やってる人には絶対おすすめです。




ヨハン・シュトラウス―初めて明かされたワルツ王の栄光と波瀾の生涯
販売元: 音楽之友社

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ヨハン・ゼバスティアン・バッハ―学識ある音楽家
販売元: 春秋社

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バッハ学の世界的なリーダー、クリストフ・ヴォルフのバッハ伝を日本語で読めるのは嬉しいことだが、下記2点の理由で、全面的にはお勧めできない。

(1) 訳者の音楽史分野での知識が明らかに不足しており、迷訳・誤訳が多すぎる。とくに書簡など一次資料にあたる部分の翻訳には首をひねる箇所が多いので、角倉一朗編『バッハ資料集』(白水社)、Christoph Wolff "The New Bach Reader"(英文)のいずれかを併読することをお勧めする。

(2) おそらく、原著も多数の誤りを含んでいる。例えば、p.296, 608 の作品名誤記は、原著の誤りだと思われる。(譜例に載っている作品のCDを探したところ、全然違う曲に行きついた。訳の過程で間違えたとは考えにくい。)加えて、伝記と作品論がとりとめなく交錯するスタイルは、全体として非常に読みにくい。天下の権威に対して畏れ多いが、せめて章内を小見出しで区切ってほしかった。

とはいえ、最前線の研究成果が反映されたバッハ伝を日本語で読めることにはやはり感謝したい。索引も充実しているし、要所に挿入されている表の数々はよく整理されていて、バッハ作品の理解を深める助けになる。蛇足になるが、日本人の優秀なバッハ研究者による最近の著書、例えば小林義武『バッハとの対話』(小学館)、樋口隆一『バッハの風景』(同)などを、ヴォルフの主張と比較しながら読むと面白い。


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