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和書 492412 (211)



にんじん (世界文学の玉手箱)
販売元: 河出書房新社

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にんじん (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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 「にんじん」少年に対する母親の理不尽な仕打ちとそれを当然のこととして日々を送るルビック家。常識的に考えて異常としか思えないのですが、淡々としてウィットに富んでいる文章のせいか、特に涙もなく読み終えました。
 あとがきにも書いてあったのですが、もしもことさら「にんじん」少年の可哀相さを煽るような文章だったとしたらまた印象は変わっていたことでしょう。
 「にんじん」少年が家族から疎外されるのは、その大学教授的なひねくれた性格にあると思うのですが、ひねくれ方にもいろいろあって、彼が良い方向にひねくれるのか、悪い方向にひねくれるのか、それとも自分のそういうところを捨てて周囲に同化するのか。僕は彼がこのまま味のあるひねくれ方をして大人になって欲しいと思いました。

 最後の方で、母親の仕打ちにとうとう耐えかねた「にんじん」少年が母親の言いつけを初めて拒みます。そこで「にんじん」少年と父親が話し合うことになるのですが、そこでの「にんじん」少年と父親とのやりとりがなかなか印象的でした。そこでは、自分がいかに不幸であるかを切実に訴え、家族から逃げ出して幸福になるんだという「にんじん」少年に対して、父親が次のようなことを言います。

 あきらめろ。鎧兜で身を固めろ。それも、年なら二十になるまでだ。自分で自分のことができるようになれば、お前は自由になれるんだ。性質や気分は変わらんでも、家は変えられる。
 われわれ親兄弟と縁を切ることもできるんだ。それまでは、上から下を見下ろす気でいろ。神経を殺せ。そして、他のものを観察しろ。お前の一番近くにいる者たちも同様にだ。こいつは面白いぞ。わしは保証しとく、お前の気休めになるような、意外千万なことが目につくから。

 単にかわいそうな少年の物語に止まらない、なかなか深い読み物だなと思ったのでした。




にんじん童話―花織高校恋愛スキャンダル (集英社文庫―コバルトシリーズ)
販売元: 集英社

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ぬいは今日も元気です―わにわに物語〈2〉 (講談社文庫)
販売元: 講談社

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ぬえの名前 (幻冬舎文庫)
販売元: 幻冬舎

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ぬくもりの魔法 (ショコラノベルス)
販売元: 心交社

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ぬすまれた味 (ケイブンシャ文庫)
販売元: 勁文社

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ぬすまれた放課後 (講談社漫画文庫―松本洋子ミステリー傑作選)
販売元: 講談社

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ぬすまれた放課後 2 (2) (講談社コミックスなかよし)
販売元: 講談社

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ぬばたま (新潮文庫)
販売元: 新潮社

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最後の展開は、私にとってかなり衝撃的で、しばらくの間、主人公はその後どんな風に生きていくんだろう?と考えてしまいました。
藤堂さんの作品は大抵そうなのですが、すっかり惹きこまれてしまいました。
男女間の騙し合いと駆け引きが、とてもリアルに表現されていて、そんな相手に悩まされている方には、特にお勧めです。


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