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和書 492412 (399)



本郷界隈―街道をゆく〈37〉 (朝日文芸文庫)
販売元: 朝日新聞社

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このシリーズを全部読んではいないが、この巻は、たぶん、とてもよい出来だと思う。東京在住ではない人には、物足らないかもしれないが、東京在住か、東京出身者なら、まず、身近な小さな話題で、歴史を覗くことが出来る、散歩の格好の書であることがわかる。でも東京以外の人だと、ちょうど東京の人が、他県の「大文字の歴史」に由緒がある場所には惹かれても、「小文字の歴史」の由緒には入っていきにくいのと同じ理由で、少しつまらないかもしれない。晩年独特の臭みを発揮して、ちょっとだけガッカリした司馬遼太郎だったけど(特にエセー系は臭かった)、この巻はさらりとしていて、よかった。




濃尾参州記―街道をゆく〈43〉 (朝日文芸文庫)
販売元: 朝日新聞社

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ご存知の通り、著者の逝去に伴い、未完となったシリーズ最終作です。
ただ、内容は、我々が目にできる範囲で言えば、信長、家康、今川義元、桶狭間の戦い等に関する興味深い話を、いつもの格調高く、博識に富んだ文章で読むことができ、楽しむことができます。今更ながら、著者の逝去が惜しまれます。
で、本の評価なのですが、文章だけでいえば、やはり、尻切れトンボであり、減点は免れないのですが、巻末に、旅行に同行されていた安野画伯のスケッチ、編集者による文章、カメラマンによる写真があり、我々がこれまで知りえなかったけれども、関心のあった、一体、司馬氏は、どういった旅行をされているんだろということの一端がかいまみれ、やはり、シリーズファンであれば、一読に値するものかと思います。




街道をゆく (1) (朝日文芸文庫)
販売元: 朝日新聞社

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長州路への司馬氏の思い入れが印象に残ります。

怜悧と言われ、計算高い、とされた幕末の長州藩。吉田稔麿の項で、司馬氏は率直に彼が好きだ、と述べています。彼は新撰組に襲撃された池田屋事件で、一度は逃げおおせたもの、長州藩邸から彼は池田屋に舞い戻り、憤死を遂げます(元々、池田屋にはいなかった。後から藩邸から駆けつけたという説もある)。彼が池田屋に戻るべき積極的理由はなく、現にそのまま生きおおせた同志もいたにも関わらず - 彼はまず間違いなく、同志を見殺しするに忍びず、躊躇なく死地を選んだようです。司馬氏は長州藩を維新の雄藩に引き上げたものは、吉田稔麿という高杉晋作や久坂玄瑞と松下村塾で並び称された一藩士の志であり、こうしたマインドこそが長州藩と諸藩との信を繋いだのだ、と述べています。

余談ですが、司馬氏は、久坂玄瑞は吉田松陰に松下村塾随一と評されたが、その資質はいささか疑問、と言っています。高杉晋作や木戸孝允は人を安易に殺したりはしなかった、久坂は「天誅だ!」と人を殺めたことがある、やや軽率なところがあったのではないか、と述べています。

こうした人間模様を描きながらの長州路に思いをつのらせる人も多いと思います。




街道をゆく (10) (朝日文芸文庫 (し1-11))
販売元: 朝日新聞社

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シリーズ第10巻。今回は、山形県を南北に貫く羽州街道、そして、佐渡カ島の国なかみち、小木街道の2本が収録されています。
中でも出色なのは、天童、山形、上山、米沢という4藩を貫く珍しい街道である羽州街道を取り上げた前半。このシリーズの妙味として、著者の博識から、歴史的には無名でも、素晴らしい業績を残した人々を紹介してくれる所があります。羽州街道では、米が取れなかった米沢藩でありながら、卓越した行政手腕で、藩内各地に特産品を作り、家老でありながら数十万石を抱えた直江兼続が紹介されており、いつもながら、へぇと思うところがしきりでした。
後半も面白いのですが、金山というこの町の歴史から来る無宿人の暗さを紹介した所で終わっている点で、読後の爽快感をやや逸してしまいました。
前半:5点、後半:4点で、トータル5点といったところでしょうか。





街道をゆく (12) (朝日文芸文庫 (し1-13))
販売元: 朝日新聞社

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「街道をゆく」といえば、諸街道を歩きながら、そこにゆかりのある歴史上の人物にふれるということが多いと思いますが、その中では、異色の1巻といえるでしょうか。
今回の訪問地は、奈良県と和歌山県の境を貫く十津川街道。ここは、峻険が多く、江戸日本までの経済の中心をなした米が取れないことから、免税特権が与えられ、時々の政権から見捨てられた、逆に、土地の人々からいえば独立を勝ち得たといえる土地。
この政権に置いてきぼりにされたという稀有な性格から生じる、地元の人々の気質、あるいは、人里離れているということから生まれた歴史上の事件を紹介してくれます。要は「人物」ではなく、「土地」が主人公の1巻といえるでしょうか。
中でも、人々の気質が面白く、やはり、生まれついた土地の影響の大きさを改めて感じさせてくれる1冊です。是非、十津川を訪ねてみたくなりました。




街道をゆく (13) (朝日文芸文庫 (し1-14))
販売元: 朝日新聞社

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街道をゆく第13巻は、朝鮮半島に最も近い日本、壱岐・対馬を取り上げています。というわけで、当巻も、古代から近世を中心とする朝鮮半島との関係の中で、壱岐・対馬に関する人物や事象が取り上げられていきます。また、当該地域に関連の深い方と、旅行を共にするのも、当シリーズでは多く見られることですが、今回は、朝鮮半島出身の2人の金氏と同行され、彼らの目線を通した朝鮮半島との関わりも記載されています。
このように、手法はいつもながらなのですが、街道をゆくの場合、手にした1冊が面白いかを決定づけるのは、当該地域への関心。残念ながら、壱岐・対馬については、それほどの親近感が無かったせいか、ふむふむと読み流してしまった箇所もありました。というわけで、個人的な面白さは星4つ。壱岐・対馬に関心ある方でしたら、また、違った評価になると思います。




街道をゆく (14) (朝日文芸文庫 (し1-15))
販売元: 朝日新聞社

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松山市から宇和島を経て、松野町まで、愛媛県内を旅する1冊です。「街道をゆく」シリーズといえば、司馬氏が旅先で見聞したことどもから、歴史上の有名・無名を問わない、様々な人々や出来事に思索を飛ばして行く作業に付き合うことが無類に楽しいわけです。
ですが、この巻は、12巻の「十津川街道」同様、正岡子規、高浜虚子等の俳諧の偉人たちを生み、夏目漱石も暮らした文化の香り高い松山に代表される町そのもの、そしてそこで暮らす人々を捕らえた1巻になっており、まさに紀行文といえるのが特徴でしょうか。
ただ、「十津川街道」の巻がそうであったように、その町の魅力が、司馬氏のフィルターを通して、捕らえられており、シリーズの中では小品といえるかと思いますが、十二分に楽しめる内容になっています。





街道をゆく (15) (朝日文芸文庫 (し1-16))
販売元: 朝日新聞社

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「街道をゆく」シリーズは、海外を含めた様々な地域を扱っていますので、次はどの地域を読もうかと選ぶ楽しみがあります。今回は、私自身が北海道旅行をしたことから、著者の目には同じ北海道がどのように写ったのかが知りたくて選びました。著者が偶然にも、私の旅した函館・湯川温泉等にも行っており、旅の思い出が甦るとともに、同じ場所を旅した私とは比べ物にならない著者の思索の量に、改めて、当シリーズは司馬遼太郎を知るのに、最高の本の1冊であると感じさせられました。
ただ、今回は、著者自らが冒頭で「道内を転々とした」とあるように、他シリーズのような「大きなテーマ」が感じられませんでしたので、星は4つとさせて頂きますが、面白いことに変わりはありません。




街道をゆく (16) (朝日文芸文庫 (し1-17))
販売元: 朝日新聞社

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半分ほど読んでから比叡山に出掛け、
帰ってから残りを読みました。

比叡山延暦寺というところが
どういう所なのか非常によく理解できました。

延暦寺の建物は琵琶湖を望む稜線の東側に建っている
という記述があり、実際その通りでした。
なぜそうなのか、西側に建てられた建物は何なのか、
それは読んでのお楽しみですが、
こんなことはいくら他のガイドブックをひっくり返しても
書かれてはいません。
こういう知識を与えてくれるので司馬遼太郎の本はやめられない。

比叡山参拝を考えられている方はぜひご一読を。 
 




街道をゆく (18) (朝日文芸文庫 (し1-19))
販売元: 朝日新聞社

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古から江戸時代にかけて、畿内に近い地理的優位と土地の肥沃さから豊かな地域であった越前の諸道をめぐる1巻です。

越前の諸道を巡りながら、継体天皇から、道元、一条兼良、朝倉義景、あるいは永平寺や千石舟、古越前といわれる焼物等々、越前にゆかりのあるひとやものどもについて、著者の司馬史観が時代をいきつもどりつ展開されます。また、かっては道元が居住したものの、今ではうらびれた寺で修行する雲水や、古越前の伝統を受け継ぐ無口な焼物師等々、名もなき愛すべきひとどもが著者の暖かい眼差しで描かれます。
司馬史観の知的刺激と名文による味わい深さが味わえる「街道をゆく」の中でも好きな1冊です。


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