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和書 492412 (400)



街道をゆく (2) (朝日文芸文庫)
販売元: 朝日新聞社

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「街道をゆく」シリーズ第2巻は、シリーズ初の海外紀行で、訪ねる地域は、朝鮮半島。氏の「街道をゆく」では、「愛蘭紀行」での手法のように、訪ねた国を、直接描くのではなく、関係深い国と対比させながら描くということがあります(愛蘭紀行では、英国と対比させることで、愛蘭の実像に、より迫るという手法を取っています)。
この第2巻でも同様のパターンを用いているのですが、対比するのは、お隣の国、日本(の古代)。というわけで、愛蘭紀行以上に、親近感がわく1冊になっています。また、日本のことでありながら、へぇと思わせる著者の博学もいつもながらです。
ただ、星4つにしたのは、このシリーズの最初の巻に見られる特有の固さから。この巻でも、本編と関係ない、蛇足の部分が多く、やや、興ざめの章・ページがあったから。ただ、それがいいというファンもおられるので、あくまで個人的意見で、面白さは、いつもながらです。





街道をゆく (27) (朝日文芸文庫 (し1-28))
販売元: 朝日新聞社

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氏の「街道をゆく」シリーズの魅力の一つとして、有名ではないけれども、著者の博学によって、その土地が「へえ、こういうことがあったところなんだ。行ってみたいなあ」と思わせるという点があると思います。
例えば、ここで紹介されている檮原などはその最たるものでしょうか。江戸時代、脱藩の道として知られ、かの坂本竜馬も、この地を通ったとのこと。竜馬ファンであれば、思わず、旅行の際、訪れたくなります。
また、いつもの暖かな筆致で、土地の人情、歴史を描く点は、シリーズ共通のもであり、歴史の中では、比較的地味な役目を負わされた因幡・伯耆という地域についても、魅力的な人どもを通じ、行ってみたいと思わせる土地に描かれています。




街道をゆく (3) (朝日文芸文庫)
販売元: 朝日新聞社

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氏の「街道をゆく」シリーズの特徴として、氏が、心底、好きな地域か、関心で行った地域かで、内容までもが大きく変わる点があるかと思います。この1冊は、陸奥、薩肥、そして河内という、氏の居住地であったり、数多くの小説で書いたり、愛情を持っている地域だけに、前者に分類されるでしょうか。そして、その結果は、推して知るべく、非常に面白いものになっています。
その地域の、有名無名を問わず、著者の博識によって、語られる事物や人物の面白さはもちろん、同行した人々に注ぐ暖かい眼差しといったシリーズの特徴を備えているのですが、とりわけ、まだ、シリーズ開始早々のせいか、画家の須田氏の記述が多いのも、須田ファンには嬉しいところでしょうか。
シリーズの中でも、面白さでは、上位に位置する本だと思います。




街道をゆく (4) (朝日文芸文庫)
販売元: 朝日新聞社

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風景の描写、歴史的な背景など、読めば読むほど旅に出て
確かめたくなります。
北国街道では近江と越前の間の山々により北陸と京都方面の
行き来が阻害されていたことが様々な史実の原因になっていた
ことなどを読み、googleの地図(航空写真)で思わず確認して
しまいました。
傍らにPCを置いていろいろ確認しながら読むとホント楽しいです。
リタイアしたら、本を片手に同じ道を旅したいと思います。




街道をゆく (40) (朝日文芸文庫)
販売元: 朝日新聞社

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この本は、台湾について知りたい人が始めて読むべき本とされていることが多いですが、筆者の意見にはまったく賛成できない、というのが台湾で生活している人間の実感です。ただし、読み物としては非常に良質で、筆者の歴史描写は客観的かどうかはともかく非常に魅力的で一気に読めてしまうでしょう。

やはりこの本の問題は、国民党に大してポジティブな評価をまったくといっていいほど与えていないことと、李登輝氏の政治に関してまったく非現実的な見方をしているということでしょう。といっても、執筆当時は今ほど李登輝氏が原因とされるその当時の政府機関の汚職も、現在の台湾ほどきっちり報道されていたわけではないでしょうけど。さらに、蒋介石、蒋経国の評価も、歴史資料の公開や、研究の発展により、台湾の歴史の専門家なら同意できないことばかりでしょう。

しかしそれでもこの本が読む価値があるのは、偏っているとはいえ台湾に関する関心を抱かせてくれることと、台湾を通じて明治から昭和初期にかけての日本と日本人の雰囲気を伝えてくれるからだと考えます。台湾人や日本人の数々の小さな逸話からは、当時の人々の生活の匂いが濃厚に漂ってきます。

この本を読み終えた後は、邱永漢氏の「わが青春の台湾、わが青春の香港」を読まれることを強く推奨します(この本はネットで無料で読めることですし)。こちらは、なぜ往時の台湾人が日本統治に対して複雑な印象を持たねばならなかったかがよく描写されています。そして戦前から戦後の激動期を生き抜いた台湾人の生の声が聞こえてきます。




街道をゆく (5) (朝日文芸文庫)
販売元: 朝日新聞社

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動かないものが何もない東京という都市にいた時、生まれ故郷の北海道の何も動かない風景を無性に見たくなった。
そんな頃、この本を読んだ。数年後、初めての海外旅行がモンゴル国という変人をやってしまった。
でも本当に行って良かった。何十kmも続く草原。空気がきれいなのではるか遠くでも、すぐ近くに見える山々。
ゴビ砂漠で夜、寝転んで視た満点の星空、北海道の何倍も星が視えた。夜、砂漠をかける野生馬の群れも見た。
飛行機が雨に濡れた草原にうまり、400kmの雨でぐちゃぐちゃになっている草原をオンボロバスに揺られて首都に戻ったこと。
酔っ払ったおじさんに中国人と間違えられて蹴飛ばされた事。やっぱり中国人は大嫌いなんだね。
あの時出会ったモンゴルの人々は今どうしているだろうか?




街道をゆく (6) (朝日文芸文庫)
販売元: 朝日新聞社

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「司馬史観」
という言葉で呼ばれるように、司馬氏には独特の歴史観と感性がある。
街道をゆくシリーズは、各地の風景に触れ、司馬氏のその感性と歴史観が最も
如実に表現されるシリーズである。
が、この一冊については、シリーズ中では異例と言う程に文学的な感傷がある。
竹富島の白砂を見て輪廻に思いを馳せるシーンなどは特に詩的である。

作中、司馬氏は沖縄について考えると平静な気持ちでいられないこと、
また逆にここに原倭人の風景を見るような思いがして晴ればれとした気持ちになる、
ということを述べている。
この矛盾するような逡巡の行方はどうなったのだろうか。

与那国島での一夜。浜辺で泥酔し、大阪弁でくだを巻く学生の姿があった。
「本土が沖縄に何をしたか知っているか。沖縄の苦しみもしらないで、何や」
その後村の劇場で、司馬氏が地元の人に酒を勧められるシーンがある。
「さっき海岸でひろった紙コップですが、どうですか」
これについて司馬氏は
”おそらくさっきの浜で、あの学生たちが捨てたものではないかと私は思ったりした”
こう言って、この作品はプッツリと終わってしまう。

これは事実の描写ではなく、恐らく創作のシーンだと感じる。
離島の悲惨史について、司馬氏は直接的な言葉で意見することはなかったが、
このラストシーンで、何事かを示唆しているのではないか。
その何事かが何かは、結局司馬氏の中でも答えが出なかったような気がする。
ゆえにこの文学的隠喩で幕を下ろさせることになったのだろう。

倭人のルーツを感じた日本の西の果て、そこで感じた感傷は、
単に懐かしく甘いだけではなかったに違いない。




街道をゆく (7) (朝日文芸文庫)
販売元: 朝日新聞社

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司馬氏が様々なテーマを持ちながら各地を彷徨する中、
そこで出会う人、同道する人、その中で思索する事柄、
それぞれを愛情一杯に表現される、珠玉の随筆の中でも
特筆に価する一冊ではないでしょうか。

今回は、「築城」「漁業」「鉄」ですが、

「砂鉄のみち」では、日本と朝鮮・中国との関係から、
悠久の仕事人の歴史を、

「甲賀・伊賀のみち」では戦乱期の築城の妙、それと主従を
超越した侠気が「忍者」にあった逸話(冒頭の須田画伯の
やりとりは、特に秀逸、愛情あふれる暖かい文面です)、

「淡路」を読み進める中では、漁業という、自然のチカラと
絶えず戦い続ける男達の歴史、温かさを伝えつつ、彼らを
見守る松並木がマツクイムシにヤラレ続ける姿を、漁業の
衰退と重ねつつ、現代社会が失いつつある美点についての
警鐘としても感じられます。

かれこれ20年以上も前の旅であり、思索ではありますが、
現代社会に対しては、引き続き鋭く突きつけられる問題提起
が数多く散りばめられており、現代でも読む価値のある、
そんなシリーズではないでしょうか。




街道をゆく (8) (朝日文芸文庫)
販売元: 朝日新聞社

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氏の「街道をゆく」シリーズは、訪れた先にまつわる人物や出来事の紹介が中心になりますが、時には、テーマを持って出掛けられる場合もあります。当巻の最初の「熊野・古座街道」では、氏が、しばしばとりあげる「若衆宿」をテーマにされているのですが、訪れた先でも、既に「若衆宿」を知る人がいないせいもあり、やや、テーマの未消化感があり、前巻のテーマであった「職人」の面白さと比べると、やや、評価は落ちてしまいます。
ただ、行く先々で触れ合った人々や事物を紹介した、残る3編は、量的には、小品というべきものですが、いつも通り、面白く、かつ、刺激に富んだものであり、楽しめました。
総合的には4.5点といった所でしょうか。




街道をゆく (9) (朝日文芸文庫)
販売元: 朝日新聞社

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司馬氏の「街道をゆく」を読む楽しみの1つとして、自分が旅行した地域についての巻を読み、旅の思い出を新たにするということがあります。
今回は、会社の研修で高野山に行ったことから、「一体、司馬氏は、高野山を歩き、何を思ったのだろう?」と思い、手に取りました。で、読後の感想なのですが、私と司馬氏は、同じ情景を見て、触れたはずなのに、この思索・知識量の差はなんだろうといういつものパターンでした(笑)
また、当シリーズの前半巻の特徴として、同行した人々−とりわけ画家の須田氏−の人柄に触れる箇所が多いのですが、この巻でも、道端の花々や山々に素直に感じ入る須田氏の人柄の描写が多く、須田氏ファンにもお奨めの1冊です。


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