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和書 499784 (207)



花岡事件 異境の虹―企業の戦争犯罪 (現代教養文庫―ベスト・ノンフィクション)
販売元: 社会思想社

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大戦中、雇用契約の名目の下に約四万人の中国人が強制連行され、終戦までに約七千人が死亡したり行方不明になったりした。本書は、その中でも有名になった花岡事件の生き残り、北海道で飲み屋兼食堂を営む林樹森氏の戦後の歩みと、1970年代を中心に筆者自身の体験した戦後処理に関する様々な出来事等を綴ったもの。資料を基に花岡事件そのものを扱ったものではなく、戦後の高度経済成長の中で忘れ去られてゆく官民一体となった巨大犯罪のその後の無責任さに対する、個人的な無念のぼやきの様なもの。心証や噂話等も前面に出して交えているので、客観性とか公平性とかには欠ける記述もあるが、変にお茶を濁すよりはこうした書き方もあって然るべきだと私は思う。

例えば南京大虐殺の真相に関する議論が今もってあれだけ決着を見ないのは、そもそも当時の日本軍が徹底した証拠隠滅を図ったのが原因。本書を読んでいると、記録の隠蔽と記憶の抹殺の抱合せになった「臭いものには何処までも蓋をし続けろ」運動が「当時の」話などではなく、正に現在進行形のものなのだと実感する。

本書に登場する、繁栄を謳歌して過去を顧みない人々の無神経振りには辟易する。自分より弱い者には途端に残酷になる、当人の目の前で平気で差別発言を繰り返す、自分が行った虐殺や強姦について恥じ入るどころか自慢話をする、誠意の欠片も無い「慰霊祭」をそそくさと済ませようとする、都合の悪い事実は直ぐ曖昧にしようとする………胸が悪くなる。今また再び軍隊を持とうとか云う動きが活発だが、前の戦争ときちんと向き合うことも出来ていないのに次の戦争の話などしてどうする積もりなのかと思う。若い世代に愛国心を押し付ける前に、旧い世代は愛するに値するだけの国作りをして来たかどうか自問してみるべきだろう。




水子の譜(うた)―ドキュメント引揚孤児と女たち (現代教養文庫―ベスト・ノンフィクション)
販売元: 社会思想社

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 〈かつて博多湾は引揚者の港であった。敗戦後のある時期、1393,000の人びとがこの港に上陸した。(略)「二日市保養所」というのは、敗戦後の中国大陸で進駐してきた外国兵に犯された女たちを、密かに治療回復させる施設であった。強姦によって身ごもってしまった女たちには堕胎手術が行われた。性病にかかった女たちにはその回復までここにかくまって治療がなされた。〉
 引揚船のなかで生れたひとりの女性の行方を著者は調べ始める。生れていなかったら堕胎手術を受けていたであろう人だ。その誕生が2、3日早かったために、その母親は苦しみ、彼女(赤ん坊)は聖福寮で育つことになった。養母の、そっとしてあげといてくださいという言葉に、著者は彼女が出生についての事実を知っているかどうか確かめることができない。著者はこれらの施設で働いていた人たちを訪ね歩く。
 ここに登場する人々の努力と誠意が、生きる希望をなくした女性や孤児たちに生きる力をあたえた事実に熱いものを感じさせられた。そして、沈黙を守りつづけた戦争被害者におもいがはせられる。




世界謎物語 (現代教養文庫―ワールド・グレーティスト・シリーズ)
販売元: 社会思想社

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ディートリヒ・ボンヘッファー (現代キリスト教の源泉)
販売元: 新教出版社

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現代世界の美術―アート・ギャラリー (1)
販売元: 集英社

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現代世界の美術―アート・ギャラリー (10)
販売元: 集英社

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現代世界の美術―アート・ギャラリー (12)
販売元: 集英社

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現代世界の美術―アート・ギャラリー (13)
販売元: 集英社

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クレー独特の鮮やかな色彩を、よく伝えているのではないだろうか。
千足伸行氏の解説も(クレーの作品にこういう分析的解説が必要かは意見の分かれるところかも知れないが)
分かりやすくいい味を出しており、量が多すぎることもない。
他で見られなかった作品にお目にかかれたこともあり、個人的には比較的満足度の高かった1冊。




現代世界の美術―アート・ギャラリー (14)
販売元: 集英社

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現代世界の美術―アート・ギャラリー (15)
販売元: 集英社

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画家の生き様とその作風との関係に興味があります。この大型本に掲載されているローランサンの作品を見ながらずっとそれを感じていました。八重樫春樹氏の解説は丁寧ですし、中村真一郎と黒柳徹子の文にも惹かれました。少し高いかもしれませんが、このような図録はあまり入手できませんので、お勧めします。

彼女は、母親のポリーヌ(当時22歳)と、別に家庭を持つ代議士の父の間に生まれました。非嫡出子ということになるのでしょうか。父親からの経済的援助はあったそうですが、所謂母親一人の手で育てられたわけで、母親への思慕の情は想像以上に大きいものだったようです。

ピンク、ブルー、グレーの淡い色調は、専門家の分析によりますと、男性不在の色調だそうです。パステル調という淡い色の組み合わせゆえ、ローランサンは、今も人気があるのですが、ある種の心の隙間を埋める作業が絵を描くことだったように感じます。実際、この画集でも見うけられるように、晩年はもう少しオレンジや赤、緑といった色もでてきますので、少しずつ心境の変化があったのでしょうね。

理屈はともかく、どの絵からも柔らかい優美な女性の姿が浮かび上がってきます。鼻を明確に描かないというのも特徴かも知れません。彼女自身が自分の容姿にコンプレックスを感じていたようで、それと関係があるのでしょうか。

私生活では、結婚した後に亡命し、すぐに離婚するなど、当時としても波乱万丈の生涯を送っています。結婚生活が幸せであれば、また画風の変化もあったかもしれませんが、そうではなかったこともあり、時たま男性や風景を描く以外は、女性ばかりをモデルとして描き続けてきました。この優しさに包まれた独特の作風が、多くのファンを魅了してきたわけです。甘美でステキな画風ですので、是非本書を身近に置いて鑑賞してください。


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