戻る

前ページ   次ページ

和書 499784 (380)



虜人日記 (ちくま学芸文庫)
販売元: 筑摩書房

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

 著者は醸造技術者で、第二次大戦中にはフィリピンで軍事用アルコールの製造に携わった。本書は、まだ日本が勝っていた頃、負け戦になりジャングルの中を逃げまどった頃、終戦後にアメリカ軍の捕虜として暮らした頃の三部構成で書かれている。
 ずっと付けていたノートをもとに、収容所できちんとした文章にまとめたものらしい。戦争の現場での記録であり貴重。
 内容は、戦争の恐怖、ジャングルでの食糧確保の大変さ、将校たちへの憤りが中心になっている。本人による絵も多数が納められている。文章も絵も意外に陰惨ではないので、読みやすい。
 面白いのは、偉い人間とはどういう人なのか、という問題があらわれていること。負け戦あるいは窮状にあっても、部下や他人の面倒をきちんと見られる人間が、結局は偉いのだということが書かれている。
 また、著者は日本犬保存会の主要メンバーでもあったことから、ところどころにイヌの話が出て来るのが興味深い。




ナマコの眼 (ちくま学芸文庫)
販売元: 筑摩書房

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

 とても平易に書かれた、誰が読んでも楽しめる本ですが、本書には鶴見良行さんの思想や世界観が凝縮されています。
 本書においてナマコとは直叙でもあり、隠喩でもあります。ここで語られているのは紛れもなくナマコの話なのですが、海底に横たわるナマコは「目立たぬもの」「重要視されぬもの」「忘れ去られたもの」「辺境・周縁に位置するもの」の隠喩でもあり、『ナマコの眼』(ナマコには生物器官としての目はない)というタイトル自体が、<辺境・周縁>から物事を見てやろうという鶴見さんの意思表明なのです。
 鶴見さんは「<辺境・周縁>へのアプローチという作業は、タマネギの皮を一枚一枚剥いていくようなもので、どこまで剥いていってもキリはなく、またそれによって事物の本質に迫れるといったものでもない」と語っていますが、それはその通りで、<辺境・周縁>を探求したからといって簡単に新しい歴史観や世界観を獲得できるわけではありません。
 ただ、中央中心主義的な歴史観、世界観を相対化し、その全体像をつかむためにはこうした地道な作業は不可欠なのであり、鶴見さんは「今は焦って無理に大きな理論や物語を語るべき時期ではなく、これまで見落とされていたものを丹念に拾い集めながら材料を揃えていくべき時期だ」とも語っていました。
 とは言え、そんなふうに<辺境・周縁>の地を巡りながらも、いつの間にか新しい世界像を作り上げてしまうのは鶴見さんの視野の広さと筆力によるものであり、そこには緻密に練り上げられた戦略もあるように思われます。多くの人に読んでいただきたい本です。





ニッポン日記 (ちくま学芸文庫)
販売元: 筑摩書房

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

先のレビュアーの方は、マーク・ゲインが共産主義シンパであったことを「色眼鏡」としているが、そのことが、この本を否定的にとらえることになるのだろうか。

たとえば、親日的な保守派のジャーナリストなら、「天皇をチャーリーと呼んでいた」などと書いて、いたずらに、日本人の「反米意識」をつのらせることは隠し通したかもしれない。だが、GHQのメンバーが、天皇が「チャーリー・チャップリンに似ている」からチャーリーと呼んでいたことは、われわれはこの本で初めて知ったのだ。
そして、アメリカ政府が「天皇を日本人にきづかれないように、守りとおして、日本を安泰に保て」とマッカーサーに命令していたことも、この本で明らかになっている。

その他にも、驚くべき行動力で、ゲインは日本中のあらゆる人々と会っている。もちろん、ゲインなりの、親ニュー・ディーラーとしての思いはあっただろう。だが、偏見らしきものは少なく、驚くほど詳細に、「占領下の日本」が描かれている。

やはり、名著である。




生成の無垢〈上〉―ニーチェ全集〈別巻3〉 (ちくま学芸文庫)
販売元: 筑摩書房

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

まず、編者ボイムラー氏の長い長い解説文は読み飛ばして下さい。真面目に読むとかえってアタマが混乱してしまいますので、、、。

奇跡的なローズの香りを放ちながら、フェラーリのセクシーな曲線美と、詩人ランボーの知的かつエスプリの効いた韻文がもつ魅力を併せ持つ、天才ニーチェのエッセンスを一刻も早く体感したい多忙な現代人のために編集されたような本が本書「生成の無垢(上下)」(ニーチェ全集別巻3・4)です。

上巻は「芸術、音楽、女性、心理学、ニーチェ自身の著作」、下巻は「道徳哲学、宗教、ドイツ人」に関するものです。いずれも読者は一気に彼の悪魔的な世界に惹きこまれ、次々に展開される哲学という名の圧倒的な思索の海に放り出される快感を、つまり彼の天才を、嫌というほど堪能できるでしょう。

大阪でオープンしたUSJとどっちが興奮できるかな?




幕末 写真の時代 (ちくま学芸文庫)
販売元: 筑摩書房

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

写真なのだから当たり前なのだが、ちょんまげや裃、従者、芸者などなど過去の日本人の姿がそのまんま保存されている。
当時の人々の生活、当時の貴賎の絶対的とも思える差、風景等など・・・
これらの写真に触れずに、幕末をわかった振りをするなかれ。

写真伝来の歴史も面白く読んだが、やっぱり写真のインパクトには敵わないのか印象が薄くなる。




落日のモンマルトル〈上〉 (ちくま学芸文庫)
販売元: 筑摩書房

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






落日のモンマルトル〈下〉 (ちくま学芸文庫)
販売元: 筑摩書房

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

 フランスの近現代風俗を膨大な資料を駆使しつつ、現在によみがえらせた労作。
 60年代フランスというと馬鹿のひとつ覚えのように学生運動などしか語られないが、当時の
男女の恋愛の形の変遷、演劇の社会史的移り変わりや流行り廃りをここまで面白く
語っている本は他にない。
 著者はアランの教えを受けコレージュ・ド・フランス教授も勤めた歴史学者。




ヨーロッパの死者の書 (ちくま新書)
販売元: 筑摩書房

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

死をめぐることどもは、文化である。
死について口をつぐむことは、退化である。

たまたま本書を手に取ることができた。
カトリック文化における死の考え方の一端を知ることができた。
転生思想は許されていない
が死者との交流は可能であるとされる
など。

次には日本の死についての文化を知りたいと思う。




ローマ法王 (ちくま新書)
販売元: 筑摩書房

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

ローマ法王は、カトリック・キリスト教の頂点に立つ存在である。しかし、キリスト教人口の少ないわが国の多くの人にとっては知らないことが多すぎる。法王の素顔・歴史

そして現法王ヨハネ・パウロ2世(おそらく歴史に永く残るであろう存在)が果たした役割がコンパクトにまとめられている。ただ惜しむらくは、いわゆる「新書戦争」の中での企画で、十分な準備がなされていない感じがする点である。記述の多くは文献等による間接取材であり、本書のハイライトである現法王の東西冷戦の終結への寄与の部分は、ネタ本の消化と記述の簡素化にやや完成度の低さを感じる。また、イエスの弟子ヤコブと、「主の兄弟」ヤコブを混同する大きなミスもある。しかし、毎月洪水のように新刊が発行される新書としては一!定の水準にあるし、類書もないことから、少々迷ったが☆を4つ進呈することにした。




中国の歌ごえ〈下〉 (ちくま文庫)
販売元: 筑摩書房

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)




前ページ   次ページ

戻る

仮想世界 - シューティング/レース/電車ゲーム フライトシミュレータ