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和書 499786 (370)



中国人強制連行 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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アジア太平洋戦争は多くの人々の日常生活を引き裂いた。岩波新書の二冊、井出孫六『中国残留邦人―置き去られた六十余年』と杉原達『中国人強制連行』はそのような引き裂かれた民衆の姿を描写しつつ、あの戦争は何だったのか?そして東アジアにおける日本の「戦後」とは何だったのか?について再検討する素材を与えてくれる好著である。

井出の『中国残留邦人』は大日本帝国の拡張主義と犠牲となった日本の人々の悲劇と戦後日本の冷酷な仕打ちに対する彼らの国家賠償請求という闘いを描きだす。経済恐慌による困窮は日本各地の農民たちをして満蒙開拓団への参加へと駆り立てた。彼らは村や郷単位で分村・分郷し、満州各地に展開していく。そんな彼らには、満州事変後の満州国の治安と満ソ国境の防備という関東軍の軍事戦略上の役割を担わされているとは知る由もなかった。ソ連の侵攻とともに開拓団の人々は見捨てられることになった。遅々として進まぬ引き揚げ、満州現地農民からの怨嗟。戦後の東アジアにおける冷戦は人々を引き裂いた分断線を構造化した。引揚者の援護には厚生省・文部省・文化庁・労働省と縦割り行政の弊害が付きまとい、残留婦人には「国際結婚」という自己責任のレッテルが付与され、満州で起こった歴史が顧みられることはなかった。

一方の杉原『中国人強制連行』は、大日本帝国を中核とする大東亜共栄圏において日本―植民地―占領地を横断して資本の論理と国家の論理の結託のもとに労働力の強制的な再編成・再配置が行われていくプロセスを描き出す。見えてくるものは、拉致という行為によって日常の暮らしの中から連行され、過酷な強制労働の犠牲となっていった中国人たちの悲劇である。

二つの著作が描き出す当事者たちの抗議の声は、これらの問題が決して過去のものではないということを教えてくれる。戦後史を政治外交史的に捉えていたのでは絶対に掬い取れない問題がここに浮かび上がってくる。





嬉遊笑覧〈1〉 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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新訂 海舟座談 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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 おじいさんに語ってもらった昔話のような。勝海舟は話が上手いし口調も庶民的だしで実に面白い。明治維新の偉人も勝海舟にかかれば形無しですな。
 新訂版だそうで、活字も読みやすいですよ。




西郷南洲遺訓―附・手抄言志録及遺文 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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思索が自身の血肉と化した思想は純一である。簡潔な言葉の中に、人生で大切にすべきことが凝集されている。

西郷隆盛という人間が、いかに偉大で人格者であったかがこの遺訓によって偲ばれる。

また教訓や格言としての価値だけではなく、政治を執行する者にとっての指南書となるものである。遺訓の一々は至極もっともなことを述べていると、読者をして頷かせると同時に、この当然至極なことが現行の日本政府においては全くなされていないことを実感させられて、背筋の寒くなる思いである。

是非とも教科書で子供たちに教えてやりたいと思った。




吉田松陰 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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塵劫記 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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新訂 魏志倭人伝・後漢書倭伝・宋書倭国伝・隋書倭国伝―中国正史日本伝〈1〉 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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誰もが知っている邪馬台国の話や、謎の倭の五王、聖徳太子の国書など、日本史の有名事項の根本資料。旧版に比べて注釈が増えたり、現代語訳が付されているなど初心者にも読みやすい配慮がされている。中級者には巻末の参考文献が役に立つのでは。上級者にはそれぞれの原文が印影で載っているので本格的に研究する人にも役に立つのでは。




ベルツの日記 下  岩波文庫 青 426-2
販売元: 岩波書店

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日本海海戦(対馬沖海戦)における日本の勝利の後ドイツへと帰国していったベルツの日本における滞在日記の下巻。上巻に比べると叙述は単調だが、日露戦争期の国内世相や政治状況ひいてはナショナリズムの形成過程を皮膚感覚としてよく理解させてくれる一級の資料であろう。それにしても、その後の日米の対立(182頁、308頁)や軍部の台頭(217頁、233頁)、陸海軍の不和(234頁)、更には神道の政治利用(347頁)やアジアの勃興(411頁)といった事象を遥かに見晴るかしていた彼の炯眼には、改めて驚かされる。




中世的世界の形成 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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 律令制に基づく古代日本は貴族達の階級的堕落によって衰亡し、変わって草深い地方の農村から、在地領主層などの新しい階級の利益を担う中世的秩序が登場する、学校の日本史ではそんなふうに教わったように記憶しています。しかしながら、「古代」から「中世」への移行は、やはりそんなに単純明快ではないようです。
 本書は、南伊賀の黒田庄なる庄園における平安末から鎌倉末に至る紆余曲折に着目し、本所たる東大寺と在地領主層との関係の変遷を解説することにより、古代的秩序の衰退と中世的世界の形成を動態的に説き明かそうというものです。その過程で、庄園内部における階級分化の状況、その結果としての在地領主層の成立と成熟、そして国衙や幕府といった外的権力との交渉状況などが、実証的にキメ細かく分析されています。
 「寺奴」や「作人」に対する身分的支配という古代法の原則を振りかざし、在地における現実の所有・生産関係を抑圧しようとする東大寺の論理。一所懸命的に自らの権益を確保・拡充すべく、実際の土地支配の事実と現地の慣習法的状況を主張しつつも、独り立ちへの不安から階級的団結をためらう在地領主たち。両者のせめぎ合いは、攻守時としてところを変えつつも、延々数百年の長きに亘ります。著者によれば、在地における中世的世界は、こうした緊張と葛藤を背景として、正に古代の中から成長していくのです。
 昭和19年に執筆されたという古い本です。マルクス主義的な色彩と同時代的状況への諷刺には、時代的な背景を強く感じさせるものがありますが、そのあたりを割り引いたとしても、日本中世史ファンにとっては読まざるべからざる古典的な名著と言えましょうか。




回想の明治維新―一ロシア人革命家の手記 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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