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和書 507156 (248)



隠し金の絵図―風車の浜吉・捕物綴 (新潮文庫)
販売元: 新潮社

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

文章が、実にいい。母国語で書かれたものを読む醍醐味というのはこういうところにあるのか、とあらためて気づかされた。

風景や人物描写、人の心の機微などが丁寧に書き込まれているのだが、流れるような心地良いリズムを持った文体が、人情味あふれる江戸の情感とあいまって”粋でいなせな”雰囲気がよく伝わってくる。貧しくとも懸命に生きる一般庶民に、常に温かなまなざしを注いでいる点も魅力の一つ。

私はこの一冊で、すっかりこの作家のファンになってしまった。




隠し剣孤影抄 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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数々の秘剣の呼称を各作品の題名に付け、その剣技の妙と共に男女の機微を描いた魅力溢れる短編集。特にヒロインの描写が玄妙を極め、剣技が霞む程。旧来の剣豪小説の枠をはみ出した意欲作と言える。秘剣の呼称を「邪剣」、「臆病剣」などと敢えてネガティヴに付けている所も心憎い。

「邪剣竜尾返し」は古代の歌垣を思わせる幻想的な冒頭から始まり、主人公の剣敵の妻の真意を中心として虚実が曖昧模糊としたまま物語が終ると言う奇譚。「臆病剣松風」は「たそがれ清兵衛」を思わせる内容で、ホノボノとした夫婦愛が微笑ましい。「暗殺剣虎ノ眼」は一見平凡な藩の権力闘争と見せかけて、結末でヒロインと読者を闇に落とす手法が卓抜。「必死剣鳥刺し」は主人公の過酷な運命と対比するかのような結末のヒロインの明るさと逞しさが物語に救いを与えている。「隠し剣鬼ノ爪」は木目細かい自然描写を背景に、秘剣の意外な用途、妖艶な美女の悲哀、純情な娘の可憐さが一体となって描かれた秀作。「女人剣さざ波」は既読だったが、何度読んでもヒロインの一途さと健気さに胸が熱くなる傑作。「悲運剣芦刈り」は男女の業の深さを扱ったものだが、秘剣の運命以外はやや平凡か。「宿命剣鬼走り」は二人の藩士と、二人が想いを寄せる尼の数十年に渡る宿縁をミニ大河ドラマ風に描いた異色作。

迫力ある剣技と深遠な女性心理と言う男性にとって魅力的な二大テーマを巧妙に織り交ぜて描いた時代小説の傑作短編集。




隠し剣秋風抄 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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「隠し剣」シリーズ第二段。主人公達の秘剣と男女の機微の融合が本シリーズの特徴だと思うが、本作は女性の魔性と清廉さを対比して鮮明に描いている印象。

「酒乱剣石割り」は酔う程に剣技が冴える主人公が痛快だが、さして効果的とは思えない主人公の妹の淫乱な転落物語を挟む所が本作の趣向か。「汚名剣双燕」は驕慢な女に振り回される主人公の悲哀に忸怩とさせられる。「女難剣雷切り」は女運の悪い主人公がコキュ役まで演じさせられる悲哀を滑稽味の中に描いたもの。「陽狂剣かげろう」は藩主の息子に許婚を奪われた主人公が陽狂を装っているうちに、本当の狂気に陥ってしまう様を描いた異色作。前二作と合わせ、現代にも通じるテーマが続く。「偏屈剣蟇ノ舌」は偏屈者の藩士を扱って「たそがれ清兵衛」を思わせるが、偏屈者だからと言って刺客役を仰せつかる構想は無理があろう。「好色剣流水」は主人公が本当の好色なので読んでいて共感が沸かない。女性だけでなく、男性の色欲と堕落を描こうとしたものか。「暗黒剣千鳥」は藩の権力闘争を背景に、主人公の婿入り話と暗殺劇を巧みに織り交ぜた佳作。「孤立剣残月」は過去に上意射ちを行なった主人公が四十を過ぎて、その弟の仇討ちの意志の噂を聞き、周囲に右顧左眄するが相手にされない様子をユーモア味で描いておいて最後に泣かせる心憎い構成。「盲目剣谺返し」は味見役として盲目となってしまった主人公とその妻の苦悩と夫婦愛を描いた秀作。「武士の一分」と言う言葉は有名になった。

バリエーションを付けようとしたものか、作品毎にレベルの差が大きい気がする。姉妹作に比べ凄みのある秘剣が少なく、人物設定やストーリー展開も物足りない気もするが、藤沢作品の味が堪能できる好短編集。




隠し人 斬雪剣―不知火半兵衛闇始末〈3〉 (コスミック・時代文庫)
販売元: コスミック出版

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隠し人 炎斬り―不知火半兵衛闇始末〈1〉 (コスミック・時代文庫)
販売元: コスミック出版

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隠し人無情剣―不知火半兵衛闇始末〈2〉 (コスミック・時代文庫)
販売元: コスミック出版

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隠し目付 植木屋陣蔵 (学研M文庫)
販売元: 学習研究社

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覚兵衛物語
販売元: 新人物往来社

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革命児・信長〈上〉 (河出文庫)
販売元: 河出書房新社

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革命児・信長〈下〉 (河出文庫)
販売元: 河出書房新社

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