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和書 507216 (252)



われら父親は闘う―娘・景子を誘いこんだ統一教会の正体
販売元: ネスコ

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ヤクザもののノンフィクションで知られる飯干晃一が、娘の景子を脱会させるまでの苦悩の記録である。
この本によると、景子は才色兼備なばかりか、性格も素直で優しく超まじめ、父親の目から見て満足しきりのお嬢さんであったようだ。
しかし、これこそ親の欲目というもの、特に父親であるならば。
飯干氏の見えなかった部分にこそ、景子が怪しげな新興宗教にのめりこむ原因があったはずである。
統一教会を抜きにしたとしたら、これは単に「デキのいい自慢の娘のご乱心にとまどうお父さん」の姿、なのである。
だいたい、普通のサラリーマンの親父と比べたら、家庭に構っているヒマなどなかったであろう飯干氏が、いくら娘自慢などしようが、それは目が曇っているというだけのことだ。
おそらく景子には、父親がその原因と信じている「あまりにも温室育ちで疑うものを知らず騙された」という以上の何かがあるはずだ。
ともあれ、飯干氏にして初めて成しえた奪還であり、普通の家庭でここまですることなど到底不可能であろう。そういう意味では、同時に「そんなすごい親父でもいなければ、取り戻せないんだな」という庶民の感想も呼ぶ。
その飯干氏は鬼籍に入ったが、一方の景子は口をぬぐったまま、何もなかったかのようにメディアに露出し続けている。これは、景子という人の限界を表しているといえよう。
「自分は危機を逃れた。さあ次は何をしよう。」という時に、ハシゴを蹴落とすタイプなのだ。飯干氏も娘にそれ以上のものを求めることはできなかったところを見ると、私の見方はあながち外れていないように思う。




われ死するなり (宮本武蔵)
販売元: 文藝春秋

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われ邪心ありき (宮本武蔵)
販売元: 文藝春秋

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ゐのした時空大サーカス
販売元: 中央公論社

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事故によって母船から遭難した人達が、母船に一人残ってシグナルを発信し続ける“G”を探して30億年を放浪する、それがゐのしたサーカス。
我々人類には本来時間を移動する能力があるのに、それをいつの間にか自ら封印してしまった、というのです。

このベース設定からするとSFなのですが、ドラマとして描かれているのは中年男の悲哀と、記憶です(なにしろ時間テーマのSFだから)。

ある種、神テーマSFともいえなくもありませんが、本作でのそれはおまけ程度。

作者は本作で中年男の断章と、旅回り芸人(三流サーカス団)の没落(=時代の変遷)を描きたかっただけで、時間テーマはそれだけでは売れないから入れた要素ではないでしょうか……?
とはいえ、それにしては時間に関するSF的思弁は興味深すぎます。
つい作者の才能が溢れてしまった、というところでしょうか。




ゐわい歌
販売元: 新風舎

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痾 (講談社ノベルス)
販売元: 講談社

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 夏と冬の奏鳴曲から続けて読んだが、やっぱりわからない。
 というか、前作と考え合わせると、大事なことを忘れたまま、それで良しとして人生が続いていっていて、それで許されるのだろうかと思ってしまう。
 前作と同じく割り切れる話ではないが、前作よりはわかりやすい。それでも、一般的にはわかりにくいのレベルだが。
 しかし、人の精神に与える影響(ダメージとも言う)の大きさは素晴らしい。
 不条理な気持ちを味わいたい時は是非、夏と冬の奏鳴曲と続けてお読み下さい。想像以上に混乱すること請け合いである。
 一応、ほめているのだが。




痾 (講談社文庫)
販売元: 講談社

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 1995年に講談社ノベルスとして出たものの文庫化。
 メルカトル鮎・シリーズの一冊で、『夏と冬の奏鳴曲』の続編となっている。順番に読むべき。シリーズの今後を予感させる作品でもある。
 トリックで読ませる作品ではなく、人間の暗い情念を淡々と説明抜きで描いたような作品。話としては面白いが、ちょっと残虐すぎる気も。特に猫好きの人は読まない方が良いと思う。
 最後まで読んでもタイトルの意味が良く分からなかった。




亜愛一郎の転倒 (角川書庫)
販売元: 角川書店

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◆第一話「藁の猫」

 完璧な写実性で有名な画家の内縁の妻が服毒死した。
 そして、なぜか遺体の手には藁の猫が握られていて…。


 前作『狼狽』の「DL2号機事件」と同じテーマが変奏されます。



◆第二話「砂蛾家の消失」

 (人家消失)という大ネタですが、
  仕掛け自体は至ってシンプル。

  動機の必然性の演出が見事です。



◆第三話「珠洲子の装い」

 飛行機事故で死んだ流行歌手の名を冠した
 映画のオーディションでの出来事。


 これぞ逆説、という論理が冴えわたります。



◆第四話「意外な遺骸」

 手毬歌に見立てられた他殺死体の謎。


 死体の死因がとにかくユニーク。
 廻文のお遊びも楽しいです。



◆第五話「ねじれた帽子」

 落とした帽子を頑として受け取らない男の謎。


 冒頭、無造作に示される伏線が、とにかく洒落ています。



◆第六話「争う四巨頭」

 第一線を退いた、同郷の政財界の大物4人。
 人目を避けて、彼らが会合するのはなぜなのか?


 「知」の喜びや、それまで気づかなかった自分の
 嗜好を知ることこそ、人生の醍醐味でしょう。



◆第七話「三郎町路上」

 タクシーの後部座席に突然出現した死体の謎。


 昆虫学者・響子の姐御っぷりが忘れがたい印象を残します。



◆第八話「病人に刃物」

 「転倒」がキーワード。

 誰の身にも起き得る危険ですが、
 最終的には因果応報というところ。


 作中の、勘違いコント風の会話に、現代でも
 決して色褪せない著者の洒脱さを感じます。







亜愛一郎の転倒 (創元推理文庫)
販売元: 東京創元社

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◆第一話「藁の猫」

 完璧な写実性で有名な画家の内縁の妻が服毒死した。
 そして、なぜか遺体の手には藁の猫が握られていて…。


 前作『狼狽』の「DL2号機事件」と同じテーマが変奏されます。



◆第二話「砂蛾家の消失」

 (人家消失)という大ネタですが、
  仕掛け自体は至ってシンプル。

  動機の必然性の演出が見事です。



◆第三話「珠洲子の装い」

 飛行機事故で死んだ流行歌手の名を冠した
 映画のオーディションでの出来事。


 これぞ逆説、という論理が冴えわたります。



◆第四話「意外な遺骸」

 手毬歌に見立てられた他殺死体の謎。


 死体の死因がとにかくユニーク。
 廻文のお遊びも楽しいです。



◆第五話「ねじれた帽子」

 落とした帽子を頑として受け取らない男の謎。


 冒頭、無造作に示される伏線が、とにかく洒落ています。



◆第六話「争う四巨頭」

 第一線を退いた、同郷の政財界の大物4人。
 人目を避けて、彼らが会合するのはなぜなのか?


 「知」の喜びや、それまで気づかなかった自分の
 嗜好を知ることこそ、人生の醍醐味でしょう。



◆第七話「三郎町路上」

 タクシーの後部座席に突然出現した死体の謎。


 昆虫学者・響子の姐御っぷりが忘れがたい印象を残します。



◆第八話「病人に刃物」

 「転倒」がキーワード。

 誰の身にも起き得る危険ですが、
 最終的には因果応報というところ。


 作中の、勘違いコント風の会話に、現代でも
 決して色褪せない著者の洒脱さを感じます。







亜愛一郎の逃亡 (角川文庫)
販売元: 角川書店

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◆第一話「赤島砂上」

 裸体主義者クラブ(!)の集会が舞台。

 
 トリックは、今では普通にことわざとして流通している
 〈ブラウン神父〉シリーズの「アレ」が用いられます。



◆第二話「球形の楽園」

 完璧な密室状態の丸いカプセルの中に、前頭部に打撲傷、
 背中に突き傷を負った男の死体が…。


 強迫観念に囚われた人間の視野の狭さには、
 身につまされるものがあります。



◆第三話「歯痛の思い出」

 病院での呼び出しである、


 「亜さん、井伊さん、上岡菊けこ……?」


 が、とにかく印象的。



◆第四話「双頭の蛸」

 北海道の湖に現れたという双頭の蛸を取材するため
 駆けつけた記者が遭遇した殺人事件。


 一枚の写真を見るにしても、人は自分の
 「見たいもの」しか見ない、ということでしょう。



◆第五話「飯鉢山山腹」

 車体に書かれていた「ニウ島産(屋島ウニ)」の謎。



◆第六話「赤の讃歌」

 赤を基調とした絵で名を成し、
 画壇のドンにまで上りつめた画家の話。


 終盤、すべてが裏返され、反転していく、
 逆説の論理が展開されていきます。



◆第七話「火事酒屋」

 火事が好きでたまらない酒屋の主人が遭遇した
 不審火の現場から発見された他殺死体。

 主人は放火と殺人、二つの容疑をかけられるのだが…。


 集中の白眉。

 背が低いために、消防士になれなかったという
 酒屋の主人の人物像が、事件の構造と有機的に
 結合しているのが、じつに秀逸。



◆第八話「亜愛一郎の逃亡」

 雪中の離れから、亜はどのようにして
 足跡を残さず、忽然と姿を消したのか?


 亜の正体が明らかに。

 祝祭的なラストの幸福感は格別です。






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