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和書 507508 (70)



チェルノブイリ報告 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 素晴らしい本である。この本は、パレスチナ問題に関する著書などで知られたフォトジャーナリストの広河隆一氏が、チェルノブイリ原発事故後の現地を訪れ、出会った人々の肉声と、現地で撮影した写真をまとめた、価値有る一書である。この本を読んで痛感させられる事は、チェルノブイリ原発事故も、広島と長崎の原爆と同様、つまる処、個人の人生の集積であると言ふ事である。広島の被爆者の体験が一人一人の体験であり、一人一人の人生と不可分であるのと同様、チェルノブイリ原発事故も、一人一人の人生と不可分の出来事であった事を、この本は教えてくれる。広河氏のこの本には、そうした視点が有る。その事を忘れて、「環境問題」を語る事も、戦争と歴史を語る事も、共に空しい事を、私は、この本から、教えられた。地球上最大の環境問題である放射能汚染について考える為に、そして、広島と長崎で起きた事の意味をより深く考える為に、この本が、永く読み継がれる事を願ふ。

(西岡昌紀・内科医/広島に原爆が投下されて60年目の日に)




地球温暖化を防ぐ―20世紀型経済システムの転換 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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著者の明快な指摘が好きで購入したが、あいかわらず鋭い指摘が多く、刺激的
で面白かったです。
これからの日本はどうあるべきかについて考えさせられた。




地球環境報告 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 環境問題の重要性が叫ばれてから既に久しく、最近では温暖化の問題なども世間の耳目を集めているのですが、問題の所在に対する一般の理解はまだまだ甘いのではないかと思います。恥ずかしながら小生自信も、「環境」といえば「公害」を連想し、有毒物質の排出規制や絶滅寸前の種の保護といった事柄だけを思い浮かべるといった具合でした。
 本書は、そうした表層的な問題設定を超えて、世界中の様々な環境危機の事例を紹介しつつ、十分なデータを添えながら、環境問題の全体像と問題の所在の本質とを極めて分かり易く示してくれているように思います。すなわち、人口爆発と無謀な農業開発による森林破壊や土壌浸食、生態破壊による自然災害激化の構図、有害物質による地球的規模の汚染、そしてそれらの問題の根底にある貧富の格差や先進国による公害輸出などなど、この地球上における人類の営みが、自然環境に対して如何に無理を強いているかが一目瞭然に語られています。まるで人類は地球にとってのガン細胞なのではないかと思えてしまうほど、人の営みと環境破壊が密接に関わっていることが分かります。
 読んでいて暗澹たる気持ちを禁じえませんでしたが、「あとがき」の部分にはほんの僅かながら希望の兆しが示されていました。子供や子孫たちのためにも、環境問題をきちんと勉強しなければいけないと思いました。




地球環境報告〈2〉 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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森林が消えています。サンゴ礁が死滅しようとしています。このような環境の急激な変化は、当然生態系を壊します。温暖化も進んでいます。理論的には、21世紀中に二酸化炭素の総排出量を60%減らさないと地球環境は深刻な事態に陥るそうですが、現在のところそもそも減らすことができるかどうかさえ定かではありません。

本書ではなぜか原発の危険性に触れていませんので、これについて記させてください。放射性廃棄物は別にしても、原発は決して自然に優しくありません。核の生み出すエネルギーが膨大すぎて、人為的にコントロールできないのです。そのため、生み出される熱エネルギーのうち実際に発電のために使われているのはおよそ1/3で、残りの2/3は海水を使って冷却されます。原発が海岸沿いにばかりつくられるのはこのためです。ですから、原発が温室効果のある二酸化炭素を排出しないというは本当ですが、その代わりに直接海水温度を上昇させます。ーー首都圏での電力不足がマスコミを賑わせています。この35年で電気の消費量は8倍になり、原発が現在の電力に占める割合はその4割とも言われていますが、もし省エネだけでこの夏を乗り切れるとしたら、実質的に私たちは原発なしでもやっていけると証明したことになります。原発に限らず、その気になれば、私たちはもう少し自然と仲良くつきあっていけるのではないか?

いたずらに危機意識をあおるのは私の趣味ではありませんが、著者の言葉をまねて言えば、タイタニック地球号の乗客からも、眼をそむけない読者には、氷山の姿が見えてきます。




地球環境問題とは何か (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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本書は、地球環境問題、特に地球温暖化問題、を自然科学と現代社会の中間にある、政治的性格をふんだんに含んだ領域として捉えています。筆者によると、地球環境問題が1990年代以降政治的問題として浮上した理由は、自然科学研究の内在的な発展ではなく、外からの要因、つまり政治的要因からであると論じています。具体的には、冷戦下の世界政治の興味は軍縮であったが、冷戦終了後に地球規模の脅威は環境であると認識されるようになったと述べています。また、地球温暖化問題は他の環境問題と異なり、観測研究の段階で不安定な要因を多く含んでいることを承知で、政治的決定を行っていく必要があると述べ、解決策として政策形成論のより一層の研究が進むべきであると述べています。私個人にとって新しかったことは、1988年が地球環境問題にとってのターニングポイントであるという指摘です。その年に、1992年の地球サミットのための枠組み転換が行われ、それ以後環境問題で覇権を握ろうとする国が出てきたということです。本書は、地球環境問題の構造を原点に立ち戻って解き明かしている良書だと思います。




地球持続の技術 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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まずはぜひ読んでもらいたい!
1999年が初版であるが、今こそ読むべき本である。というか、初版当時に読んでいれば、この8年近くの間、もっと違う行動ができたかもしれない。世の中で「環境問題」とか「地球温暖化」と言うけれど、これに対して我々が何が出来るのか、何をする必要があるのかについては、断片的であったり、結論的(するべきことのみが決まっている)であったりして、その行動が何をどう改善しているのか(改善する可能性があるのか)については、一般的にはあまり具体的に語られていないように思う(ゴミの捨て方だって、きちんと分別しているようで、実際にはどのあとの処理についてのきちんとした知識は無いのだ)。そういった点をこの本は細かく丁寧に解説し、何をすることが何を改善してゆくことになるのかを示してくれている。
きちんとした理解無しに、いわゆる「環境的な行動」をとることは逆に環境悪化に繋がる可能性もあるのだということを示しつつ、独りよがりにならず、皆が知恵を出し合って現状についての理解やとるべき行動についての情報共有や議論を進めることが重要であると語る本書は、地球のことを考える第一歩として読むべきものであると思う。小学生とかにきちんと読ませたい。いや、本当に勉強になりました。




地球の水が危ない (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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世界の水の実情を具体的事例を紹介しながら理解できる内容です。
はじめは人口増から起こる水需要の高まり。貧困から生じる十分な水の恩恵を受けられない多くの人々の存在や食料不足から生じる農業用水確保。など世界が抱える水問題の現状が紹介されています。
次に、水問題に起因した実例を紹介しています。
例えば、中国の水需要はこの25年間で20倍以上に増加し、中国北部では地下水くみ上げにより、年1〜1.5mもの地下水低下を生じている。黄河では河川の水が下流まで到達しない断流がしばしば発生し、97年には年間200日以上、断流があった。
バングラデシュやインドでは井戸掘り合戦により年々井戸が深くなり、深い地下水層に潜むヒ素に出会い、深刻な問題になっている。
ヨルダン川が流れ込む死海は、地中海面下400mで、水面はなおも毎年1m近く低下中。
続いて、国際河川という流域が何カ国にも及ぶ大河川の水利用における事例を紹介しています。国際河川にダムを造ることによる問題。ユーフラテス川、ナイル川、コロラド川などの事例でわかりやすいです。
その後は世界の水と日本人について。確かに今でも高騰するガソリンより高価なミネラルウォーターを私たちは文句を言わずに買っています。確かに身近な話題です。
最後の方は、上記の流れを受けた世界的な動きについてを報告しています。世界の目が水問題を意識し、世界水フォーラム開催へ向けた経緯などが紹介されています。また、水に恵まれている我が国の河川法改正の流れやその評価なども紹介されています。最後のあたりでは著者が我が国の河川行政に深く関わってきた思いが強く述べられています。
水問題に興味がある方は必読の1冊だと思います。




中国で環境問題にとりくむ (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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「中国で環境問題に取り組む」というタイトルをそのままに受け取るのがいちばん…。
実際に筆者が大気汚染、塩類・アルカリ土壌といった環境問題に工学的見地から取り組む過程を詳細に記している。
そのため、中国の悲惨なまでの、そしてかなり終末的な大気汚染・土壌問題の実態が詳しくデータや多くの写真などから

語られるとともに、専門的に脱硫、土壌アルカリ化などのプロセスが解説されている。

だから、実際にこうした問題に取り組む人にはまず大いに助けになることでしょう。
同時に、中国、清華大学との大規模なプロジェクトなどの流れが具体的に描写され、資金の工面、交渉など、生の
現場のアプローチを知ることができる。

また、著者が繰り返し訴えている、「先進国の環境対策はコストがかかるものばかりで、そのまま途上国に
移植することはできない。だから、途上国が自ら低コストで環境問題を解決できるよう技術開発を進めるべき」
「一つのアプローチで2つの環境問題に対応する」などの提言と実際の熱意に溢れた行動は大いに参考になる。

例えばリバースロジスティックス的な考え方を実現に移そうとしたり、脱硫の過程で生じる石膏をアルカリ土壌に
混入して作物を育てられるようにしたり、この方の姿勢と考え方は本当に素晴らしい。

殴り書きのようなレビューになってしまいましたが、かなり具体的である分、抵抗がある人はいるかもしれないし、

実際化学知識がないとよくわからない箇所もある。でも、それを差し引いても概念として、また、中国の厳しい環境問題を
具体的に知る書として、大いに価値がある一冊だと思います。




日本の渚―失われゆく海辺の自然 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 渚とは海と陸が接する場所のことである。そういう特殊な環境のため、ほかでは見られない豊かな生態系が形成されることになる。しかし、それゆえに簡単に壊されてしまうことにもなる。人間の自然破壊がもっとも目に見える形であらわれる場ともなっているのである。
 本書には6種類の渚が取り上げられている。河口、干潟、藻場、砂浜、サンゴ礁、ヒルギ林(マングローブ林)の6つである。そして、それぞれに見られる生物と生態のバランスが語られる。多様な生物が互いに支え合うことで、渚の環境が成立していることが示されるのである。
 日本の現実の渚はものすごいスピードで失われつつある。農薬による汚染、リゾート開発による破壊など。本書では渚のもろさが強調されている。どうにかしなくてはいけないと感じさせられる一冊だった。




日本の美林 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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~著者が全国各地の美林を訪ね歩いた紀行記的な本です。著者は、単に見た目の美しさだけでなく、そこに関わる人の思いや歴史的な背景にも触れています。手つかずの原生林はもちろん美しいのですが、それをあるがままに守ってきた人々がいること、森林を守るために弛まぬ努力を積み重ねてきた結果、美林として存在しているのだということを伝えようとしています~~。各地の美林には、もちろん作者の私見もありますが、何故に美しいと感じるのか、ということがはっきりと述べられており、森林学、森林美学、森林計画学などの専門的な勉強をしている人にはもちろん、特に学術的な知識がなくても興味深く読破でいる書物です。~


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