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和書 508052 (130)



モダン・エロティック・ギャラリー〈第1集〉歌姫の告白 (二見文庫―クラシック・アート・コレクション)
販売元: 二見書房

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サラサーテの盤―内田百〓集成〈4〉 (ちくま文庫)
販売元: 筑摩書房

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百けん先生の文章はいつもどこか浮遊している感がある。本書でも東京日記やその他の作品にもそれが顕著に現れる。どこか曖昧でわけのわからない恐怖。先生の作品は下手な怪談より怖いです。




タンタルス
販売元: 筑摩書房

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 個人的にはこの本の後半に収録されている学生航空関係の随筆が印象に残りました。この「学生航空」というのは、百閒が法政大学の先生をしていた当時に立ち上げた学生活動の一つらしいのですが、百閒先生はこの活動に相当いれ込んでいたようです。

 飛行機が離陸したのを見ては涙を流したり、学生達のために早朝ものすごく早い時間に奥さんを起こして大量のお握りを作らせたり、作らされる奥さんの方はたまったものではありませんが、とにかく百閒先生はちょっとした興味感心というレベルではなく、生活を賭けて、この学生航空に取り組んでいたようです。

 まさに思いこんだら命がけ、一度いれこんだらとことんまでいく百閒先生の姿が伺えます。




ノラや―内田百けん集成〈9〉 ちくま文庫
販売元: 筑摩書房

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 とにかくノラとクルツ、この2匹の猫に対する愛情と悲しみが溢れに溢れている随筆集です。

 ある日ふらっと百閒先生の庭に現れた野良猫のノラ、百閒先生はこのノラを我が子のごとくかわいがりますが、ある日ノラはフッといなくなってしまいます。それからというもの百閒先生は死に物狂いでノラを探し始めます。その探し方と探している間の百閒先生の悲しみ方には、もはや単なる愛情や愛着という言葉を越えて、ある種の執着とでもいい得るような鬼気迫るものを感じます。
 この『ノラや』に収録されている猫探しの場面は、黒澤明監督の遺作になった『まあだだよ』の中でも描かれているのですが、映画の中での百閒先生は単なるかわいいおじいちゃんになってしまっていて、この随筆から読み取れるような愛情に裏打ちされた迫力のようなものが伝わってきません。

 百閒先生の凄まじい愛情と黒澤映画とは一味違う百閒先生を見てみたい方にはお勧めの一冊です!




内田百(けん)集成24 百鬼園写真帖 (ちくま文庫)
販売元: 筑摩書房

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ハードカバーを紛失して本品を購入しました。記憶があいまいなのですが、最後の方にお嬢さんの手記が載っていたと思います。いたずらに故人の過去を穿鑿するのはよくないとは思いますが、平山氏が書くことができなかった部分を代弁していたと思います。他刊にもしかしたら記載されているのかもしれませんが、画竜点睛を欠くように感じました。




内田百けん集成 17 (ちくま文庫)
販売元: 筑摩書房

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 内角総理大臣吉田茂を筆頭に菊池感、初代吉右衛門、三代目小さんといった文化人から大学の同僚まで、内田百閒の人間観察を堪能できます。
 中でも個人的に興味を引いたのは「支那瓦」という3ページの短い随筆です。

 この随筆は、知っている人は知っている、しかし知らない人は全く知らない出隆という人のことについて書かれているのですが、その表現を読む限り、どうも出隆は世間一般の尺度では変わり者の部類に属する人物だったようです。

 古代ギリシャ語の読みすぎで脳に支障をきたしたのか、それとも天然でそういう人だったのか、真実のほどは定かではありませんが、アリストテレス全集の役者も百閒の手にかかるとただの風変わりなじじいです。
 そんな、有名人の意外な一面がわかる内田百閒人物論集、ぜひ一度読んでみてください。
 お勧めです!




内田百けん集成21 (ちくま文庫)
販売元: 筑摩書房

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 百閒の百閒らしさが爆発している対談集です!
 歴史に名を残す、吉田茂、和辻哲郎、古今亭志ん生といったそうそうたる面々を相手に持ち前のああ言えばこう言う独特の話術が全開です。
 もしも身近にこんなじじいがいたら絶対に知り合いになりたくありませんが、傍から見ていたらこんなに愉快で魅力のあるじじいはなかなかいないでしょう。

 随筆や小説では見ることのできないお喋り百閒をぜひどうぞ!!




内田百けん集成22 東京焼盡
販売元: 筑摩書房

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 百鬼園の随筆の魅力は、その底堅いユーモアにある。彼の人生を覆った借金苦や東京大空襲による家の喪失とその日暮らし等を、ユーモラスに淡々とやり過ごすその生き方は、今の時代でも何かしらの不幸や逆境の下で生きている人々には勇気さえくれるだろう。

 でも、そのユーモアの奥底には常人には計り知れない胆力と純朴さ、人間に対する冷淡に覚めた目がある。ヒューマニズムではあるのだが、基本的に人間という生き物を突き放して観察し、一周まわったところで愛おしむような視線が感じられる。ソクラテスが死ぬ時にその弟子達は笑い転げたというエピソードがあるが、限界状況で何故か湧き出てくるこの種の「笑い」=「ユーモア(ヒューモア)」が、百鬼園のヒューマニズムの根底にあるのではないだろうか。

 火事場見物と飛行機が好きだったことが理由で空襲下の東京に残った彼の残したこの日記には、戦後に白々しく花開いた反戦的な言調は全く無い。淡々と戦時下でのその日暮らしのキツさが語られるばかりの日記だと言って良く、所々に大政翼賛会や文学報告会、軍部への批判が挟まっているものの、それがメインでは無い。(玉院放送を聴きながら理由も無く涙したというエピソードを語っていることからも、彼の政治的態度は寧ろ単に当時の日本人の一般的感覚とそれ程違わなかったのだろうと思う。)
 
 なお、この日記を編纂した元教え子の平山三郎(=「阿房列車」シリーズの「ヒマラヤ山系」)によると、GHQの検閲対策でアメリカ軍に対する辛辣なコメントは言葉遣いが一部変えられたという。つまり、僕らが今読んでいるこの日記は、オリジナルではないということだ。こんな政治的に無害な日記でも終戦直後の言論統制下ではフィルターをかけられてしまったというエピソードには驚いてしまう。そして、そんな時代だったからこそ、彼の底堅いユーモアは同時代の人に愛されたのだろう。




冥途―内田百けん集成〈3〉 ちくま文庫
販売元: 筑摩書房

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 百間の本は昔から読んでいて、ちくまで皆さんにもっと読んでもらえると思って楽しみにしてました。ただ、刊行されると最初は12巻の予定だったのが売れ出してから24巻になり、商業主義がイヤダと思いました。それだけならまだしも、最終巻に、「お詫び」として前期と後期に重複させてしまった作品が二つもあることには筑摩書房の編集者たちに怒りさえ感じました。
 刊行する以上はしっかりと全24巻出すと初めから決めておいて、計画を練ってから刊行するのが編集者の仕事ではないのでしょうか。百間の名文がただの商業上の喰いものにされていることは「謹んでお詫び申しあげ」られても許されることではありません。
 そういった意味で筑摩書房の編集者たちに対して仕事しろ「馬鹿野郎」と苦苦しく思いました。編集者たちは「お詫び」に辞職して貰いたいと思ってます。




大貧帳―内田百けん集成〈5〉 ちくま文庫
販売元: 筑摩書房

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 百閒と言えば貧乏というほど百閒先生はまさに貧乏マスターです。本職である士官学校の先生のほかに、法政大学教授、文筆業など複数の仕事を掛け持ちして世間一般の人の何倍もの収入を得ていながら、なぜか百閒先生のところにはいつもお金がありません。

 コートや背広は摺りきれて継ぎあてだらけ、帽子もぼろぼろで他人のお下がりを頂戴しながら身なりを整えます。しかも、お下がりをもらうというのに、もらうときの態度が全く下手に出ていません。むしろ逆に、あなたは自分にお下がりをくれなければならないとでも言いたげに、巧みな話術で相手からお目当てのものをせしめてしまいます。

 また、この『大貧帖』の主題でもある借金に話が及べば、その振る舞いはまさに神懸りです。なぜ百閒先生はこれほど巧みに借金をし、なおかつその借金を背負いながらこれほど飄々と暮らしていけるのでしょうか。借金というものがあまりにも日常的なものになってしまっているからなのか、それとも根っからそういう性格なのか、この随筆集を読む限り、百閒先生は金というものに対して動じるということが全くありません。
 貧乏とは何か、借金とは何か、そして金とは何か、そんな哲学的ともいえる百閒流の深い思索に基づいた「実録借金地獄のしのぎ方」そんな趣の危なくもおかしな随筆集、絶対にお勧め!!


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