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和書 508052 (131)



百鬼園先生言行録―内田百けん集成〈7〉 ちくま文庫
販売元: 筑摩書房

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 最近の若者(私も若いのですが)を見ていると、何か無理をしてでも他人よりも違う存在になろうとしているように思えてなりません。変わった服装をしてみたり、わざと奇抜なことを言ってみたり、もちろんそういった事が肌に合っているという人もいるのでしょうが、たいていの人達にはどこか「無理してるなぁ・・」という雰囲気が付きまとっています。

 そういう人達を見ていると、この内田百閒という人は本当に根っからの変わり者なのだと思います。それというのも、この『百鬼園先生言行録』は著者である内田百閒が日常の細々したことについてただ考えていることを書いただけという極めてシンプルな随筆集なのですが、その文面からは、滲み出るような変わりものぶりが伺えます。

 本当に変わっている人というのは、本人はどんなに普通にしているつもりでも、その変わり者エキスが滲み出てしまうものなのだなぁということをつくづく感じました。
 真の変わり者、真の偏屈を堪能したい方はぜひどうぞ!!




間抜けの実在に関する文献―内田百けん集成〈6〉 ちくま文庫
販売元: 筑摩書房

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「忘却論」にはなるほどとおもわされました。ゆとり教育が叫ばれる時代になり、それと共に学力低下が問題になっています。百けん先生の考えはじつに学ぶことの意味の的を得ているのではないでしょうか?




内田百間集成16 (ちくま文庫)
販売元: 筑摩書房

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 百閒の随筆の根底にある魅力は恐怖なのではないだろうか?
 それもありきたりなホラー映画や心霊番組などで経験する直接的な恐怖ではなく、幼い頃に歩いた夜道で感じたようなあの独特の、地に足がつかなくなるような恐怖、そんな恐怖こそが百閒文学の本質であり、そこから生まれる不可思議な空気感こそが百閒の真の魅力なのではないだろうか?

 この『残夢三昧』を読むとついそんなことを考えてしまう。
 右でもない、左でもない、ましてや上でもなければ下でもない、落しどころがあるようでないような、夢とうつつの紙一重をふらふらと歩く。
 そんな趣の随筆集。
 ぜひ一度読んでみてください!




居候〓々―内田百〓@6BE1@集成〈14〉 (ちくま文庫)
販売元: 筑摩書房

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居候匆々は他のどの作品にもまして、
彼のB型(と決め付ける。笑)精神があらわれてる作品だと思います。

そしてユーモアをさらっと言ってるけど
ぜんぜんさらっとしてるどころか気付いて欲しい気付いて欲しいって
思いながら言ってるっぷりが(と決め付ける。)これまた如実。

だーってその設定そのオチはないでしょ。
ヒャッケンラブ♪♪

うしろの子供用短編も、オチのテキトーぶりマイペっぷりが秀逸でスヨ。




忙中謝客―内田百間 集成〈19〉
販売元: 筑摩書房

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 時代としては、内田百閒が岡山から上京した明治四十三年から昭和四十年頃まで、その間に起こった百閒先生の自宅近辺での出来事が中心に収められた随筆集。

 もっとも、自宅といっても百閒先生の家は上京したての頃の下宿宿から始まり、戦後焼け出された後の掘建て小屋、借金取りから逃げるために隠れ住んだ安下宿、教え子達の協力で建てられた小さいながらも庭のある一軒家など様々に変わっていく。

 その移り変わりを見ているだけでも楽しいが、そこで起こった極日常的な出来事でさえも、百閒先生独特のあの軽妙な筆にかかると、たちまちどこかコミカルで浮遊感のある味わい深い出来事に変わってしまう。
 あの三島由紀夫さえも激賞した文章の達人が描く、古き良き時代の東京の日常、百閒先生の生きた時代の空気を感じたい方は必読!




爆撃調査団―内田百〓集成〈12〉 (ちくま文庫)
販売元: 筑摩書房

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 BOOKレビューにもあるようにまさに百閒先生の「こだわりが満喫できる」一冊です。
 この本を読むとわかるのですが、百閒という人はとにかくいろんなものにこだわります。しかも、我々一般人から見るとそのこだわり方が何となく変質的に思えるほどにこだわるのです。

 しかし、その変質的に思えてしまう原因はどこなのか?個人的な見解ですが、どうもその理由は物事に対する百閒のこだわり方にあるように思えます。 百閒という人は世間一般の人がこだわるような仕方で、こだわるのではないのです。

 例えば、「おからでシャムパン」という随筆が収められているのですが、普通おからを炊くというと、中に入れる具にこだわるとか、炊くときの出汁にこだわるとか、こだわりどころは主にその「味」に集中するはずなんです。ところが百閒の場合、おからについてこだわることは「見た目」なんです。おからを買ってきて、それを布袋に入れて洗い、すり鉢にいれて摺って、固く絞って山形にまとめ、その上にレモンを絞って食べる。こうするとおからが真っ白いままで気分が良いのだそうです。
 終始こんな具合で百閒先生は物事に対するこだわり方が一般人とは違います。
 百閒先生のこだわり振り(変質振り?)を伺うには最良の随筆集、必読! 




百鬼園俳句帖―内田百〓@6BE1@集成〈18〉 (ちくま文庫)
販売元: 筑摩書房

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俳人・百間ファン必携。
随筆などに比べると物足りないという方もあるかもしれませんが、きちっと作りこまれた俳句は上品でちょっぴりキュート。
俳人を目指す人にもお勧め。




百鬼園戦後日記―内田百けん集成〈23〉 ちくま文庫
販売元: 筑摩書房

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 戦後を記録した文章というと、敗戦の悔しさであるとか、開放された悦びであるとか、これまでの価値観の崩壊であるとか、総じてそういった重い内容がテーマとなっている文章が多いのですが、この『百鬼園戦後日記』に関してはそういった重苦しい要素は全く入っていません。
 この日記に書かれていることは、収入のほとんどをお酒に費やしながら三畳一間の掘建て小屋で暮らす中年男の呟きであり、その文章全体がなんとも風流な風情を漂わせています。確かに百閒先生の暮らしぶりだけを見てみれば、空襲で焼け出され、小さな掘建て小屋で満足な食べ物もないままに暮らしているのですから、敗戦後という当時の状況を思いきり反映した厳しい暮らしだったのだと思います。しかし、そんな生活状況とは裏腹に、百閒先生の気持ちの持ちようというか、心の在り方というか、そういった精神的な要素というものは極めて穏やかであり、むしろこの貧困生活を楽しんでいるかのようにも思われます。
 持ち前の偏屈と不動の美意識、そして酒に対する飽くなき執着心さえあれば、如何なる苦境もゆるゆると風流千万に暮らしていけるという、ある意味では人間の生き方の究極が、この『百鬼園戦後日記』には描かれていると思います。
 また、蛇足になりますが、百閒先生の日記や随筆の中にもたびたび登場する中村武志氏による解説が巻末に載っているので、こちらの方も必見だと思います。




百鬼園日記帖―内田百〓@6BE1@集成〈20〉 (ちくま文庫)
販売元: 筑摩書房

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 内田百閒というと、その文章からはいつもどこか飄々としていてつかみ所の無い人物像が伺えますが、この日記を読んでみると、そんなイメージとは裏腹に借金や家族の病気などで苦悩する百閒の生の姿が浮かび上がってきます。

 中でも最も意表を突くのは、この日記の冒頭に書かれている「死の不安」という告白でしょう。随筆や小説といった公に発表された作品だけを読むと、百閒は「死」というものまでも客観視して「死」と現実との狭間でゆらゆらと漂っているような印象を持ちますが、日記に描かれている百閒は「死」を恐れ、毎日ただひたすらその恐怖から逃れようともがいているようにも見えます。
 ですからそういった意味では、作品からは窺い知ることができない百閒の生の姿を知りたいという人には必読の一冊といえるでしょうし、単純に日記文学の一つとしてみても、極めてレベルの高い作品といえるでしょう。




立腹帖―内田百〓集成〈2〉 (ちくま文庫)
販売元: 筑摩書房

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 内田百閒集成の一冊目に続いて、二冊目も鉄道関係の話を集めた随筆集です。一冊目は、有名な『阿呆列車』ということで、旅の途中の出来事が話題の中心でしたが、この本では列車での旅だけにこだわらず、列車及び鉄道全般に関する随筆が収録されています。

 「列車での旅にこだわらず・・・」とかいたすぐ後でこんなことを書くのは何ですが、この本の中で私の個人的なお勧めは「九州のゆかり」と題された少し長めの随筆です。これは百閒先生が『阿呆列車』で九州方面に旅をしたときの記録をまとめたものなのですが、訪れた土地それぞれでの出来事が簡潔にまとめられていて、あたかも情景が目に浮かんでくるようです。
 表題作となっている「立腹帖」だけでなく、百閒先生の危ない訓示が読める「時は変改す」など百閒先生の列車に込める思いがぎっしり詰まった一冊です。


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