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和書 508066 (70)



女帝と詩人 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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聖書時代史 新約篇 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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本書は「旧約新約聖書時代史」(山我哲雄氏との共著、教文館、1992年、97年改訂)の「新約聖書時代史」部分を基礎に、全体を新編集したものである。あとがきによれば「おそらく元来の『旧約新約聖書時代史』と比べれば、約半分ほどが新しくなっているはず」(p.237)とのことである。
「「キリスト教」と呼ばれるに至った宗教が、その基盤のユダヤ教から自覚的に自らを切り離して独り立ちを始めたのは[…]実は紀元70年から1世紀の終わり頃である。それまでは、ユダヤ教の内部改革運動の一つであったと見なすのが事態に最も即している」という理解から「紀元70年以前のナザレのイエスに端を発する運動を「ユダヤ教イエス派」の運動と呼んで来た」著者は、本書においては「ローマ帝国とユダヤ教全般の状況に留意しつつ、まず「ユダヤ教イエス派」の姿を描き、さらにはこの運動が「キリスト教」として成立し、引き続きそれが独立した宗教としての自覚を深め、強固にしようとして格闘する時期までを略述する」とまえがきで述べている(p.v-vi)。
さらに、こうした視点から初期キリスト教の歴史を振り返ることの意義について著者は、「現在の「キリスト教」が、その観念システムも教会体制も含め、改めて自己を批判的に評価し、根源から自己変革すべき岐路に到達していることは間違いないと思われる。[…]多様な人間を生かしうる、これからの人類共生のための真の「キリスト教」はいかにして可能か、この遠大な、しかし差し迫った課題に取り組むためにも、「ユダヤ教イエス派」とそこから成長した「初期キリスト教」の姿を見定めることは、キリスト教にいか程にでもあれ関わる者にとっては、避けて通れない作業であろう」(p.235)と語る。日本を代表する新約学者の1人である著者の、この言葉に深く共感すると共に、多様な複眼的な歴史像を再構築することの重要性を今一度気付かされた。




聖書時代史―旧約篇 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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旧約聖書に現れるアブラハム・イサク・ヤコブの族長時代、モーセによる出エジプト、土師時代、ダビデ・ソロモンの黄金時代、南北分裂期とユダヤ人王国滅亡、アッシリア・新バビロニア・ベルシャによる支配、そしてアレクサンドロス東征によるオリエントにおけるヘレニズム諸王国の成立とユダヤ人の関係に歴史的な検証を加える。「カナンの地」と呼ばれた、現在のイスラエル・パレスチナは、エジプト・メソポタミア両文明の中継点にあたり、様々な民族が割拠し、ヘブライ人はその中の民族のひとつでしか過ぎなかったので、聖書の記述を検証するための他の民族・国家による文献が乏しく、これがこの書物の歴史的な解明の難しさがある。新資料(死海文書等)が現れれば歴史観が一変する分野である。本書は旧約聖書の歴史的な理解に重宝する。客観的な解説もさることながら各時代のパレスチナ、オリエントの地図や系図が豊富に収録され、きっと参考なるだろう。




戦後日本の大衆文化史―1945‐1980年 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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この本には著者の基本姿勢、つまり歴史書に載る年表、また過去の支配者や有力者の言葉や行動の記録だけを「歴史」と判断するのではなく、国家の枠に捉われない毎日の生活に沿った大衆文化思想、それは時にまとまり、時にバラバラになりますが、そこにこそ大きな価値を見出していくという強い信念が現われています。そういった価値観は、多くの人も何となく共感できるものではないでしょうか。例えば、民俗学や文化人類学に興味を持つ人ならなおさらでしょう。

戦後の漫画、流行歌、テレビドラマ、食事といった大衆文化の変遷の評論は一見価値がないようですが、それらにはその時々の政治背景や経済状況、そしてそれに対しての大衆の反応、批判、予測といった心理的要素が強く反映されやすいものです。この著作では多数の資料の駆使により、繊細にして独特な大衆文化思想の考察と向かい合うことができます。実際、戦後の街中で男女二人の歩く姿をとらえた何の変哲もなさそうな写真や「サークル」という言葉を、時代の反映として解説がなされています。

この本は、ただの過去の述懐としてでなく、プラスアルファとして現在の身の周りにある大衆文化の把握や分析する視点をもつのにも役立つと思います。また「歴史の話」(網野善彦、鶴見俊輔著)には著者の歴史に対峙するうえでの基本的立場が詳しく述べられているので、合わせてお勧めです。




戦時期日本の精神史―1931‐1945年 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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とてもコンパクトな本でありながら、扱う内容は「鎖国」「国体」「大アジア」「玉砕の思想」「原爆」などと多岐にわたる。語り口調の文章は平易であるが、しかし沢山の人物や文献を扱うことによる視野の広さや柔軟性により、そこいらの教科書的戦争の歴史本とは一線を画す。

そのなかで一番の注目はやはり「転向」「非転向」の章であろう。佐野学のように反国体団体の指導者でありながら戦争反対の立場を翻して戦争協力の意思表示をした者、宗教者である明石順三のように獄中に入れられようが意思を曲げずに戦争反対を貫いた者。その当時の社会的背景や彼らの生い立ちを重ねて捉えると、それら正反対の行動から一体何を学び、得とくすることができるのか。

転向現象をただの「裏切りによる悪」とするのではなく、
「まちがいのなかに含まれている真実のほうが、真実のなかに含まれている真実よりわれわれにとって大切だと考える」
この文章は頭にとどめておくべき名文であろう。




戦争責任論―現代史からの問い (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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占領戦後史 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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標題とは裏腹に、占領政策が中心である。レッドパージや労働組合対策など、『GHQ』ではあまり展開されていなかった部分も指摘されている。また、著者自身が占領政策研究の第一人者であることも認められる。

しかし、「戦後民主主義」への認識とそれに決定的な影響を与えた占領政策という面、そしてそれが現在においてどのような弊害を持っているかということについては極めて安直な認識といえる。

もっとも、元が1980年の出版だったという制約もあるが、自らの「戦後民主主義史観」を批判的に検証しないでは、占領の歴史的意味も明らかになりにくいのではないか。

著者は占領政策をレッドパージ=悪、その他の改革=善というような二分法でとらえる傾向にあるが、総合的に理解しないとならないのではない!か。占領政策の概説という点では、やはり『GHQ』のほうが実証度が高いようなきがする。




大正デモクラシー (岩波現代文庫―学術)
販売元: 岩波書店

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太平洋戦争 (岩波現代文庫―学術)
販売元: 岩波書店

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この本から得られるものは多いものの、残念ながら他人に薦められるような内容ではない。特に初学者は読むべきではないだろう。内容は古い上に、マルクス主義歴史学者の影響を受けているために、当初から疑問視され現在では捏造または偽証と明らかにされた資料が、無配慮に多用されている。
これは思想が偏向してしまっている結果であろう。
吉田清治の捏造本があたりまえのように資料にされているし、盧溝橋事件などは日本が最初に発砲したかのように示唆されただけで終わっている。
思想が偏向しているのは明らかである。
太平洋戦争について学ぶというよりは、昭和の一般の太平洋戦争の認識がどのようなものであったか知るためや、現代史に残る教科書裁判で有名な著者の歴史知識を知るために、研究者などに読まれるべき資料として考えるべきである。




滝川事件 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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「滝川事件」は、日本史の教科書にも出てくる有名な事件ですが、学問に対する弾圧である、という程度の認識しかありませんでした。この本では、「滝川事件」の前に起きた、戦前における大学自治の一応の確立といえる京大の「沢柳事件」と対比させ、京大内部の結束や東大との連携などの相違点をあぶり出し、事件の背景や展開を克明に描いています。
また、戦後京大に復帰し法学部の学部長となった滝川が、いかに独裁的に振舞ったか、ということ、なども含めて、「滝川事件」以後の出来事も丁寧に紹介されています。
 特に興味深かったのは、「滝川事件」に関する美濃部達吉の活動です。美濃部は「学者はいつも孤独なものだ」という信念から、東大法学部としての京大支援には加わらず、論壇で一人で京大支援の論陣を張りました。ゆえに後の「天皇機関説事件」の時も支援を他に求めず一人で戦ったのです。


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