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和書 508066 (74)



雍正帝―中国の独裁君主 (岩波新書 青版 (29))
販売元: 岩波書店

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学生のころ、『雍正帝』という見たことも聞いたこともない名前の岩波新書を目にしたとき、一体なんだろうと思って何気なく手に取りました。これが、宮崎先生の著作との出会いでした。はしがきを読んで心をひかれ、買い求めました。

読み始めると、本当に面白い。食事もそこそこに一気に読んでしまいました。どこが面白いかというと、話の進め方が実に巧みなんですね。それでいて、深い学殖の裏打ちがあるというか、膨大な資料を読んだうえで語っているに違いないことが行間に滲み出ていて、安心して読むことができました。雍正帝が天命を自覚し、職務に全力投球したことがよくわかりましたが、これを善意にあふれた悪意の政治と断ずるあたりに、宮崎先生の透徹した史眼を感じました。

故宮を訪れると、乾清宮の玉座の上に「明光大正」(これは、右から正大光明と読むのでしょうか)という額が掲げられているのが目につきます。雍正帝は、後継者の名前を書いた紙を入れた小箱をこの額の後ろに納めました。『雍正帝』を読んでいたおかげで、故宮見学の感慨もひとしおだったことが懐かしく思い出されます。






歴史とは何か (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 E.H.カーの著作で、日本でとても有名な著作。自分も高校生の時に買って、何度も挑戦してはわかりにくくて放棄し、また読んでの繰り返しだった1冊。
 今改めて読み返してみると、歴史の持つ個人的効用、社会的効用がわかり始めたような気がする。「歴史は現在と過去の対話である」という言葉がここではとても印象的に使われているが、じゃあなぜそんな対話をする必要性があるのか。
 今の社会で広範に流布している風潮は「いまを生きよう」や、「二度とないこの瞬間を大事に生きていこう」といったものが有力に見えて、そこには歴史を学ぶ必要性・必然性は欠落しているし、歴史への意識はかえっていまを生きる上で邪魔な障害物でしかないように思わせる。じゃあなぜ、歴史を学ぶ必要があるのか。
 それは、いまを生きるときの「いま」は歴史的に構築されたもので、何らかの勢力が特定の意図の下で設計した結果として「いま」が「あるがまま」にあるという事実を、歴史は学ぶ者に教えてくれるからだ。この議論は本書の中に収録されている。そのことこそが歴史を学ぶべき最大の理由なのだと思う。毎日毎日、毎週毎週、毎年毎年「いまを生きる」ばかりでは、自分たちがいる位置について知ることは出来ないし、自分たちを取り囲んでいる諸々の制度の仕組みについても知ることが出来ない。「いまを生きる」精神を要求しているのは、例えば今の産業システムであり、それを前面に立って支えているマスメディア産業であり広告産業であり、そこでは物事のもつ歴史性を隠蔽し、また歴史自体を商品にすることによって人々を永遠に「いまを生きる」状態にとどめようとする傾向をもつ。そんな状態を食い止めるのが、現状の持つ問題性を明らかにする戦略としての歴史研究だ。

 そういう風に考えれば歴史研究は実はとても過激なインパクトを齎すことの出来る分野でもあり、普通に生きている人々にとっても「いまを生きる」際の基本的なリテラシーともなり得る。この著作は、そんな視点からの読解にも耐えうる、中身の濃い1冊です。




裏日本―近代日本を問いなおす (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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田中角栄の評価を巡る、中央と地方の温度差。ナホトカ号事故による流出油への政府の対応の鈍さ。本書の問題意識は、新潟大学に籍を置く著者自身のこれらの経験から感じた違和感から始まる。太平洋側に比して、日本海側は歴史的に差別され、「裏日本」として「表日本」との間には大きな社会的経済的格差が醸成されてきた。本書は、そのような「裏日本」から見た日本の近代史である。

明治以前には穀倉地帯として豊かさを謳歌してきた「裏日本」。維新後には国民国家建設と近代化の過程でヒト・モノ・カネの「表日本」への移送システムが形成され、停滞地域とさせられていく。「裏日本」からの膨大な地租・地代が資本に転化し、太平洋側地域における社会資本整備に投下されていく様は、なるほど近代化するということはこういうものかとハッとさせられるものがある。自分の思考の枠組みにおいて所与のものとして居座っていた近代国民国家の成立と展開が、「裏日本」という視点に立つことによって発想の転換を促してくれる。1997年に書かれた若干古い本であるが、日本海を巡る国際情勢及び地域格差の問題は現代日本においても未だペンディングな問題であり、本書はそれらを考える上でも不可欠な視座を提供してくれるだろうと思う。





絵で見るフランス革命―イメージの政治学 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 私は、この本は結構面白いと思った。 最近なにかと話題の多い「フリーメーソン」!この秘密結社によく出てくる「ピラミッド」と例のあの「眼」!それが、このフランス革命関連絵画にもちょくちょく出てくるのだ。アメリカの独立戦争の影響を受けたといわれるフランス革命。そのアメリカの独立に少なからず関係しているといわれる、「フリーメーソン」、なにやら怪しげな関係がありそうな、なささうな。 このへんのところは、ダン・ブラウンが、そのうち、明らかにしてくれるだろう。




絵地図の世界像 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 中世を代表する「行基図」タイプの日本地図には、羅刹国と雁道という、見慣れない地名が存在する。本書は、前半でその正体を明らかにし、後半では中世日本の世界認識へと迫っている。
 従来の説を破棄し、自説の正当性を証明する手際は見事。『今昔物語集』など、当時の知識体系の共通基盤をきちんとおさえた分析で、単なる絵地図研究から世界観の問題へと飛躍しても、説得力がある。




江戸の絵を愉しむ―視覚のトリック (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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実にユニークな本です。江戸時代の絵、屏風やふすま、巻物に掛け軸などなどの見方を解説している本です。
今までいろいろ本を読んできましたが、日本の伝統画に対してこれほどまでにユニークな視点で語るのを読んだのは初めてです。

内容は江戸の絵なのですが、いかに人の目を愉しませるかということで語られ

ています。江戸はさておき、エンターテイメントの世界で活躍されている
方々に非常に参考になると思います。例えば、巻物の見方の項目でいうと、
巻物は開いて見るということによる時間経緯が考慮されている作品があり、
制約された条件の中で物事を動的に語るとてもいいサンプルだと思います。

そんなわけで「江戸の絵を愉しむ」という陳腐な本のタイトルで読む人が
限られてしまう!可能性があるのは非常に勿体無いと思います。




江戸の訴訟―御宿村一件顛末 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 「江戸の訴訟」といっても訴訟一般についての概説書ではなく、富士山麓の御宿村で起こった事件が決着に至までの過程を、当事者の記録をもとにたどっている。特定の事件をとりあげることで、当時の裁判の様子を明らかにしようというものだ。
 穏便に済まそうとしたばかりにかえっておおごとになり、村の実力者が江戸に呼び出される。出費もばかにならない。
 吟右衛門という人物が中心になっているのだが、その記録によれば、一件落着までにかかった費用は総額241両余り。裏工作のために費用も含まれているが、幕末間近の農村で負担するにはあまりにも高額であると思うのだが、吟右衛門は、そのうち40両あまりを自分で負担している。意外に豊かだったのかもしれない。

 この金額にも驚いたが、事件!の当事者で村を出奔した者が江戸にいて、吟右衛門たちと会ったりしているのにも驚いた。同胞意識、郷土意識というのは、現代とはだいぶ違うようだ。




江戸の旅文化 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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旅を柱に中世の江戸人が生き生きと描かれている。
こういう本を読むと、人間の行動心理というのは今も昔もそんなに変わらないのだなあと思った。
しかし、人間の移動がかなり制限されていた時代だから、旅は命がけだし、もう一度そこにいけるとは限らない。
昔の江戸の人の世界観や死生観も見て取れた。
何でも見てやろうというバイタリティーに驚く。




江戸の見世物 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 籠細工からラクダ、象、軽業、生き人形と、見世物あれこれ。
 寺社と結びついて持ちつ持たれつであったとは初めて知った。
 最近読んだ「大江戸奇術考」は、奇術のテクニック、つまり、演じる側に焦点を当てていたが、これは、見世物としてどうなのか、という点が重視されている。

 また、これも最近読んだ「安政大地震」では、とても見世物どころではなかったように思われるのだが、この本を読むと、軽業の見世物が大好評なのだ。しかも、天才軽業師は、明治維新を待たずして渡米し、興行を打って、アメリカで客死している。
 何もかも知らないことばかり。
 先行研究に頼らず、一から資料を調べ直しており、信頼が置ける本である。




王陵の考古学 (岩波新書 新赤版 (676))
販売元: 岩波書店

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