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和書 508066 (75)



沖縄現代史 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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女たちがつくるアジア (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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グローバリゼーションと開発、そして経済成長。これらは20世紀後半にアジアが達成してきたサクセスストーリーである。

しかしその物語には女性やマイノリティの悲惨な犠牲の不可視化があった。本書はそのような隠蔽されてきたもう一つの現実を鋭く描き出す。

人身売買、エイズ、国際移住労働の女性化といった問題には衝撃を受ける。同時に著者の取材力には感嘆を禁じえない。ジャーナリストのあるべき姿が本書には垣間見れるといえる。

本書を通し、悲惨な現実に屈することなく、国境を越えて連体し、現実を変革しようとする女性達の運動が見えてくる。今、それはまだまだ小さいながらも一つの不可逆の潮流となってアジアを覆い始めていることがわかる。

今、巷では東アジア共同体が叫ばれている。しかしそれらの構想には、各国が経済成長を達成することで均質な市民社会が生まれ、それが共同体形成の土壌になるとするなど、各国の進める新自由主義的な経済構造改革にあまりにも無批判なものも多い。経済成長や市民社会の枠から零れ落ちる人々の存在が捨象されているのである。

「誰のための」「何のための」共同体を作るのか。10年以上も前の本だが、本書の問いかけは今なお現在的である。





刀狩り―武器を封印した民衆 (岩波新書 新赤版 (965))
販売元: 岩波書店

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 著者も言うとおり確かに戦後歴史学は日本史を大幅に見直してきた。太閤検地については論争も起こり数多くの論文が書かれきた。しかし同じ秀吉が行った有名な政策の「刀狩り」については、史実をまともに追求した研究はゼロだというのには驚いた。著者が言うように、我々日本人は秀吉の刀狩りで身も心も裸にされてしまったという思い込みがあったらしい。

 結論から言えば、秀吉の刀狩り(あるいは明治初期の廃刀令も)は、武器の所持そのものを禁じたものではなかった。それは百姓・町人に対して人を殺す権利の封印を求めたもので、自衛用に脇差の携帯は認めるが、公然と帯刀することは禁止して武士との身分差をはっきりさせるためのものだった。その意味では、敗戦後にマッカーサーがすすめた刀剣類の武器没収が、日本人の武装解除としては史上最も効果的だったらしい。

 飢餓・内戦のうち続く戦国時代の悲惨な現実を多くの本に描いている著者らしく、刀狩りによって非力な民衆が武装解除されたのではなくて、戦乱の世の悲惨さを体験し平和な社会を切実に希求する民衆のコンセンサスが形成されたことによって、武器は所持してもその使用を自ら封印し平和な社会を主体的に実現したというのが本書の主張だが、まことに興味深い。




カラー版 古代エジプト人の世界―壁画とヒエログリフを読む (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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古代エジプト人にとって、墓内部に描いた壁画・文字(ヒエログリフ)は、墓主の死後の世界における生活になくてはならないものと考えられていました。たとえば、壁画として描かれた食料は、死後の世界での現実の食料となり、文字は死後の世界を正しく進む手引きとなると信じられていたのです。つまり、墓内部の壁画や文字は、死後も 「永遠」 に現世と同じ生活を送るために必要なものでした。

本書は、壁画のカラー写真をふんだんに使い、そこに描かれた絵に託された古代エジプト人の思想・願いを解説しています。現代の私たちが数千年前に描かれた壁画やヒエログリフを見て感動するのは、彩色の美しさなどはもとより、古代エジプト人がそこに込めた 「永遠」 への強い想いを受け止めているせいかもしれませんね。

年々、撮影はおろか、一般人には立ち入ることさえ困難になってきているエジプトの墓群。値段 対 資料的価値 という点でもお買い得の一冊です。
また、巻末に 屋形 禎亮 氏 による 『古代エジプト人と墓壁画』 と題した壁画論がありますが、これが逸品。重要な点をコンパクト、かつ不足なく書いてあり、著者には失礼ですが、壁画写真とこの小論だけでも 「買い」 の一冊です。

ただ、壁画や文字の写真について、「何々某の墓」 という出所と年代・簡単な解説が付記されていますが、「何々某」 についての詳しい歴史への言及や解説はありません。
古代エジプト初心者の方は、もう一冊、古代エジプト通史の本を傍らに、併読されることをおすすめします。




環境考古学への招待―発掘からわかる食・トイレ・戦争 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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広島県中世の港町、草戸千軒遺跡から完全なサケの椎骨が出土した。「ああ、サケも食べていたんだ」と分かるだけなら私でもできる。著者は推理する。「このサケは地元からは獲れない。椎骨の大きさからすると、東北か北海道の一メートルクラスのものだ。縄文時代の加工方法(燻製・乾燥・冷凍)で山陰から来たものだろうか。しかしその加工法では硬くなった身を食べるために、石皿などで骨ごと叩いて柔らかくしないといけない。椎骨は残らない。このサケは瀬戸内海ルートで塩蔵によって保存されやってきたものである。柔らかい切り身として食卓にのったのだ。」ひとつの骨から、当時の交易ルート、保存方法まで推理するのである。

骨の推理は魚だけではない。動物・人間さまざまなものが対象になる。骨の切り口から当時の魚の料理方法を。馬の骨の葬り方から、殉死があったのではないか。骨の傷跡から当時の人々の『死』に対する思いを推理していく。あるいはトイレからさまざまな情報を手に入れる。垣間見える当時の庶民の暮らし。推理小説のようにわくわくするような『発見』の喜び。私が考古学が好きなのはこう言う一瞬の喜びに出会えるからなのである。この本は珍しくそういう『センス・オブ・ワンダー』に溢れた学術書になっている。




韓国併合 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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本書は著者の言う通り「外交史」の本であった。外交史の書としては誠実なものであり、その視点もかなり公平な本である。文章も、硬いが簡潔・明晰な名文だ。ただ、本書を読んでも、その後の日本近代史を規定した(今現在も規定し続ける)「韓国併合」の評価を、読者が自分なりに持つことはできない。その理由は、本書には、当時の韓国民衆の真の姿、韓国支配層の政治意識形態や個人的パーソナリティーなどが、ほとんど書かれてないからだ。日本、英米、ロシア、中国の民衆の実像やエリート層の思惑、社会・経済体制についても、あまり触れられてない。要するに広漠とした歴史の実相から外交史のみを抽出したものにすぎない。だから本書を読んでも、鳥瞰図を得ることができない。虫眼鏡で象の腹を観察しているような視野狭窄的な気分になる。何だか年表を見ているようだ。ただ色々な疑問や問題意識を抱かせてくれる本ではあり、その意味では良書だろう。
韓国が清と同じく無力だったのは、中国の国家システムとその延長である対外システムが、英、仏、日の国民国家システムに敗北したということだろう。




奇人と異才の中国史 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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歴史上の奇人異才とかの記述ってこんなもんなんでしょうかねぇ?はっきり言って、学生時代に読んだ歴史の教科書のようで・・・たいくつ。 56人羅列されても すぐ忘れてしまいます。まぁ、中国史に触れる入門書程度かな?




義賊伝説 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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ギリシア人の教育―教養とはなにか (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 「はじめに」と「おわりに」では、大学における教養教育の現状について長々と語られている。本書が出版されたのは1990年。各地の大学で教養課程が廃止・再編された時期であり、著者も大学行政でだいぶ苦労したことが察せられる。その教養部廃止への抵抗として書かれたのが本書となる。プラトン、イソクラテスの教養思想を読み解くことで、教養の必要性を訴えている。
 しかし、そうした目的が先行したことで、学術書としては失敗作に終わってしまっている。論の運び方がいかにも強引で、信用できない。
 また、示される結論もありきたりで、大学の教養教育を考える上で資するものは何もなかった。




熊野古道 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 著者は日本中世史を専門とする人物。本来は荘園制の研究者というが、和歌山大の先生だったこともあり、熊野古道の調査にも関係していたらしい。
 2000年という、熊野古道が世界遺産に指定され、どっと観光客が増える直前の時期に出版された本。けっこう売れていると思うが、内容はいまいちだと思う。
 前半は、中世の熊野参詣について。現存する紀行文などを利用して、ルートの固定化、街道筋の整備、参詣者の足取りなどが分析される。
 後半は、実際に自身が歩いた中から、おすすめの箇所やコースを紹介するというもの。中辺路だけでなく、小辺路、大辺路、伊勢路も取り上げられている。ただ、世界遺産指定後の整備により、現在では随分と様子が変わってしまっているところが少なくない。実際に歩こうと思うなら、別にガイドブックや下調べが必要。
 全体を通じて、まとまりがなく、思いつきだけで書き進めているような印象が強い。読んでいて、熊野参詣の歴史や心性について、理解させられるものが少ない。



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