戻る

前ページ   次ページ

和書 508080 (211)



日本の天文学―西洋認識の尖兵 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

 1928年に生まれ、ハーヴァード大学で博士号を取り、『科学革命の構造』を邦訳した科学史研究者が、「日本という歴史的・地理的局所性に条件づけられた天文学の位相」を主題として1972年に刊行した新書本。1992年に第3刷が発行されているから、地道に売れているらしい。著者によれば、日本天文学はかつては中国、のちに西洋一辺倒であり、独自のオリジナルなものはほとんどないと言って良く(!)、本書の関心は文化史・社会史的な異文化の対決の実験場としての日本天文学史にあるということである。その上で、日本の天文学は日本における西洋認識の尖兵、近代化の前衛としての役割を担っていたという。具体的には、第一章で古代における日中の天文学と暦学の位置付けの差異等が述べられ、第二〜五章では江戸時代における改暦と中国系天文学から西洋近代天文学への重心移動(ただし発想の大枠は中国系のまま)、その際の幕府天文方、長崎通詞、仏僧(仏典擁護の梵暦運動など)、儒者(宇宙論を捨象ないし軽視)、神道家(儒仏批判のために西洋宇宙論を導入)の動向が論じられ、第六章では明治以降の西洋近代天文学の全面導入、大学での天文学者養成への過程、大望遠鏡の開発(科学の保守化へ)と20世紀における物理学の「侵入」(天文学の存立基盤への問いへ)が紹介される。対象については古代〜戦後の日本・中国・西洋の大きな天文学の流れが押さえられ、方法面では異文化の選択的受容の問題や科学革命に関する議論が踏まえられており、社会における学問一般の意義についても考えさせられる本である。数式などの紹介は少なく、私のような非専門家にも気軽に読めた。刊行年次からして古さは否めないが、現在の学問の細分化の中では、本書のような基礎を踏まえた大きな視野をもつ著作は非常に魅力的である。
       




小判・生糸・和鉄―続江戸時代技術史 (岩波新書 青版 863)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






地球の歴史 第2版 (岩波新書 青版 887)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






放射線と人間―医学の立場から (岩波新書 青版 913)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






物質理論の探求―ニュートンからドールトンまで (岩波新書 青版 970)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

学校で自然科学は、しばしば結論しか教えないことがある。
しかし、なぜそういう考えに至ったかの経緯を知らないと、うまく納得できないこともある。試行錯誤の結果得られた結論を、試行錯誤せずに暗記しても役に立たないこともあるかもしれない。
ニュートンは名前は知っていたが、錬金術との関係はよく知らなかった。
ドルートンは、原子表の記述の中に出ていたような記憶もあるが、何をした人かはよく知らなかった。マンチェスタの文学哲学協会が、イギリスの王立協会に次いで古く、現在も存在していることは本書で初めて知った。
そういう意味で、化学や物質についての勉強をしている人にぜひお勧めしたい。





日本人と近代科学―西洋への対応と課題 (岩波新書 青版)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

 明治期に日本に導入された「科学」について、代表的な学者の数人を取り上げ、論じた著作。前半は物理、後半は進化論を扱っている。物理学では東大の最初の日本人物理学教授・山川健次郎、魔鏡を研究したお雇い外国人教師たちが描かれる。

 熱を込めて、また系統的に論じられているのは後半の進化論の部分。モース、丘浅次郎が社会ダーウィニズムの導入などと絡めて検討され、再評価が試みられている。日本人の自然観と社会ダーウィニズムの連関性が、西洋の自然観・キリスト教と結びついて発生した進化論との対比を持って語られている。

 説得力という点ではやや不満が残り、1976年出版という古臭さがマイナスではあるが、日本人と進化論の問題を考える上では、現代でも有効な示唆に富んでいると思う。




数学入門〈上〉 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

・前半:小学 図形:中学 複素数:高校数学 といった印象。
 受験数学の範囲に解説をとどめている。
 (「”正n角形をつくることは、z^n-1を解くことに他ならない」など)
・「マイナス×マイナスは、なぜプラスか」(数直線のアレ)など、
 斬新さはないものの、うまくまとまっている。(初版の古さから、むしろ元ネタ?)
・それに至る歴史や逸話を加え、好奇心を満たす点が、新書らしくて良い。
 1章や”数の世界が拡大するきっかけ”についてが、面白かった。
・理系学者的な文章で、非常に古い書籍(初版59年!)ということもあり、
 楽しませてくれる性格はない。

気になった点をいくつか。
・それまでののどかな印象が、図形辺りから、急に数学的になって、面食らう。
 (確かにそれまでは、無理に低い基準に話を合わせている感)
・入門と銘打ちながら、解説・証明で、初学者に対する配慮に欠けている。
 例えば、「分数の掛け算・割り算はなぜ減る・増える?」に対して、
 割り算に対してしか回答を示さないのは、理解に苦しむ。
 (掛け算は割り算の逆、ってことで決着をつけている?)
 著者にとっては当たり前でも、一文を添える添えないの違いは大きい。

高等な内容を扱わない(「ここからが面白い」という手前)、
独特な痛快さは得られないため、理系大学生以上に適うものではない。
「学生時分に勉強していれば」という大人に強くお勧め。




数学入門 下  岩波新書 青版 396
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

数学の学習の場で良く出てくる質問は「なんでそんなことを思いついたの?」「なんでそんな公式(規則)を作ったの?」ということです。そういう場合は、その思想の背景・経緯をキッチリと知ることが重要だと思うわけです。そういう意味でも、この本は素晴らしいです。単なる数学の公式の説明で終わるのでなく、「何故そんなことを考える必要があったのか」を各種エピソードが織り交ぜつつ平易に解説されます。(「数楽な人」も「数が苦な人」も)そのエピソードを読むだけでもかなり楽しいです。分数、負の数、無理数、複素数に関して、「なぜそんな規則で計算するのか?」ということがキッチリと平易に説明されています。そこには数学者のロマン・生き様も詰まっていることも分かります。(なにせ、無理数の存在に気づいて、暗殺されてしまった人も居たそうです...)

「詩人でないものは数学者になれない」という数学者の言葉も引用されていますが、本書を読むと遠山先生も詩人なんだなぁと思いました。本書を読んで「数学には実は自由奔放で幻想的な側面があるのだ!」とお気付きになった時、ご自身の中に《科学的美的感覚》が自然に芽生えている(or 更に磨かれている)ことにもお気付きになることでしょう。(^-^) (そのような《科学的美的感覚》が数学における発明に必要なのだ、と数学者・アダマールが著書「数学における発明の心理」で主張しています)




脳の話 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

知人に入門書としてよいと薦められ読みました。正直非常に古い本(1962年 第一刷 1995年第56刷!)なので友人の勧めがなければ読んだかどうか。

ただし、入門書としては非常によいと思います。
脳研究の歴史、生物学的にみた脳の進化の過程、脳の各部分働き、そしてそれらを確認するため先人達が行ってきた実験などを、非常に分かりやすくまとまっています。

特に現象や各種実験については、実験の詳細を一般人に分かりやすく、具体的な数値を列挙して説明しており、なるほど昔の人はこういった現象からこういった疑問をいだき、こういう実験でそれを確認したのか。といちいち感心しました。

(しかし、図の説明に時々分かりづらいところがあったので、星4つとしました。)




人間であること (岩波新書)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

時実先生は日本の脳神経科学における大家であるが、一般向けに書かれた本も多い。本書もそういった内容で、序盤こそ脳神経系の基本知識の紹介であるが、後半は文化、教育、芸術といった部分まで記述がなされている。とはいえこういった部分になってくると、脳に関する記述との関係がもはやはっきりしなくなり、著者の考え、エッセーといった感じが強い。興味深い考察(筆者の考え方)も見られ、読み物として面白いと思うが、いかんせん時代差を感じてしまうこと、ここに書かれていることを「正しい」脳神経の知識と勘違いしてしまうと間違いだということ、それらを差し引いて星3つとした。
時実先生の研究なさっていた時勢と現在では、考え方も環境も、そして何よりの神経科学の進歩も異なっているため、本書に書かれていることは、知識、コモンセンスとして受け取るよりは、この時代におけるいち研究者から見た一つの考え方、物のとらえ方として楽しむのがいいだろう。もちろん、現在の脳神経科学がいかに進歩しているのかを知るために、今の研究と比較しながら読んでみるのも有益なことだと思う。
読んで損になるということはありません。必ず得るものはあると思う。


前ページ   次ページ

戻る

仮想世界 - シューティング/レース/電車ゲーム フライトシミュレータ