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和書 508082 (148)



柳田国男の民俗学 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 日本が高度経済成長期に入る前の1962年、柳田国男は世を去った。それ以来、日本人に大切なものが失われてしまった。精神の貧困である。本書は、日本人の誇りの学とも言うべき柳田民俗学を、精神の深さにおいてとらえようようとしている。
 柳田の『海上の道』の究極の主題は「日本人はどこから来たか」という民族渡来の問題と「日本人の魂はどこへいくのか」という日本人の死後の問題の探究にしぼられる。それはまた、時間としての他界と、空間としての他界とが交じり合った世界である。
 柳田は日本人の信仰の中で最も重要なのは、再生の観念であることを強調している。『先祖の話』の中でも再生を論じた「生まれ替わり」や「七生報国」の項目がある。
 日本人の他界観、来世観の研究は、宣長・篤胤などの国学者をもってしても、大きな発展は望めなかった。それを可能にしたのは、南島民の世界観をよりどころにした柳田国男と折口信夫であった。それによって古代人の他界観の秘密が私たちの前に開かれるにいたった。
 折口が死の国が真っ暗で畏怖に満ちていると考えたのに対して、柳田は、海上の東方に浄土があり、しかも光明まばゆい場所でることを力説した。いずれにしても、海彼=海の彼方に祖霊の宿る他界があると信じ、日本人の魂魂の問題をとらえたものとして評価している。それはまた、今の日本に必要な精神であると思われる(雅)




豊かさの精神病理 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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ああ、こういう人いるよなぁ〜っ、と
おもしろさ(興味深さ)ゆえ納得し、
自分のことを反省することもできた。
キーワードは「モノ語り」
豊かさゆえのアイデンティティの欠如。
「モノ」を拠り代にした心の安寧。
現在の「格差」意識の流行を背景として
読んでみても非常に興味深い。




ヨーロッパ市民の誕生―開かれたシティズンシップへ (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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ヨーロッパに今、新しい風が吹いている。伝統的に国家は「国民」を対象に福祉などの社会保障を提供してきた。しかしながら旧植民地出身者や非西欧からの移民労働者の流入は、欧州の各国において「シティズンシップ」を共有し得ない人々の増大という事態を招き、欧州各国はEUを軸に、「国民」を対象とした「シティズンシップ」から、より「開かれたシティズンシップ」への道を切り開きつつある。本書はそんなヨーロッパの今を伝える格好の入門書である。

本書における「シティズンシップ」とは、法的概念としての市民権にとどまらない、人々の行為やアイデンティティに関する社会学的なコンセプトである。「私達が一つの社会に生き、その社会の平等なフルメンバーと認められ、自らもそう感じていて、定められた諸権利を正当に行使でき、定められた諸義務を果たさなければならないとき、「シティズンシップ」が成立する」(P2)。

既存の国民国家体系の下で抑圧されてきたカタルーニャなどの地域アイデンティティの再生。帰化を選択せず、「デニズン」化する膨大な数の移民たちの存在。価値観の多様化と新しい家族やライフスタイルのあり方・・・。ヨーロッパは今、画一を求める「近代」の体系から、様々な形のマイノリティを抑圧しない寛容な体系へ、すなわち「開かれたシティズンシップ」の体系へと変容しつつあるというのである。

楽観的に過ぎる感も否めないものの、しかしながら現在のEUを軸とした欧州の変容の方向は可能性に満ちたものであるのは事実である。著者は繰り返し日本の状況との比較の視点を提示しているが、まさにこれからの日本が国際社会の中で生きていくうえでどんな国のあり方を構想していくのか。そんなことを考える上でも欧州から学ぶべきことは多いに違いない。





ヨーロッパとイスラーム―共生は可能か (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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ムハンマドは570年頃から632年の人で、610年頃イスラーム教が成立しイスラーム国家が成立された、とされている(山川世界史総合図録、山川出版、1994年)。636年ビザンツ帝国ヤムクールの戦いでイスラーム教に敗北、674年にイスラーム、コンスタンティーノに迫り、697年には北アフリカ・カルタゴなどを占領、750年―1258年アッバース朝、800年頃イスラーム文化全盛、875年イラクにサーマーン朝、909年ファティーマ朝、1038年セルジューク朝、1096―99年第1回十字軍、1147―49年第2回十字軍、1189―92年第3回十字軍、1202―04年第4回十字軍、1288―29年第5回十字軍、1261年ビザンツ帝国再興、1299年オスマン帝国独立。
こうした中東の流れの中で東アジアから北アフリカ、イベリア半島までイスラームの勢力が及ぶことになる。
近代ヨーロッパの文明はギリシアから直接に伝わったわけではなく、数学、医学、化学などの自然科学や哲学も、8世紀から9世紀にかけてバグダードにおいて古代ギリシア語やシリア語からアラビア語に翻訳されたものである。9世紀初頭「知恵の館」という図書館兼研究所で大掛かりに翻訳作業が行われた。それらの蓄積は12世紀にヨーロッパに伝えられた。中世アラビア世界で独自の世界を切り拓いたイブン・シーナー(『医学典範』)やアル・フワーリズミー(コンピュータなどの計算法のアルゴニズムの始祖)などの業績が古代ギリシアの壮大な知の体系とともに、ヨーロッパにもたらされた。12世紀のルネサンスもこうした「知恵の館」抜きには成り立ち得なかった。
ところが18世紀になるとヨーロッパに富と力が集積し、ヨーロッパ世界は、歴史を抹消しイスラーム文明に対して傲慢な態度に変わった。ムスリムはキリスト教を敵視せず、イスラーム王朝の支配下におく時には、庇護を与える見返りに人頭税の支払いを求めた。イスラーム国家の支配による安全保障でキリスト教徒とユダヤ教徒との不平等であるが、共存を可能にしたシステムであった。
他方、キリスト教徒は過去千年以上にわたってムスリムを敵視し、恐怖と嫌悪を抱き続けてきた。特にエルサレムがムスリムによって支配されると十字軍を送り込み、蛮行を続けたのです。そして今でも中世の十字軍的な対イスラーム観は、今もなお、続き、特に1997年のイラン革命以降、イスラーム脅威論がアメリカを中心に支配的となっている。
ヨーロッパには、イスラームが禁じる酒や売春、そして麻薬にいたるまで、あらゆる欲望が渦巻いており、移民としてわたったトルコ人やアルジェリア人などをそうした道へ引きずりこむのである。
残念ながらいまひとつ決め手にかけているのはイスラーム教そのものへの言及が少ないためであろうと思われます。




ラッセルのパラドクス―世界を読み換える哲学 (岩波新書 新赤版 (975))
販売元: 岩波書店

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久々に哲学関係書を読んだ。
一読してすっと落ちるほど簡単な話ではないが、丁寧に解説されていると思う。
他に読んだことのあるラッセル本は確か田村三郎「パラドックスの世界―星間・逆説の旅」(講談社ブルーバックス)だけだと思うので数学パズルのイメージがついていたのだが、偏ったイメージが正された感じだ。私は論理学にも数学にも明るくはなく、どちらかというと物理帝国主義で、論理学も数学が包含するものだと思っていたのだが、そこはどうやら鶏と卵のようだ(ラッセル、あるいは本書の見解とは異なるようだが)。

哲学の普及書は本書のように人の名を冠していることが多いように思うが、これは人物ベースでなければ整理・体系化できない、ということなのだろうか。
論理学の考え方は中学高校あたりの課程に組み込み、思考ツールとして使えるようにするのが有益と、本書を読み、偽装だ格差だ不作為の結果だといった世相を見るにつけ思う。しかしラッセルのような著名な学者にして人生のうちに考え方の大きな振幅を持つようではそれも難しいということか。




良心の自由と子どもたち (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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本書は、著者の専門的な研究を一般の方にもわかりやすいようにしたものです。思
想・良心の自由や「日の丸・君が代」強制の問題など、教育に関する問題を憲法的
に分析しています。

著者は、雑誌『世界』5月号に「日の丸・君が代」強制をめぐる裁判に関する論文
を掲載したのですが、それが現在、大きな議論を呼んでます。雑誌のなかで著者
は、「教師が思想・良心の自由という基本的人権を口にすること自身が悪い冗談の
ように響く」と言い、教師は国家と同じ‘権力者’だから人権など持たないと主張
します。本書も、細かく読むと同じことが言われています。著者の基本的な立場
は、以上のようなものです。

多きな議論をよんでいる著者の考え方を分かりやすく知ることができる本書です
が、なにが一番子どものためかをよく考えながら読まれることをお勧めします。

因みに、憲法の思想・良心の自由については分かりやすく書かれていますが、教育
と人権のかかわり(特に、教師の教育の自由)についての叙述は、教育法学の通説
とは全く異なるものであることを指摘しておきます。




若者の法則 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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最近の若者は…という言葉は、いつの時代にも存在するものだ。だから、イマドキの若者がおかしいというわけではない。自分たちだって、今までそうやって言われてきたんだから。
でも、若者ではない自分にも、いくつか、若者の中に当てはまる部分があった。
あと、どうしてか分からない、行動もそういう事だったのかと少し理解ができた。
活かすべきは活かし、取り入れるべきは取り入れる、それが大事だと思う。

しかし、昔はやった、お酒の一気飲みはよくないとは思うが、さしつ、さされつ…みたいな団結した飲み方がなくなった?のは少し寂しい感じがする(まぁ、そういう仲間と飲めば良いだけの話だが)。

ひとつのテーマに対しての文章が短いので、内容が薄く感じてしまい、そこが残念だ。




高齢化社会ときみたち―21世紀にはどうなる (岩波ジュニア新書)
販売元: 岩波書店

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心理学ってどんなもの (岩波ジュニア新書)
販売元: 岩波書店

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自分が高校生でなくなってから、また我が家の子供たちが高校生でなくなってからずいぶん経つので、間違っているかもしれないが、心理学の知識がほとんどない高校生が読んでわかるとは、とても思えない。専門的な用語(刺激とか方略とか、因子分析・パス解析とか)がほとんど説明無しに出てくるという点で、非常に不親切だと思う。
また、Q&A式でかかれているのは、親しみやすくするためなのかもしれないが、心理学全体の全貌が見えてこない。役に立つのは、最後の進路ガイドのところだけと言ったら言い過ぎだろうか。
それから、このジュニア新書は縦書きでいくという方針なのかもしれないが、現在、心理学の本で縦書きのものがどのぐらいあるのだろう。数字などもたくさん出てくるし、横書きならもう少し読みやすいのではと思う。




人権読本 (岩波ジュニア新書)
販売元: 岩波書店

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人が人らしく生きているとは一体どういうことだろうか。
本書では子ども、高齢者、ハンセン病など15章から成っており、自分だけでなく、他者においても人権が大切だということあらゆる事例を通して述べております。

オムニバスなので章ごとに全くつながりがない部分もありますが、それが逆にどこの章からでも読みやすくなっています。

個人的には外国人問題をもっと取り上げてほしいと思いました。


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