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和書 508082 (147)



日本の神々 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 神の原型に迫りたいと思うとき、本書は光彩を放つ。
 記紀以前の日本の神々の手がかりを奄美・沖縄の神々の中にその手がかりを求めることができる。南の島の菫ほどの小さな神々に心を寄せ、それらの「小さく」「可畏き」神々が必ずや日本人の根底に横たわる世界観や死生観を解明する手引きになると著者は考えた。本居宣長は「可畏きものもの」をカミと言った(「古事記伝」)。この定義ほど日本の神の本質を言い当てたものはない。
 人の一生の中で誕生の時期は最大の危機であった。八重山では、生れたばかりの子供が初めて外出するときは、鍋墨で×印や十印を顔につけられた。これは邪神の侵入を防ぐまじないであった。喜界島では、子どもが生れると、母が臍をついでいる間、家人の誰かがウブガミの代わりにイヤギ(斎矢木)をさす。「魔がさす」という言葉もこのあたりに由来するものであろう。
 神々は一様ではない。日本列島の中央部である葦原中国にも異風、異俗の神がわがもの顔に横行した。特に夜は「可畏きもの」たちの跳梁する舞台であった。古代日本と八重山の双方に、はるかな時空を超えて、夜は人間の力を超えた゜神の世界であるとする考えがあった。
「万葉集」には「不相鬼故(逢はぬものゆゑ)」のように「オニ」を「モノ」と訓む。「カミ」の否定的側面を表したものとみることができる。先住の神を「邪(あ)しき鬼(もの)」呼ばわりしたのである。
 本書には、実にさまざまな日本古来の神々が紹介されて、読者を飽きさせない。
 
 




日本の教育を考える (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 宇沢氏曰く、教育とはこれすなわち「すべての人間的営為について、一人一人の子どもが
もっているインネイトinnateな知識、能力と後天的に獲得してきた知識、能力をできるだけ
大事にして、それを育てることによって、知的、身体的、感性的発達をうながし、一人の
社会的人間として大きく成長することをたすけようとするもの」である。

 氏の教育論は概ねこの定義によって知られよう。しかし、表題からして単に教育論を期待
して手に取ると、やや裏切られることがあるかもしれない。本書において語られるテーマは
例えば、デューイを中心としたアメリカのリベラリズム教育論、学生時代、教授生活から得た
経験談――というよりも、極めてプライヴェートな思い出語り――、数学への思い、戦前から
戦後に至る文部省主導の教育制度批判、極めて簡潔に触れられる理想の教育スタイル等々。

 その名が私の気づく限り一度として現れなかったことはいささか疑問なのだが、氏の主張は
かのジャン‐ジャック・ルソーの著書『人間不平等起源論』や『エミール』における教育論に
非常に重なるところが大きい。そして、彼の暗黙裡に導く最大の教訓はすなわち、自己愛の
世界は果たされぬユートピア=どこにもない場所として彼岸へと押しやられる他ない、という
こと。
 宇沢氏の主張をあざ笑うつもりもないが、まさにユートピアと呼ばざるを得ないこともまた
事実。そして一点事実として、種々の犯罪統計が示すに、この国の若年層は明らかに善良で
あるということ、まさにユートピア的なまでに。むしろ教育を受け、正されねばならないのは
明らかに、概ね40歳以上に分岐点を持ち、世代間既得権益にぶら下がり続ける恥知らず、人間
未満の家畜連中。腐ったミカンを処理せぬままに放置すれば、すべては絵に描いた餅に堕する
ことは必至なのだから。




ハイデガーの思想 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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著者の木田元氏は、年季の入った哲学の翻訳者である。或る時期から特に現象学関係の翻訳者、解説者として高名になった。しかし、若い頃は、いろいろ翻訳していて、ジンメルのカント論や、ルカーチのヘーゲル論など、いろいろやっている。後年アドルノなども翻訳している。従って、現代思想については、かなり幅広く渉猟し、その土台に現象学がある、という感じだ。そういう意味でも年季が入っている。ハイデガーには思い入れが深いようだが、しかし、翻訳はシェリング論ぐらいで、主著の類は権利問題のせいか手をつけていない。良い意味で常識が発達しているのか、大体本も良く売れている様だし、手がけた解説書も分かりやすい。従って、入り口の解説としては出色だし見事なのだが、しかし、大体役割を終えたと見てよいと思う。つまりこの人の解説では、あんまり哲学・思想としては分からないのだ。「事実関係」として思想を整理して示す手腕は見事だが、そこにどんな問題があって、当の思想家が何を悩み逡巡したのか、それは伝わってこない。別言すれば、解説を読んでも、同じような問題意識を読者に体験させ、改めて原典へ向かわせる力は全くないといっていい。それと幾度となく同じ話(自分のハイデガーとの出会い)をあちこちで書き散らす癖も感心しない。とにかく、思想とは事実関係で整理のつかないところに何かがあるものだと思う。答えの出ないまま逡巡し、逡巡した場所が広いほど、その思想は大きい、と言う様なことを吉本隆明がどこかで語っていたが、そういうものだと思う。




プライバシーと高度情報化社会 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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プラトンの哲学 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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プラトン哲学に関する本はいろいろ出ていますが、本書はプラトン哲学の重要な要素であるイデア論について深く考察しています。
新書の限られた紙幅のなかで、きわめて効率よく、プラトン哲学の目指しているものを浮かび上がらせています。
この著者はプラトンが意図しようとしていたところを深く探究している人であるのが、本書を読んで感じました。かならずしもプラトンが
専門でない人が書いた本では表面的な読みしかできていないと感じるものもありましたが(総覧的に知る場合にはそれもいいのですが)、
本書は他の解説書とは一線を画しているとおもいます。
一般的な常識的な観念を超えているプラトンの視点を本当に知るということは大変なことであると思いました。
プラトンの著作は表面的な読みやすさとは裏腹に、長年、読み込まないとわからないのではないでしょうか。本書からあらためてプラトンの世界の広さを見たように感じます。





ポストコロニアリズム (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 岩波新書のポストコロニアル本だが満足感はイマイチ。
 どうも「ナショナリズムの名著」に書かれたスピヴァグやバーバーに関する論考
 をただ引き伸ばしただけのような印象を受けた。
 ある程度ポストコロニアルに詳しい人は別にして一般にはおすすめできない。
 値段は安価なので手に取ってみるのはいいのかもしれないが。




未来への記憶―自伝の試み〈下〉 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 下巻を読むと、著者にとってアメリカ留学が人生の ターニングポイントになっているのがわかります。 よいことばかり書かれている嫌いはあるのでしょうが、 確かにアメリカに留学すると、誰にとっても河合先生と 同じような、道が開けたと感じる瞬間があると思います。

 これから大学院あるいは大学留学を考えている人にとって、とても勇気づけられる本だと思います。




未来への記憶〈上〉―自伝の試み (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 この本の中で重要なことを1つあげれば、河合教の信者になるなということであろう。それにしても、因果論というものでさえ、究極的に考察し、それを超越した上での話なら良いが、始めから考えることを放棄してユングを話す教授もいる最近の現象は嘆かわしい。




民族という名の宗教―人をまとめる原理・排除する原理 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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この本が出版された時は誰も「社会党」が日本からなくなってしまうとは思わなかったでしょう。(社会主義者ではないけど)社会主義にも利点があるという事は確かに否定できないですね。
集団を形成する事が社会の中でこんなに大きな力を持っていたとは考えたことがなかったので、色々と考えさせられた本でした。
アイデンティティと所属するコミュニティが一致しないために起き得る内戦など、現代社会における様々な問題を考えたり理解するのに役立つ一冊です。




問題群―哲学の贈りもの (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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