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和書 508082 (334)



南方文化の探究 (講談社学術文庫)
販売元: 講談社

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南方に関心を持つ旅人が最初に手にするのは柳田・折口ら民俗学者の著作か「死の棘」の島尾敏雄の著作だろう。「南方文化の探究」に結実した河村教授の踏査行が行われたのは両者の中間の時期に当たる。
 現在とは比べものにならない交通不便な時代に、現地の人々との交流を通じ、行ける所はすべて自分の目で見るという実証精神を貫いている。著者は戦前の人なので西郷隆盛を無条件で賛美するなど皇国史観から自由とはいえないが(そのこと自体時代を反映している)、記述は即物的、具体的でありそれだけでも貴重な記録となっている。
 この本には古事記の起源論など思いがけない記述が含まれている。著者が各地で神事を直接経験したことが無文字社会の現実的な理解につながっている。
 著者は50歳になる前に没している。読者は随所で生き急いだ著者の覚悟に胸を衝かれることだろう。本書を熟読玩味することこそいったんは忘れられた著者の労に報いる唯一の道だ。




二十一世紀の人類像―民族問題をかんがえる (講談社学術文庫)
販売元: 講談社

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日本宗教事典 (講談社学術文庫)
販売元: 講談社

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宗教は洋の東西を問わず難解である。特に近年は宗教に関した事件や出来事が日本国内においても起こっている。本書は、日本古来の原始的な宗教から中世近世、そして、現代に至る宗教を網羅している。むろんアイヌなどの少数の信者をもつ影響力の少ない宗教は割愛されてはいるが、末尾には索引事項が附され、コンパクトながら実に要領よくまとめられている。初心者にとっても、あるいは歴史を学ぶなかで日本の宗教を知る手がかりになる格好の書である。




日本神話と古代国家 (講談社学術文庫)
販売元: 講談社

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日本の聖地―日本宗教とは何か (講談社学術文庫)
販売元: 講談社

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山を中心とした日本人の聖なる場所についての本。とても読みやすく、また著者の思想と美学が熱くこめられた文章が楽しい。日本の豊かな自然をめぐる描写と仏教をはじめ宗教の言葉の記述がくるくると反転しながらあらわされていき、私たちの暮らしているこの国の歴史と現在の奥の深さがよく実感できるようになっている。
紀伊半島や四国の霊場の神秘性も、奈良や京都の寺社の歴史的な重厚さもそれぞれに素敵なのだが、やはり最大の読みどころは、比叡山の「千日回峰行」と出羽三山の「秋の峰入り」の解説だろう。「修行」という実践のただなかにおいて、宗教が人間と自然とをむすびつける輝かしい時空間のすごさがよく表現されている。
著者は、大峯山脈を道場とする奥駈け修行との対比において、以上の二つの修行の特異性と魅力を語る。奥駈けが、毎日異なる峰、異なる谷を歩くのに対して、この二つは「円環運動」としての側面が強い。山の中のあちこちで苦行を行いながら、しかし同じお堂に戻ってくるのである。だから、毎日おなじ自然界の生命活動をくりかえしくりえし体感し内面化していく回峰行により天台僧は「本覚思想」をからだで理解し、また羽黒の修験者は、多様な修行を経験しつつもいつも元のところに戻ってくることで、地獄と天界を行き来し、人間と仏が自分のなかで循環していくことの真実に気づく。
この円環のなかでこそ、人間と自然が一体となり、生と死がそこで同居し、人類の歴史が起源から現在まで再びくりかえされるのだ。





日本の民俗宗教 (講談社学術文庫)
販売元: 講談社

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日本仏教思想論序説 (講談社学術文庫 (710))
販売元: 講談社

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日本文化の形成 (講談社学術文庫)
販売元: 講談社

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日本人はどこから来たのか。その源流を可能な限り遡ったらどこまで到達できるだろうか。これを文献によってさぐると3世紀前半の魏志倭人伝「倭人の条」にたどり着く。倭人と呼ばれる人々は時代を下って15、16世紀の『朝鮮王朝実録』にも頻出するがその生活ぶりは魏志倭人伝の倭人とあまり変わらないという。またその活動範囲も、朝鮮半島南辺、対馬・壱岐、斉州島、西北九州、中国江南の沿海地方を含む海域で古代における「倭」の分布とほぼ重なっているという。(村井章介『中世倭人伝』による。)
このような史実を踏まえれば本書の次のような記述も首肯しやすい。「朝鮮海峡の航海権を倭人が握っていたとしても、半島にも倭人の植民地があることによって、大陸の文化は半島倭人の手によって日本にもたらされたであろうし、時には強力な集団が侵攻という形をとらないで日本へ渡航したと見ていい。そういう力が凝集してやがて日本の武力的な統一をおこない、統一国家を形成していったのではなかろうか。」
本書の記述は日本列島の先住民である縄文文化人が狩猟漁労によって何を食糧としていたかに始まり、おそらく稲作の伝来とも関わりのある南方系の倭人の動向を描いた後に(p.47以下)、青銅器や鏡をもたらした渡来人による統一国家へと向かう古代日本列島の様相を予想させるに至る。
残念なことに、本書は多くが未完のままに遺されており「日本文化の形成」という標題には届いていない。構成も「日本列島に住んだ人びと」、「日本文化の海洋的性格」、「日本における畑作の起源と発展」のわずか3部からなるにとどまり、ここで展開されたテーマを敷衍するものとしてであろう、「海洋民と床生活」と題する論文が加えられている。
著者は「日本文化形成史」と題する講演を1979年7月から翌年9月まで都合11回行い、その講義録2冊と本書に相当する遺稿のあわせて3冊が「日本文化の形成」として1981年12月に刊行された。著者はすでに同年1月に故人となっており、その目から見たこれらの作品の完成度は高いとは言い切れないだろう。しかし、それにもかかわらず、著者の生涯にわたる研鑽の上に築かれた本書の視野と発想は新鮮きわまりない。






日本人の宗教意識―習俗と信仰の底を流れるもの (講談社学術文庫)
販売元: 講談社

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日本人の知性と心情―精神医学の立場から (講談社学術文庫)
販売元: 講談社

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