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和書 538546 (99)



ゴシック・リヴァイヴァル (岩波 世界の美術)
販売元: 岩波書店

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 ヨーロッパを旅行する日本人のうち何人が、パリのノートル・ダムとロンドンの国会議事堂のつながりを想うだろうか。前者は12世紀のパリを中心に始まったゴシック様式で建てられ、後者は18世紀からイギリスで復興されたゴシック様式で建てられていて、近縁なのである。建築におけるゴシック様式は中世にはアルプスの北の国で広く行われ、ギリシャやローマの古典様式の建築物と比べて、その装飾過多、統一のなさ、グロテスクな多様性ゆえに「野蛮」(ドイツ風)と評された。細部の戯れは全体の統一に対して反抗するのである。古典主義=秩序、規格化、ゴシック=自由、矛盾、と定義できようか。だからゴシック様式が革命の世紀に復興し、国家主義や民族主義のイデオロギーと結びついたのは当然であった。建築が途中で放棄されたままであった、ケルン大聖堂、プラハ大聖堂、ミラノ大聖堂などがゴシック様式で復興、完成され、長らくハプスブルク家の支配下にあったハンガリー民族が、ゴシック様式で国会議事堂を建てたのは、これらの国々の民族運動の発展と軌を一にしている。そして新世界でもゴシックは旧世界に対抗するもの、新しい価値観を表現するものとして、公共建築物や大学の建物に採用された。イェール大学のスターリング図書館はその代表例である。古典様式が完成された静的な状態を表現するならば、ゴシック様式は未完成で、常に延び広がる、まさに学問の世界を象徴しているのである。本書は建築のみならず、他の文化、特にカウンター・カルチャーにも視点を当てて、包括的なゴシックと復興ゴシックの歴史を描いている。内容は豊富だが、訳文が生硬で読みづらい。固有名詞がふんだんに出てきて、ヨーロッパの地理や歴史についてかなりの知識を持っていないと十分に読みこなせない。(ただし、ヨーロッパを旅行しようという人が、事前に自分の訪れる都市の建築物について知るのには有用。)建築を専門としない人には注が不足していて不親切であるのが残念。




初期キリスト教美術・ビザンティン美術 (岩波 世界の美術)
販売元: 岩波書店

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日本でもキリスト教美術の本は多く出版されているが、ほとんどが有名な画家、彫刻家の活躍するルネッサンス以降の本で占められている。それ以前の時代はロマネスク・ゴシック時代の教会建築の本を除くと良書は若干しかありません。本書はそのような出版上の空白期間を扱った最良の一冊だと思いますので、この時代を知りたい人には必読の本だと思います。

内容は建築、モザイク、フレスコ画、写本、工芸品などのサイズが大きく解像度の高い優れた図版を用い、最新の研究成果を織り交ぜて解説してあります。ただし、量的にも読み応えのある文章であり、入門書としては難しい方だと思いますので本格的に勉強したい人向けであると感じました。

また、旅行前の予習としても本書は最適です。特にラヴェンナ、シチリアおよびビザンティン美術目当てでギリシア、トルコに行かれる方にお勧めです。






新古典主義 (岩波 世界の美術)
販売元: 岩波書店

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 先のレビュアーさんも述べているとおり、新古典主義の発端から展開、20世紀におけるその継承など、イギリスとフランスを中心に概観できる。図版も、普通の美術全集などではお目にかかれないものも多く採録され、興味深かった。訳も日本語として違和感がなく読みやすい。
 このシリーズでは『印象派』『キュビスム』も読んだが、いずれも、原著刊行時点までの研究成果を反映させているので、その分野の専門家からすれば議論の余地があるにせよ、「西洋美術史概説」から一歩踏み込み、学問としての美術史に入っていくにあたって最初に読むのにふさわしい内容となっている。
 なおソフトカバーで価格も抑えてはいるが、原著に比べるとやはりちょっと高めに感じる(翻訳ということを考えれば仕方ありませんが)ので星は4つで。




ダダとシュルレアリスム (岩波 世界の美術)
販売元: 岩波書店

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ミケランジェロ (岩波 世界の美術)
販売元: 岩波書店

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ロマン主義 (岩波 世界の美術)
販売元: 岩波書店

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地中海都市紀行 古代キリスト教美術を訪ねて (岩波セミナーブックス)
販売元: 岩波書店

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 キリスト教美術で良く知られているものはダ・ヴィンチやミケランジェロが活躍したルネサンス期以後のものだが、それ以前のロマネスクやゴシック、さらに遡った初期中世のものにも非常に魅力的な作例が数多く存在する。それらは地中海から中東にかけての各地に点在する都市に、主に教会建築やその内部装飾として残っている。また時代的にはキリスト教美術は2世紀ごろ誕生したとされているが、広がっていくのは4世紀のローマ帝国におけるキリスト教公認以後が主で、特に5世紀から7世紀にかけてひとつの隆盛を極めた。
 本書で扱うのは、この一繁栄を中心とする2世紀から8世紀にかけての古代キリスト教美術である。地域は北アフリカを除く地中海沿岸から近東まで広範に及ぶが、紹介されている遺構はいずれも著者が自ら訪れたものだという。また使われている写真も、ほとんどは著者の手によるものだ。宗教美術は、その宗教の教義や図像学を理解していないと意味を読み取るのが難しいのだが、この本では図像・解釈とも詳細ながら平易な文章で語られており、学術書のように身構えて読む必要はない。図版がカラーでないのは非常に残念だが、それでも理解を促すのには足りている。キリスト教美術、特に初期の美術に焦点を当てたものとしては、この本は最高の入門書と位置づけていいだろう。




中世絵画を読む (岩波セミナーブックス)
販売元: 岩波書店

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ヨーロッパ中世美術講義 (岩波セミナーブックス)
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ヨーロッパ・ロマン主義を読み直す (岩波セミナーブックス)
販売元: 岩波書店

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